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第39章

白魔術師テンプルには判っていた。





カエラ女王と彼氏バロッチャが旅立って行った、ジャミラ王国きっての最新スピリチュアルアトラクションである「VRパラレルワールドツアー」には、隠ぺいされた大きな欠陥があるということを……






しかし彼女はこの事を中々言い出せずにいたのだった。






鳴り物入りで宣伝したジャミラ王国最新技術の集大成となるこのアトラクションは、今や世界中から観光客が殺到するほどの大人気アトラクションであり、その信用に傷がつくことを恐れていた。






モモ王女からのたっての依頼でこのアトラクション建設期間を短縮した影響が、今となっては仇となっていた。






そしてカエラ女王とバロッチャはこのツアー第一号として招待状を受け取るや、喜んで旅立って行った。






テンプルは自分に言い聞かせるように呟く。






「あの人たちは散々私の事をこき使って来たのだから、いい気味だ」と。







ーーー☆ー


モモ王女に告げる前に、カエラ女王とバロッチャは、実はVRパラレルワールドツアーでの欠陥があることには気付いていたのでした。





カエラ女王とバロッチャは、VRパラレルワールドツアーの最中、突然、シミュレーション内で何かがおかしいことに気付いた。






 まず、景色が乱れ、リアリティを欠いているように見えた。






 さらにツアーガイドの音声が途切れ途切れになり、案内が正確でないことに気付いた。





カエラ女王は不安を感じながらも、バロッチャと手をつないで冷静さを取り戻そうとした。






 しかし次第に彼らの周りの環境が崩壊していく様子に、恐怖が彼らを包み込んでいった。





その時シミュレーション内で突然停止し、暗闇が彼らを包み込んだ。






 カエラ女王はバロッチャの手を強く握りしめ、心臓の鼓動が耳に響く中、彼らは現実に戻ることができるのか不安と疑問に満ちたまま、暗闇の中に取り残されていた。






二人は些細なミスだと気にはしていなかったのだが、実はこの小さな計算ミスの歪によって、テンプルの設計したパラレルワールドとは異なる世界へと飛ばされ、彼女たちの居場所すら掴めない状況に陥っていたのでした……







ーーーー☆☆


 生じた時空の歪みによって不明なパラドックスからこちらの世界に帰還することは困難だと、テンプルがモモ王女に報告するや、困り果てたモモ王女は側近のパイソン閣下に相談するのでしたーーーー





モモ王女はテンプルからの報告を受け、不安と焦りが入り混じった表情を浮かべた。





 彼女は困り果てて側近のパイソン閣下を呼び寄せ、深刻な状況を説明した。





「パイソン閣下、カエラ女王とバロッチャが失踪したとの報告が入った。


 テンプルによれば、彼らは時空の歪みによって別の世界へと飛ばされた可能性が高いとのことです。


 帰還する手段が見つからない限り、彼らを救出することは困難でしょう。」






パイソン閣下は深刻な面持ちで頭を抱えながら考え込んだ。





 彼は冷静な判断力で知られており、このような緊急事態にも冷静に対処することができる人物だった。





「モモ王女殿下、私たちはすぐに行動を起こさなければなりません。


 カエラ女王とバロッチャの安全を確保するために、専門家チームを編成し、時空の歪みを調査し、彼らを救出する手段を探さねばなりません。」







モモ王女はパイソン閣下の提案に頷き、決断力を示した。






「パイソン閣下、全力で救出作戦を展開してください。


 私たちはカエラ女王とバロッチャを絶対に置き去りにしません。」






ーーー☆☆ー



翌日からは、パイソン閣下と共にシュハスコとピリーニャ兄弟がアトラクションの修理について議論する。





 モモ王女の命令に従い、パイソン閣下はシュハスコとピリーニャ兄弟と共にアトラクションの修理に取り掛かった。






シュハスコは機械工学のエキスパートであり、ピリーニャ兄弟はプログラミングとシミュレーションの専門家だった。






 彼らは一同が集まり、修理作業のために会議室に入った。






「まずはアトラクションのシミュレーションを徹底的にチェックし、何が問題なのかを特定しなければなりません。」







 パイソン閣下が言い始めた。



 シュハスコはノートパソコンを開き、大きなディスプレイにシミュレーションのデータを表示した。







「問題の原因はおそらく、時空の歪みに関連する計算ミスに起因する可能性が高いです。」






 ピリーニャ兄弟は機械の制御とプログラミングの部分を担当し、





「修理には、新たなアルゴリズムの導入やデータの再計算が必要です。しかし、その前に、シミュレーションの基本的なプログラムを修正する必要があります。」






パイソン閣下は一同の提案を聞きながら、次のステップを考えた。






「了解しました。では、シュハスコさん、修正されたプログラムに基づいてシミュレーションを再起動し、問題のある箇所を特定してください。


 ピリーニャ兄弟は、修正されたアルゴリズムを実装し、シミュレーションの制御を改善してください。」






シュハスコとピリーニャ兄弟はそれぞれ任務に取り組み、アトラクションの修理に向けて全力を尽くすことを決意した。






ー☆☆ーーー



しかし修理は想定外に難解であり、テンプルの白魔術を介しても中々上手く行かなかった。





修理作業は予想以上に難航し、シュハスコとピリーニャ兄弟はテンプルの白魔術の力を借りても問題を解決することができなかった。





テンプルは力強く手を振り、呪文を唱えながら、アトラクションのシミュレーションを修正しようとしたが、どういうわけか彼の魔術は効果を発揮しなかった。






「これはまさに予想外の困難だ。通常ならば私の魔術で問題を解決できるはずなのに…」






 テンプルは落胆した表情を浮かべた。





シュハスコとピリーニャ兄弟も懸命に修理に取り組んでいたが、問題は複雑で、彼らの知識と技術だけでは解決できないことが明らかだった。







「これは何かしらの邪悪な力が介在しているのかもしれません。私たちの手には負えないようですね。」





 シュハスコがため息をついた。



パイソン閣下も困り果てた表情で彼らを見つめた。






「このままではカエラ女王とバロッチャを救出することは不可能に近いかもしれない。しかし、諦めるわけにはいきません。新たな解決策を考えなければなりません。」






ーー☆☆ーー



そこでシュハスコが思いつきました。今の歪んだ状態でツアー2号機を発車すればもしかしたらカエラ達のパラドックスにたどり着くことができるかも知れない、と。





 そして兄弟は2号機でVRタイムリープ探索ツアーに旅立って行った。





シュハスコの提案に一同は驚きながらも、それが唯一の希望であることを理解した。






 2号機でのVRタイムリープ探索ツアーは危険を伴う冒険だが、カエラ女王とバロッチャを救出するためにはやむを得ない選択だった。






シュハスコとピリーニャ兄弟はすぐに準備を始め、2号機の修理と改良に取り組んだ。





 彼らは限られた時間の中で最善を尽くし、2号機を万全の状態にすることに成功した。






「準備は整いました。2号機での探索ツアーに出発します!」






 シュハスコが叫び、一同は2号機に乗り込んだ。






2号機はスリリングな冒険の始まりを告げる音を立てながら、次元を超える旅に出発した。





 シュハスコとピリーニャ兄弟は希望を胸に、カエラ女王とバロッチャの居場所を探し求めて、未知の世界へと飛び立った。




 果たして彼らは成功し、カエラ女王とバロッチャを救出することができるのだろうかーーーー







ー☆☆ーーー


 兄弟が旅立つ直前、パイソン閣下とジョセミテお祖母様、そしてモモ王女が彼らを見守る中、しばしの静けさが広がった。






パイソン閣下は厳しい表情を浮かべながらも、心の中で兄弟たちに祈りを捧げた。





「シュハスコ、ピリーニャ、君たちの勇気と決断力に心から感謝する。この冒険が成功することを願っている。」





ジョセミテお祖母様は優しい笑顔で二人を見つめる。





「若者たちよ、勇気と知恵を持って、安全に戻ることを祈っているわ。あなたたちは私たちの希望なのだから。」






モモ王女も心からのエールを送る。





「シュハスコ、ピリーニャ、私たちの運命を託すわ。どうかカエラ女王とバロッチャを救い出してきてくれることを願っているわ。」






シュハスコとピリーニャは深く頭を下げ、感謝の意を示しながら、決意に満ちた表情で振り返った。





「私たちの使命を果たすために、希望と愛を胸に旅立ちます。必ず帰ってきます。」





 シュハスコが誓った。


ピリーニャも微笑みながら付け加えた。





「兄弟揃って、この未知の旅に挑む。どんな困難が待ち受けようとも、絆で乗り越えてみせる。」





そして兄弟は2号機に乗り込み、未知の世界への旅立ちの時が訪れる。





 一同は探索の成功を祈り、カエラ達の無事と彼らの安全を祈りながら見送ったのでしたーーーー








///to be continued!!!☆☆☆



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