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第16章~発動、連携輸送作戦。そして仇敵との再会~

 あの悲劇の翌日。タカオ、ノブナリ、ブラゼル、トモユキの四匹は任務の管理を一手に引き受けているカナブンのヨシヒトの元を訪れていた。

 どうやらカナブンのヨシヒトも魔操虫が来るのを心待ちにしていたようで。タカオと顔を合わせるや否や声をかける


「おお魔操虫のタカオ。ちょうどよかった。急を要する任務が入ってきたんだ。」

「急を要する任務?この周辺が襲撃でもされたのか?」


 ヨシヒトの言葉に首をかしげるタカオ。そのタカオの問いにヨシヒトが答えを返す。


「いや、周辺は担当するグループが防衛に入ってくれているから大丈夫だよ。・・・急を要する任務というのは東京T区の支部へと物資を輸送することになったんだ。だから高尾山支部まで護衛していってほしいんだよ。」

「T区?あそこファブラルス本部の精鋭部隊でも出さないと苦しめられるような外界生物の巣窟じゃなかったか?・・・そこまでの護衛はどうするというんだよ。」

「そこは大丈夫。リレー方式での大規模任務となっているからね。まず高尾山支部まで君達のグループが護衛して、高尾山支部から先は東京西部丘陵地区第四支部に所属するグループが護衛する。そのグループは植物公園支部まで護衛をし、そこから先をS区とT区のグループが合同して護衛をするという手筈になっているんだ。題して"セントフレア作戦"。・・・T区の方で大規模な防衛作戦が発動すると聞いているからね。物資も相応に重要なものだ。・・・厳重に頼んだよ。」


 タカオとの会話をどこか含みのありそうな様子で終えるヨシヒト。精鋭部隊が何故護衛に参加しなかったのか疑問に思いながらも。ファブラルス本部の北部に位置する木でできた大きな門から外に出た。

 そこで待っていたのは大きな荷物を積んだ木でできた台車にひもでつながれた何匹もの蟻の群れ。クロオオアリと呼ばれるその蟻の群れは。口々にタカオ達に"よろしくお願いしますー"と挨拶をしていく。


「ああ、お前たちの運ぶ荷物は俺達が守ってやるからな。・・・安心しろ。」


 聞くものを安心させるかのようなタカオの言葉。それに、クロオオアリの群れの一匹が言葉を返した。


"魔操虫の皆さんが護衛についてくれるというのもありがたいんですけど、今回はさらに新鋭魔操虫が二匹もいるタカオさんのグループだということで感謝してますー。今回は頼りにしてますねー。"


 その言葉を聞いたのちにどこか誇らしげにノブナリを見るタカオ。そんなタカオに。ノブナリはどこか心配そうな様子で問いを投げかける。


「・・・。大丈夫なのか?タカオ。・・・タエキチの事…。」


 オオクワガタのタエキチ。先日の任務でカイザルティランに自身の魔法を返され、異形の姿へと変化を遂げてしまった魔操虫。そのことをノブナリに聞かれたのち。タカオはどこか悲しげな様子を見せた。


「・・・。忘れたわけじゃないぞ。・・・ただ、俺にとって・・・新たな覚悟ができた理由となっただけだ。」

「そうか…。変なこと聞いてごめん。」

「謝るなノブナリ。・・・気持ちを切り替えて、そら、行くぞ。」


 タカオが短く鳴くと同時に、それを合図としてクロオオアリの群れが移動を開始する。

 森の中を行くクロオオアリの群れと、それを囲うかのように位置するタカオたち。その道中石のようなモノに体が覆われた蛆虫のような生き物と遭遇する。


「ジェミアンワームだ!クロオオアリの群れを守れ!」


 ジェミアンワーム。そう呼ばれた石のようなモノに体がおおわれた蛆虫のような生き物…否、外界生物は海外に生息するアリノスシジミのように蟻の幼虫や蛹、それどころかアリノスシジミは捕食しない蟻の成虫までをも捕食してしまうというモノで。物理的な攻撃はその石のようになった体ですべて防いでしまうために魔操虫仕方押すことができない相手であった。

 戦う体制を取り、蟻の群れを守るように外界生物の前に立ちふさがるタカオたち。ブラゼルが自身の属性である炎属性の魔法でジェミアンワームに攻撃を開始し。ジェミアンワームがひるむ様子を見せる。

 バケモノのような鳴き声を放つジェミアンワーム。その外界生物は一心不乱にタカオ達が守る蟻の群れへと突っ込んでいった。


「っ!"コフザルド"!」


 タカオが呪文を唱えたちょくご、激しい氷の礫の嵐がジェミアンワームに襲い掛かる。しかしジェミアンワームはしばらく怯んだのち…そのおぞましい口を大きく開け。糸を吐いてきた。

 タカオはその糸を羽を展開し高い機動力を得ることによって避けていく。そのジェミアンワームがタカオに気を取られている隙を突き。今度はノブナリが魔法を唱えた。


「これで吹き飛んでしまえ!"ポロフォル"!」


 ノブナリの呪文によって現れた竜巻。それがうねりながらジェミアンワームを巻き込んでいく。そのジェミアンワームの体は竜巻によって引き裂かれていき。バラバラになっていった。


「まさかアイツがここに出現するとは思ってもいなかったな。・・・大丈夫か?アリたち。」

"みんな無事ですー。お守りくださってありがとうございますー。"

「よし、無事ならそれでよかった。」


 タカオがアリ達の安全を確認したのち。再び東北に進路を取る。・・・それからしばらく行ったその先・・・本栖湖の東のほうで。タカオ達はあの外界生物と遭遇した。


「っ・・・まさかこの任務中に出くわすとは…。」


 所々が煤のようなもので黒くなっている、青い猫の着ぐるみのようなモノの上にさらに猫のような生き物が乗っかった姿の外界生物。・・・ブラゼルの仇敵、キトスチューム・ブーラであった。

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