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故郷で過ごす幸せな日々  作者: ネコ2世
5/14

兄として 1

 玲奈たちと再会した次の日、今日も柚葉と一緒に登校した。

 当然視線を向けられるが昨日も散々同じ目にあっているのでもう正直どうでもよくなてきた。

「なんかユウにぃを困らせちゃってごめんね」

 そういって柚葉は申し訳なさそうに俯いた。

 柚葉は今自分がどういう立場にいるのか正確に把握しているのだろう、それでも一緒にいるのは寂しいのとほかの理由があるのだろうが、こちらはあまり詮索しないほうがいいだろう。

 まあそんなことまったく気にしていないので慰めておこう。

「気にするな、こんな視線くらいでなんだっていうんだ。まあ申し訳なく思っているのなら家事の手伝いをしてもらおうか」

 たぶんこういう場合それっぽい罰を与えておいたほうが柚葉もいいだろうと思いそう提案してみたのだが、

「わかった、それならユウにぃと学校でも一緒にいるために家事は全部私がする」

 俺の想像していなかった答えが返ってきた。

 そういえば昔からたまに変なとらえ方をすることあったな、と今更ながらに思い出した。

 今回の場合、俺と一緒にいたいなら家事をしないとみたいに捉えたんだろうな。

 無意識に一緒にいたいと思ってくれるのは兄として非常に嬉しいのだが、今回俺は家事の一つや二つしてもらったほうがいいかなと思っていただけなのでそこまで重く考えられると困る。

「いや別にそこまでしなくていいよ、一つか二つでいい。あと家事をしないと一緒に登校しないとかそういう意味ではないからな」

 そんな話をしながら学校に行っていると、

「祐斗君おはよう」「祐斗兄さんおはよう」

 と声をかけられた。俺のことを名前で呼ぶのも『兄さん』をつけて呼ぶのもここには一人づつしかいないので振り返りながら挨拶をする。

「おはよう玲奈、美咲」

「おはよ」

 俺は普通に挨拶をしたが柚葉は不服そうだ。一緒に育ってきて俺よりも一緒にいた期間は長かったであろう友達になんて口の利き方だろうか。

 まあ二人とも気にしていなさそうだからいいけど…

 そんなことを考えながら話していると視線を浴びる原因が増えたせいで実際回りが騒がしくなっていた。

「おいあれヤバくね、眼福過ぎて死にそう」

「なんだあの羨ましいハーレムは」

「噂は本当だったのか」

 なんて声がほとんどだったが最後の噂ってどういうことだ?

 たぶん俺が『美女を侍らせてるハーレム野郎』とかそんな感じなんだろうがやめてほしい。

 そんなことがありながらも学校についてそれぞれ校内用にシューズに履き替えてまた集まると(といっても美咲以外は同じクラスなので美咲が一旦離れただけだが)美咲が手紙のようなものを持っていた。

「美咲、それは?」

 答えはわかっていたが一様聞いてみた。

「御想像通りラブレターですよ、まあ週二くらいで来るので珍しいものではないですが…」

 そういって少し考え事をしだした美咲を見て何かあるなと思ったが、なんとなく聞いても答えてくれないような気がしたのでその話には触れなかった。


 そして教室で柚葉たちと話し放課後になり、美咲が考え事をしていた理由は相手側にあると考えた俺はひっそりと美咲の後をつけることにした。そうすると…

「俺と付き合ってください」

 そんな声が聞こえた。ガラの悪そうな見た目をしていることから美咲が危惧していたのはこいつが怒って襲ってくることかもなと思ったが一様可能性でしかないので先も聞いてみることにした。

「ごめんなさい、その気持ちはうれしいのですが受け取ることはできません」

「!?……なんでだよ」

 男の小さな声は確かに俺の耳にも聞こえた。予想が当たったなと思った。

「なんでなんだよ!ずっと好きだったのに!俺より噂のハーレム野郎のほうがいいって言うのかよ」

 そういって男は美咲に掴みかかった。

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