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故郷で過ごす幸せな日々  作者: ネコ2世
7/14

美咲の気持ち

 **美咲**

 私には実の兄はいないが兄のように慕っている人がいる。

 その人、祐斗兄さんは私だけでなく私の姉さんにとっても兄のような存在だった。

 祐斗兄さんを兄のように思っている理由は、まず家が近くで子供のころから付き合いがあったというのとほかの人たちより大人びて見えてそんな姿に安心感を覚えたからだ。

 祐斗兄さんはいつも私たちを助けてくれる。

 私たちは自分で言うのもなんだが子供のころから容姿はそれなりに整っていた。だから小学校の頃も告白を受けていたが告白する人には乱暴な人もいた。

 でも、そんな人たちからいつも私を守ってくれたのは祐斗兄さんだった。

 ほかにもいろいろしてくれたが、とにかくそんな人だったからこそ私は彼を兄さんのように慕っている。

 だがそんなある日祐斗兄さんは引越しをしてしまった。私はそのころには姉さんが祐斗兄さんのことを異性として好きであることを知っていた。

 だから私は祐斗兄さんをそういう目で見るのではなく、大好きな兄として見ていこうと決めていた。

 そんな矢先に引っ越してしまってかなりショックだった。

 でもいつまでも彼の背中ばかり見ている自分にはなりたくなかったから私は彼のように人を支えられるような存在になるために努力した。

 姉の孤独感を払おうとしたり、人に寄り添うようにといろいろ工夫してみたが結局私が祐斗兄さんに感じたような安心感をほかの人に与えられているのかわからなかった。

 そんな生活を何年か続けていたら、奇跡が起きた。

 祐斗兄さんが返ってくることになったのだ。でも帰ってくる理由が理由だけに前日までどう接するべきか悩んだが気遣われるよりいつも通りのほうがいいという結論になった。

 結局前日には不謹慎かもしれないが姉さんと一緒に祐斗兄さんが帰ってくる嬉しさを噛みしめていたけど。


 そしてついに祐斗兄さんと会う日で私の高校生活のスタートでもある日になった。

 といっても私は1年生なので放課後になってから会いに行くしかないのですが…

 HRの終了のチャイムが鳴ったら私に話しかけようとした人を申し訳ないが無視してすぐに教室を出て祐斗兄さんのいる教室に向かった。

 そして祐斗兄さんを久しぶりに見た私は祐斗兄さんのことをかっこいいと思ってしまった。

 だがそんな異性としての感情は抱いてはいけないと自分に言い聞かせその日を過ごした。

 ……帰り道に頭を撫でる不意打ちは嬉しかったが心臓に悪いのでやめてほしかったが。

 そんなことより一番ダメなのは次の日の放課後のことだ。

 朝ラブレターを貰った私はその相手がかなりガラの悪い人だとわかっていたので対策も考えて告白を断ったのだが案の定腕をつかまれ対策を実行しようとしたその時、祐斗兄さんは小学校の頃みたいに私を助けてくれた。

 始めは見られていたことに驚いたが問題が解決していくにつれて昔みたいに助けられたことが嬉しくなった。

 だが祐斗兄さんに助けるときに『()()美咲』と言われたことが恥ずかしくもあり嬉しくもありで心臓がバクバクなっている。

 そのせいで帰り道、最初は落ち着かなかった。

 でも話しているうちに昔のような安心感を感じてドキドキするのに不思議と落ち着いた気持になっていった。

 それに説教をする祐斗兄さんが本気で私を心配していると分かってまた嬉しくなった。

 今回のことをきっかけに私は祐斗兄さんを異性として好きな気持ちを誤魔化すのはやめることにした。

 祐斗兄さんは今、私も姉さんも柚葉さんも恋愛対象として意識していないけれど必ず振り向かせてみせると心に決めた。

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