第9章
シュハスコはこのゾンビマスターとの攻防のあるこの国の状況に、ふと我に返るようにピリーニャに呟く。
「しかし僕らはVRゲームをしている最中に、こちらの世界に飛ばされてきたのだけど、それからどうも何かと忙しくはないかい?僕らの理想はこちらの世界でのんびり暮らすことが目的だったはずなのにさっ！
なのにこちらの国々ときたらゾンビだらけでとても落ち着くことさえままならないばかりか、僕らが戦闘の中心となってやしないか?」
ピリーニャも頷きながら言う。
「そうだよな、こんなはずじゃ無かった……僕はこっちで農耕や牧場で汗を流すイメージだったのに、何でゾンビ？しかも黒魔術まで出てきて、挙句の果てに白魔術の訓練までさせられて…
これじゃまるでサバイバルバトルゲームじゃないか!」
二人はゾンビマスターとの違いの前に熱く語り合う。
「しかしゾンビ達もこんなバトルなんか望んではいないのじゃないかな?だって改心したゾンビ達は、ゾンビとして悪さをするでもなくただ自分たちで慎ましく暮らしているだけだったと言ってたから。
たまたまゾンビマスターの声掛けで悪い奴らが攻めてくるから共に守ろう、と、かり出されたのだと言ってた。」
エメラルダ国王、パイソン閣下、そしてカエラ女王とともに再び冒険の旅に出発した一行は、ゾンビマスターへの挑戦が続く中、シュハスコとピリーニャが自分たちの理想を追求しはじめたことを知らなかったーーーー
ー☆ーーー
ゾンビマスターへの挑戦は長く、危険で困難なものであった。
しかし、シュハスコとピリーニャはエメラルダ国王、パイソン閣下、そしてカエラ女王とともに、仲間たちと連携し、知識や力を結集して立ち向かった。
彼らの旅は驚異的な場所や奇妙な仲間に出会い、ゾンビマスターの秘密を解明する手がかりを探し続けた。
その過程で、シュハスコとピリーニャは仲間たちとの絆を強化し、自分たちの使命を追求するために成長した。
彼らの冒険は彼らの理想と現実のギャップを埋めるものであり、最終的にはゾンビマスターに挑む力を蓄えた。
エメラルダ国王、パイソン閣下、そしてカエラ女王のサポートを受けながら、シュハスコとピリーニャはゾンビマスターへの最終決戦に臨んだ。
最終的に、ゾンビマスターは力尽き、彼の支配から解放されたゾンビたちは改心することで再び人間と共に平和な暮らしを取り戻すことになった。
シュハスコとピリーニャは感謝の意を示し、この国々での新たな友情と平和を築くのであった。
改心したゾンビマスターはパイソン閣下に従う形でこれ迄破壊し続けたメソポ王国に反省の意味で新たなる理想郷作りをテーマにした展望を相談していた。パイソン閣下は立派な釣り髭を撫でながら
「そう言えばシュハスコとピリーニャはあちらの世界から召喚されたようだから、それはきっと理想郷に近いのではなかろうか。彼らから聞き出してみよう!」
ゾンビマスターはパイソン閣下に頷きながら、
「パイソン閣下、そうですね。シュハスコとピリーニャがあちらの世界から召喚されたことは、彼らの理想と現実のギャップを埋める手助けになるかもしれません。」
と答えました。
パイソン閣下は笑顔で言いました。
「それでは、シュハスコとピリーニャに相談してみましょう。彼らの視点から新たな理想郷のアイデアを聞いてみるのは良い考えだと思います。」
数日後、シュハスコとピリーニャとの会合が設定されました。
ゾンビマスターは改心し、彼らに対して謝罪と共に、新たな理想郷のアイデアを共有しました。
シュハスコは考え込みながら言いました。
「私たちはこちらの世界で平和に暮らすことを望んでいました。この国々での冒険は楽しかったし、新しい友達もできました。やはり平和な場所が理想です。」
ピリーニャも賛成しました。
「そうですね、私たちの理想は簡単な生活、農耕や牧場で汗を流すことでした。
もし、この国々でそのような場所ができるなら、それは理想的だと思います。」
パイソン閣下は二人に感謝の意を示し、改心したゾンビマスターと共に、新たな理想郷の建設に取り組むことを決意しました。
ゾンビたちも協力し、メソポ王国に新しい希望と平和をもたらすために協力することを誓いました。
ーー☆ーー
先ずは破壊し続けた町並みをリニューアルすることだった。大工仕事をスムースに行う手法は白魔術の力を頼ることにした。
早速パイソン閣下はゾンビマスター率いるゾンビ達と共に白魔術師テンプルからレッスンを受けることにした。
パイソン閣下はゾンビマスター率いるゾンビたちと共に、白魔術の力を学ぶために白魔術師テンプルの居場所に向かいました。
テンプルのいる城の扉を開け、彼らは知識と力を得るための新たな冒険の扉をも開くことになったのでした。
テンプル内では、白魔術の師匠である魔術師アリアスが彼らを歓迎しました。
テンプルは優れた白魔術師で、リニューアルするための大工仕事に必要なスキルや魔法の秘密を伝授しました。
パイソン閣下もテンプルの城に向かって言いました。
「我々はこの国を再建し、理想郷を築くために白魔術の力を学びたいのです。どうか、我々にお力をお貸しいただけないでしょうか？」
テンプルは微笑みながら答えました。
「あなた方の意志が純粋で、この国の未来に貢献しようとしていることが明らかです。私たちは喜んでお手伝いしましょう。
まず、白魔術の基本から始めましょう。」
ゾンビマスターとその仲間たちは一生懸命に学び、白魔術の力を使って町並みのリニューアルを進めました。
建物が再び立ち上がり、町並みの再建が進むにつれゾンビたちは驚くほど手先が器用になりました。
習得した白魔法の力を駆使して建物を修復し始めたのでした。
パイソン閣下とテンプルの指導のもと、彼らは建物のデザインや美化にも心を尽くし、まるで新しい町が生まれ変わるかのようでした。
一方シュハスコとピリーニャも積極的に参加し、農地と牧場の整備を手伝いました。
彼らの農耕と牧畜のスキルが町の食糧供給に大いに役立ち、新しい生活が実現するための基盤を築いていきました。
町のリニューアルが進むにつれ、新しい理想郷の姿が次第に浮かび上がってきました。
人々は共に助け合い、新たな友情を育み、ゾンビたちは自分たちも一員として受け入れられたことを感じました。
そしてついに、町並みのリニューアルが完了し、新しい理想郷が誕生しました。この町は平和で美しい場所として国の象徴に値し、人々とゾンビたちが共に幸せに生活する新たなモデルケースになろうとしていましたーーーー
///to be continued!!!☆☆☆
