兄として 2
男が美咲に掴みかかったのを見て俺は扉の陰から出てその男の腕をつかんだ。
てか、思った通りハーレム野郎扱いか、そんなつもりではないんだけどな~
そんなことより美咲のことだから対処法はあるのだろうが、妹のような存在にそんなことをされて黙っていられなかった。
「その腕を放せクズが」
そういって握っている手に力を籠める。
そんな俺を見て男のほうは驚愕と腕の痛みで手を放し、美咲は目を見開いていた。
まあこうなることはわかっていたので俺は男の腕から手を放し美咲を守るような位置に立ちながら話を続ける。
「お前は誰の許可があって俺の美咲に手を出したんだ?」
勝手にこんなことを言って美咲に申し訳ないと思うがこいつが美咲を俺の女みたいに考えているのならちょうどいいと思っただけであって許してほしい。
しかしこの問題をきれいに解決するには俺だけでは足りないのであんなに威勢のいいことを言ったが逃げるとしよう。
そう考えて俺は美咲の手を掴み走った。ただ逃げるだけではこの先不安なのでとりあえず反省してもらおうということで男に追いかけられながらも職員室に向かった。
男は俺が職員室に向かっていることに気付きスピードを上げたが結局俺たちは職員室につきその中に駆け込んだ。
中では先生たちが俺たちを見て訝しんだが、事情を説明して証拠となる俺がひっそりと撮っておいた動画を見て動いてくれた。
その後は逃げようとしていた男を生徒指導の先生が捕まえて反省指導をくらっていた。
それを見届けた俺たちは一安心して帰ることにした。
家は違ったが俺は美咲を家に送り届けることにする。ここまで美咲は先生に事情を話した時以外一度もしゃべっておらず少し心配になったからだ。
「その~なんか勝手に見てたり俺の女扱いしたりしてごめんな」
美咲が俯いたままだったので俺から話しかけることにしたが、『大丈夫か?』なんて言っても意味がないと思いまず誤ることにしたのだが、
「あ、誤らないでください、元はといえば私が彼を怒らせてしまったのが悪いんですから、それに謝らないといけないのは私なんですから」
そう言って「迷惑をかけてごめんなさい」と誤ってきた。
いつもなら『俺の美咲ですか?これは姉さんたちに報告しないといけませんね』なんて言ってきそうなところだが今回は顔を赤くして一度上げた顔をまた俯かせてしまった。
俺は別に鈍感主人公じゃないし、何なら人の表情から今何を考えているのかを読み取ることには自信があるのでなんとなく察しはついたが触れないことにした。
「怒ってないならいいけど、俺が勝手に踏み込んだんだから俺にも謝らなくていい。それより俺がいなかった場合どうしてたんだ?」
このままだと美咲は謝り続けると思い話題を変えるため気になっていたことを聞くことにした。
この子は頭の回転は速いし策士なところもあるので最悪の場合を考えて対処法は考えていたのだろうと思ったからだ。
「…その場合は人の多いところまで逃げてしまえば人の目があるので追ってこないだろうと考えていました。足には自信があるので」
最初は話題を変えたことが不服そうだったが、どうするか語った時は少し自慢げだった。
確かにさっき一緒に走った感じ気遣いながら走ったとはいえ男子の平均タイムよりは速い俺のスピードについてこれていたので言っていることは本当なのだろうが、
「詰めが甘いぞ、確かに追いかけられたその時はいいかもしれないがしつこいやつだったら人目がなくなった途端、またお前にちょっかいかけるかもしれないんだぞ」
まあそんな感じで注意はしたが今回は俺が出たから男のヘイトは俺に向いてるだろうなと思いながら話し美咲を家の前まで送った。




