第17話~会敵、仇敵キトスチューム・ブーラ!~
体が石でできたイモムシのような姿の外界生物…ジェミアンワームを倒して目的地へと歩み始めたタカオ達と物資輸送隊のクロオオアリたちは。本栖湖東方の森にて…ある外界生物と遭遇した。
その外界生物は着ぐるみのネコ、とでもいったほうが早いかのような姿をしており。その体の色たるや青色をしている。…その頭の上にはこれまた猫のような生物が乗っかっていて。その手にはトラを思わせるようなカラーリングのメガホンのようなものが握られている…大阪にいたほうがとても映えそうな物だ。
猫の着ぐるみのようなものにはあちらこちらに煤のようなものが付いていて。すでに魔操虫に似た存在と戦ってきたものと思われる。
その猫の着ぐるみのような姿の外界生物に対して警戒をするタカオ達。…その中でもブラゼルはあたかも大切な人の仇を見るかのような様子を見せている。
「青いキトスチューム…!精鋭部隊はどこでこいつを見たといっていた!?」
「偵察中に発見したと話では聞いてたよ。…でもこいつは確か朝鮮半島の南部で発見されたはず…なんでこんなところに…!」
どこかでキトスチューム・ブーラの情報を聞いていたとでもいうような口ぶりのトモユキ。そんな魔操虫たちにキトスチューム・ブーラが爪も何も生えていないような手から禍々しい色の爪のようなものを生やし襲い掛かる。
それを避けるためにタカオ達が散開する。爪による攻撃は地面に激突したが、その威力の強さを物語るかのように深々と爪痕が刻まれた。
直撃すれば引き裂かれることは火を見るよりも確実。それを知って身震いする魔操虫達。そのさなかブラゼルが鬼気迫る勢いでキトスチューム・ブーラへと魔法を放ち始めた。
「何を考えてるの!?」
「ようやく出会えたんだ!ここで敵を取らなければどこでとるっていうんだよ!」
「ブラゼル…そこまで因縁が…!」
いつものブラゼルからは考えられないような砕けた態度。それを見て、トモユキがびっくりするかのような様子を見せる。
ようやく出会えた仇敵。それをようやく倒せると思っているためか今のブラゼルにはキトスチューム・ブーラしか見えていない。
「"ラデット"!」
ブラゼルが空中に土塊を出現させキトスチューム・ブーラへと発射する。その土塊はキトスチューム・ブーラに命中しひるませるものの。大したダメージを与えたようには見えなかった。
ヤマネコのような鳴き声をキトスチューム・ブーラがあげる。その直後、キトスチューム・ブーラは禍々しい色合いのオーラを体から放出し…少しししたのちにこれまた禍々しい色合いの竜巻をその周りに巻き起こした。・・・が、その範囲は狭く。タカオ達には届いてもいない。…それどころか、タカオ達はキトスチューム・ブーラを倒すヒントとなるだろう物を手に入れていた。
あの色はおそらく闇属性。光属性が一番に聞くはずだ。タカオがそう判断するや否や、ノブナリへと指示を出す。
「ノブナリ!お前の魔法がかなり効くはずだ!光属性の魔法を放て!」
「了解だ!"ホブラマ"!」
タカオの指示の通りに光属性の呪文を放つノブナリ。その呪文はキトスチューム・ブーラに命中し。先ほどよりも強くひるませる。
俺の想像通りだ。手ごたえを感じるタカオ。しかしその直後。タカオに雷が直撃した。
「ぐああああっ!」
「タカオっ!?」
効果は抜群。自身の持つ属性の弱点を突かれ、タカオがその場に倒れる。・・・それを見た直後、トモユキはノブナリに指示を出した。
「…ここは君に任せるしかない、頼んだよノブナリ!…風属性の魔法を!」
「今まで活躍できずにフラストレーションがたまっていたからな!思いっきり暴れてやらぁ!!」
ノブナリの足下に魔法陣が現れる。しかしその魔法陣は尋常ではない輝きを放っていた。…それは魔法が暴走する合図。普段よりも威力の高い魔法が放たれるときに起こる現象だ。
「森に語り継がれる風の力よ、自身に敵対する物を滅せよ。…"ポロル"!!!」
普段よりも多い風の刃がノブナリの周りをくるくると激しく回っていき。数秒ののちに無数の風の刃がキトスチューム・ブーラへと襲い掛かる。
命中した後のひるみ時間が長い。効きが良いのか。予測を立てるトモユキ。
(そろそろ倒れるはずだ、一気に畳みかけよう。)
相手のダメージもかなりかさんできているはずと予測を立てたトモユキが指示を出そうとしたその時。キトスチューム・ブーラの目の部分がギラリと光り、猫のような生き物の持つメガホンから猛獣のような方向が辺りに響き渡った。
見ると着ぐるみの頭部の周りがボロボロになり、そこからライオンの鬣のようにクリーム色のオーラのようなものが放たれている。
「相手外界生物に大きなダメージを与えた!相手は怒っているよ!このチャンスを物に!」
ノブナリが呪文を唱える準備に取り掛かる。そして呪文を放とうとしたその時。それよりも前にノブナリに氷の礫が命中した。
「ぐうっ!」
「ノブナリっ!」
「大丈夫だ、まだまだいける。…トモユキはタカオの回復をしてくれ。」
「わかった。そっちは任せたよ。」
トモユキの言葉に頷くノブナリ。突如として現れたブラゼルの仇敵、キトスチューム・ブーラ。その外界生物に、魔操虫たちは勝つことができるか。




