第4章
ゾンビモンスターの呪いによって荒廃したルクス王国の惨状を見せつけられたジャミラ王国の王女カエラであった。
彼女はピリーニャとシュハスコに呪いの発生メカニズムの解明がキーになると告げると、二人に呪い除去のスキルをマスターするミッションを命じた。
「ピリーニャとシュハスコ、アナタ方がこちらに召喚された際に何かしらのスーパースキルを持ち合わせている筈ですから〜〜〜まず初めは自分たちのスキルが何であるかを知る事が重要です。
しかし、あまり時間をかけては居られませんから、その辺りは明日から肝に銘じて取り組むように、良いですね!」
そんな言葉を残して彼女はジャミラ王国への帰路についたのだった……
二人は来る日も来る日もルクス王国のゾンビに纏わる儀式や古文書の解明に翻弄され続けました。
住民達に言い伝えられた「闇のエネルギー」とは一体どのようにすれば発生可能となるのだろうか……調査を続けるのであった。
ー*ー*ー*ー
ある日ルクス王国のケニッツェル国王からディナーのお誘いがあり、二人の元へとリムジンのお迎えが到着しました。
未だ自分たちが持ち合わせているというスーパースキルでさえも何か把握していない二人は、国王からの招待に恐れ多く思っていたのだった。
黙ったままリムジンに運ばれてゆく二人の眼には城までの市街の荒廃が痛々しく映っていた。そして二人は使命感を新たにしたのだった……
ピリーニャとシュハスコはケニッツェル国王の招待に緊張しながらも応じ、尚もリムジンに揺られ続けていた。
リムジンの窓から見える市街の荒廃は、ますます彼らの使命感を燃え上がらせました。
王国内に広がるゾンビの呪いが、この美しい国を台無しにしていくのを見ることは彼らにとっても耐え難いものでした。
王宮に到着し、ケニッツェル国王とのディナーが始まりました。
王国の国王は、カエラ王女からピリーニャとシュハスコの存在と彼らのスーパースキルの話を聞いて興味津々でした。
彼は彼らにルクス王国の儀式や古文書の中から闇のエネルギーの発生メカニズムを解明する手助けを申し出ました。
「ルクス王国の荒廃は、私たちの王国にも及びます。ゾンビの脅威が広がり私たちも長きにわたり苦しんでいます。
ですが、あなたたちの未解なスーパースキルの力というものを借りて、この呪いを解こうと考えております……」
ケニッツェル国王は熱く語るのでした。ピリーニャとシュハスコは、国王の熱意ある提案に深く感謝し、協力を約束しました。
ルクス王国の各界の国賓との交流が望まれるディナーの席で、彼らはルクス王国の呪いの謎についての情報を得るための新たな線索を手に入れたのでした。
ー*ー*ー*ーー
翌日からはゾンビモンスターの生態や伝承の情報からの収集と古文書調査により一層力を注ぐことを決意するのでしたーーーー
彼らはカエラ王女のミッションの期待にも応えるべく、ルクス王国を救うために立ち上がる決意を固めました。
ゾンビモンスターの呪いに立ち向かい、国を再び繁栄させるためにも彼らの捜索は新たな段階へと突き進んでゆくのでした。
ケニッツェル国王の手拍子の合図で、やがて二人の前に沢山のディナーが運ばれてきました。それはそれは色とりどりに盛り付けられた数々の料理にうっとりするシュハスコとピリーニャ。
するとピリーニャは傍らの給仕に料理について次々に質問を浴びせかけたのだったーーーー
ピリーニャ: わぁ、見てシュハスコ!こちらの料理も、どれも美味しそうよね。
シュハスコ: 本当だな、すごく美味しそうてオレ、ヨダレが大変だよ。もう食べるのが楽しみで待ちきれないよぅ。だけどぅ〜、場所が場所だけにまだちょっと緊張してるかもね〜
真っ白なテーブルクロスの上に給仕が華やかな料理で彩りを添えてゆくーーーー
ピリーニャ: すみません、これ、何の料理ですか?ワタシ見たことがないんですが……
給仕: それは王国特製の海鮮パエリアで御座います。国内屈指の漁場から届けられた新鮮なシーフードと香り高いスパイスが使われています。
シュハスコ: とても美味しそうだ、本当にありがとう。それと、この色とりどりのサラダ、どんな野菜が入ってるんですか?
給仕: それは我が王国で有名な「気まぐれ彩りサラダ」です。鮮度抜群なな野菜やオリジナルハーブ、そして特製のクリーミードレッシングで仕上げられています。
ピリーニャ: なるほどぅっ!それは素晴らしいですね。この王国の食文化についてはもっと知りたいです。ケニッツェル国王殿、ここでのディナーはとつても素敵な機会ですね!
遠くの主賓席から国王はピリーニャに微笑みを投げかけながら応える。
ケニッツェル国王: そうだね、ピリーニャとシュハスコ、私たちの文化と料理に触れてもらえて嬉しいよ。
だが…実はね、今夜は呪いの問題についても話を進めて行きたいとは思っているんだが。そろそろそれについてお話しをしようか。
絶品なディナーが進みながらも、国王との会話は続いてゆきます〜〜〜
ピリーニャとシュハスコは料理と情報の両方を堪能しながら楽しむことができました。
ピリーニャは給仕の耳元で何かを囁くや、給仕はニヤリッと頷くと、何故かピリーニャを戸外へと連れ出していったのでした。
一人取り残されたシュハスコは不安になると、やはり隣の給仕にピリーニャの行き先について尋ねるのだったーーーー
「はい、ご心配は無用ですよ。どうやら二人は奥のキッチンへ向かっていったとのことですよ。」
するとシュハスコは首をかしげる。何故にキッチンなんかに… 暫くして再びピリーニャが現れる。
席につくと、今度はどうしたことかピリーニャが国王のように手拍子の合図をするや、給仕達がデザートを持って入って来るのだった。
一通りテーブルに並べられた頃、
「今宵のデザートはピリーニャさんプロデュースの数々になります。皆様ご堪能あれ!」
ケニッツェル国王によってメニューが紹介された。
早速給仕たちがデザートをテーブルに並べる。
ケニッツェル国王: おう、これは楽しみだねぇ。ピリーニャさん、デザートを作ってくれたんですね!
ピリーニャ: はい、何故か私には料理のスーパースキルが目覚めたようでして…
是非皆様にお楽しみいただけるように、デザートを何品か作ってみました。ど
うぞお召し上がりください。
デザートがテーブルに並び、メニューが紹介される。
シュハスコ: それでは、どのデザートからいただきましょうか?
ピリーニャ: まず、このフルーツタルトからいかがでしょう?新鮮なフルーツとクリームが絶妙に組み合わさっています。
ケニッツェル国王: (興味津々に)素晴らしい!それから?
ピリーニャ: そして、チョコレートフォンデュもありますよ。甘さと滑らかさの絶妙なバランスです。
ケニッツェル国王: どちらも美味しそうだね。ピリーニャさん、これらのデザートは本当に素晴らしいですね!
デザートを楽しみながら、会話は軽快に進みます。ピリーニャの行動の謎は解けずに、彼らは食事を楽しむことに集中します。
どうやらピリーニャのスーパースキルは料理がとても上手な事のようだった。
会場の皆がディナーにご満悦の頃、ケニッツェル国王から今夜の招集の本題となるゾンビモンスターの呪いについての議論が始まったのでした。
ケニッツェル国王: (料理を楽しむ間も議論を続けながら)さて、ピリーニャさん、この料理は本当に素晴らしいですね。
これだけのスキルがあれば、ルクス王国の将来的な食事文化をもっと豊かにすることができそうですね。
ピリーニャ: ありがとうございます、国王様。どうしたことかこれらの即興料理は私のスーパースキルになってしまったようなんです〜〜〜
しかし私にはカエラ国王から託された本当の使命がありまして…それというのも、この世界に存在するゾンビモンスターの呪いを解くことでありまして…
シュハスコ: そうです、ケニッツェル国王様。ルクス王国の呪いについてどのような情報がありますか?
ケニッツェル国王: ゾンビモンスターの呪いは、我々の王国にも深刻な被害をもたらしています。
この呪いの起源やメカニズムについての情報を集めていますが、まだ不明確な点が多いのです。
ピリーニャ: 我々も同様に情報収集を進めています。古文書や儀式、住民からの言い伝えなど、何か手がかりがあれば教えていただけますか?
ケニッツェル国王: もちろんです。まず、この呪いは何らかの闇のエネルギーに関連しているようです。そのエネルギーの起源や性質を解明することが重要です。
また、ルクス王国のモモ王女も同じような情報を探していたようですが、彼女が行方不明になってしまいました。
シュハスコ: モモ王女が行方不明になったという情報は今初めて聞きました。我々も彼女の行方を調べる必要があるかもしれませんね。
ケニッツェル国王: その通りです。我がルクス王国の危機は世界の危機へと発展する可能性でもありますから。皆で協力してこの呪いを解き、モモ王女を救い出しましょう!
ピリーニャとシュハスコは、ケニッツェル国王と共にゾンビモンスターの呪いに立ち向かう決意を新たに固めるのでしたーーーー
王国同士が手を組む事で、新たな発生メカニズム解明の情報を探す旅は始まったのでした。
☆☆☆to be continued!!///