懐かしさ
俺たちは今、俺と柚葉の家に向かっている。
理由は美咲が言ってもいいかとしつこいくらいに聞いてきたからである。
俺たちの今の家は日高家からはすごく遠いわけではないがそれでも昔に比べたら遠くなっているのでついでに玲奈たちも俺の家でご飯を食べさせることにした。
「祐斗君のごはん食べるの久しぶりだね」
そう言って俺のほうに視線を向ける玲奈。
「確かにそうだな、昔は俺の料理の練習にみんな付き合ってもらってたもんな」
なぜか小学生のころ料理の趣味に目覚めた事があって試食会と称してみんなにその試食をしてもらっていた。
「あの試食会好きだったな~すごくおいしかったし。今でも料理よくしてるの?」
「ああ、両親がいたころはたまにでいなくなってからは節約のために毎日料理してたな」
「あ!なんかごめんねいやなこと思い出させちゃって」
そう言いながらおろおろしだす玲奈。
全く気にしていないので頭を撫でながら「気にしなくていいよ」と言っておいた。
手を離すと玲奈は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「あぁすまん、昔の癖でついやっちゃうんだよな」
俺がそういうと顔をあげて手をぶんぶん振りながら
「気にしないで、嫌だったとかじゃなくて恥ずかしかっただけだから…撫でてもらえた、えへへ」
最後に嬉しそうに言っていたが聞かなかった事にした方がいいだろうな。
そんな風に玲奈と話していると後ろから話し声が聞こえてきた。
「いいな姉さんだけ羨ましいです。ね~柚葉さん」
「あ~実は私昨日撫でてもらった」
「え!なら私だけ撫でてもらえてないんですか?」
その後も美咲がいろいろ言っていたがそんなに俺に撫でられるのが嬉しいんだろうかと思いながらも美咲が喜ぶならと俺は美咲の頭を撫でた。
そうすると美咲は顔を赤くはしたが嬉しそうに頭を押し付けてきた。
何か猫みたいでかわいいなと思って撫でていたら柚葉と玲奈にジト目を向けられてしまった。
俺はそっと手を離し話題を変えることにした。
「それより玲奈たちのところの両親は元気か?」
昔からあの二人は俺のことを気にかけてくれていた。
まあ娘のどちらかを嫁にもらってくれって小学6年生の俺に会うたびに言って来るのはやめてほしかったが。
「うん、元気だよ夫婦旅行とかよくいてて私たち置いていかれること多いけど」
ああ、あの人たちはアウトドアとか旅行とか大好きだったよな。
「そう言えばいお母さんが祐斗兄さんが帰ってくるなら今度うちにおいでと伝えるように言われていました」
「そうだな、なら今度顔出しに行くよ」
そんな風にいろいろ話しながら帰る道はかなり楽しかった。
家についてすぐ俺は料理を始めた。といってもあまり食材がなかったので簡単なオムライスとサラダだけだが。
それでも3人がおいしいと言ってくれたことは素直にうれしかった。
その後リビングでラインのアドレス交換をしたり思い出話をしたりして時間をつぶした。
話している内に日高家に行くのは次の土曜日ということになりその日は解散となった。
こうして話していると懐かしい気持ちになれて割と楽しかった。




