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凛々しい美少女が、夢の中では全力で俺にデレてくるっ!? ~俺の夢と彼女の夢が繋がってることに彼女はまだ気づいてない~  作者: 波瀾 紡


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16/46

【16:今でも可愛いのに、もっと可愛くなっちゃうなぁー!】

 俺は、岸野が衣装を決めるのを固唾を飲んで待った。

 しかしまず最初に好きな衣装を決めたのは加納だった。


「あ、私これにしますぅー!」


 加納はタブレット端末の画面を親父の方に向けて、写真を指で指し示した。

 俺も横からその画面を覗き込む。


 そこには、緑色のロングツインテールのウィッグに、大きなネクタイ付きの派手なミニスカートの衣装を着ている写真があった。


 これは──いわゆるボーカロイドアイドル。


「おっ、可愛いじゃないか。澄香ちゃんにはきっと似合うよ。今でも可愛いのに、もっと可愛くなっちゃうなぁー!」

「えーっ!? マスターお上手ですねぇー! じゃあ私、やっぱこれにけってーい!」

「よし決定だな!」


 親父のヤツ。

 スケベ親父丸出しじゃないか。


 よくこんな親父で、息子である俺が真面目に真っ当に育ったもんだ。これぞ奇跡ってヤツだな。


「ねぇねぇ、姫ちゃんはどれにする?」

「えっと、私は……」


 加納が差し出したタブレットを受け取って、岸野は画面を指先でスクロールする。

 そして岸野はパッとスクロールを止めて、画面をじっと見つめた。


 彼女はテーブルの向こう側に座ってるから、画面は逆だし遠くてよくわからない。だから俺は席から立ち上がって、姫騎士さまが座る横に立って画面を見た。


 タブレットの画面に写っていたのは──

 なんとも可愛い魔法少女の衣装。

 岸野ってこういうのが好きなのか?

 いや、まさかな。


「へぇ、可愛いじゃん、それ! ねえ国定はどう思う?」

「えっ?」


 加納がいきなり俺に振ってきた。


「あ、そうだね。それ可愛いな」


 その写真のモデルは少し童顔で、にっこりと笑っている。それが魔法少女のコスチュームとぴったりマッチしてて、余計に可愛く見える。


 ふむふむ。

 モデルは黄色のリボンを髪に付けてるけど、リボンの色は10色から選べるのか。

 なるほど。


 ──なんてどうでもいいことに感心していたら、突然加納が嬉しそうに言った。


「じゃあ姫ちゃん、それにしたら?」


 姫騎士さまが──魔法少女?

 そう考えた瞬間、頭の中に魔法少女姿の岸野がぽわんと思い浮かんだ。しかもそれは夢の中に出てくるデレモードの岸野。


 あ、やべ。

 めっちゃかわゆい。


「えっと……でも……私には似合わないだろ」

「そんなことないって。姫ちゃんがそのカッコしたら、めっちゃ可愛いよ。ねえ、国定もそう思わない?」

「えっ? あ、ああ。そう思う」


 俺は本心からそう思う。

 整った美人の岸野が可愛いカッコをしたら、きっと可愛いに違いない。


 そんな姿をぜひ見てみたい。

 うん、ぜひぜひ見てみたい。


「でしょー! ほら姫ちゃん。国定だってそう言ってるし、これにしようよー」

「でもこれは、さすがに恥ずかしすぎる……」


 やっぱそうだよな。

 あの正義感あふれる凛々しい姫騎士さまからしたら、魔法少女なんて可愛いキャラはやりたくないんだろう。


 岸野は戸惑った表情で、横目でチラと俺を見た。

 ああこれは、きっと俺に助けを求めてるんだ。


「あ、でも。岸野はやっぱ、姫騎士さまのコスプレの方が似合うかもなぁ」


 岸野に助け舟を出すつもりでそう言ったのに。

 俺の言葉を聞いた姫騎士さまは、さっと顔色が変わった。


「やっぱりこんな女の子っぽい可愛い姿は、私には似合わない……ってことかな?」


 ──あれっ?


 助けるつもりが、俺、もしかして地雷を踏んだ?

 岸野のこめかみがピクピクしてる。

 やっべ、めっちゃ怒ってる?


「あ、いや。そうじゃなくてさ。やっぱ岸野には姫騎士さまが、より一層似合うなぁ……という意味です」


 あ。

 岸野の視線の圧に負けて、つい敬語になっちまった。


「ふーん……」


 岸野は訝しげな表情でまたタブレットを触り、女騎士のコスプレを表示して見始めた。

 これはこれで、やはり岸野のイメージに合ってて悪くはないと思う。

 しかし岸野は、また魔法少女の写真を出して食い入るように見つめてる。


 それから姫騎士さまは「ふぅー」っとため息をついた。


 悩んでいる……のかな?


「あのさ、岸野。魔法少女も可愛いと思うよ……あはは」


 俺の言葉に姫騎士さまは、少し訝しげな眼で俺を見る。

 どうしたらいいんだよ、俺。

 めっちゃヤバくないか?


 俺が困っていたら、様子を見ていた親父が横から口を挟んでくれた。


「まあまあ姫ちゃん。別に今決めなくてもいいよ。2~3日考えても間に合うからさ。またゆっくり考えて決めてくれよ」

「あ、はいマスター。わかりました」


 一瞬、ホッとしたような表情を浮かべた岸野はコクンとうなずいた。

 それを見て俺もホッとした。

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