表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界迷宮のスナイパー《転生弓士》~神のイカサマ・ルーレットとスキル・スクロール  作者: 武蔵野純平
第1章 路地裏の奴隷少年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/98

1-1 転生してもブラック! 俺は奴隷かよ……

第一章は九話あります。

プロローグみたいな感じです。

 ここは異世界のダンジョン20階層だ。

 俺は名無しの奴隷……異世界に転生した不運な40代のオッサンだ。


 昨日、この異世界に転生した。

 転生先は、12、3才の子供で随分と若返ってしまった。


 その子供……つまり俺なんだが……俺は貴族の奴隷でご主人様と大人数でダンジョン探索に出掛けた。

 しかし、探索チームは俺とご主人様のフォルト様を除いて全滅……。


 今、俺はご主人様のフォルト様を背中に担いで、ダンジョンの通路を必死で走っている。

 魔物が出ないのを祈るのみだ。


「フォルト様! しっかりして下さい!」


「う……うう……」


 エルンスト男爵の三男フォルト様が俺の背中で苦しそうにうめいている。

 俺は走りながら必死でフォルト様に声を掛ける。


「もう少しで安全地帯です!」


「……」


 返事は無いか……。

 無理もない。

 フォルト様は魔物に腹を裂かれて死にかけているのだ。


 薄暗いダンジョンの通路を俺は必死で走る。

 魔物よ……出て来るな……。

 それだけを念じている。


 どうしてこうなった!





 事の起こりは一日前。俺の職場だ。

 俺は東京の某飲食店で働いていた。

 ブラック企業とネットで叩かれていた会社だ。


 そんな会社で働きたくはなかったが……。

 四十代無職の俺を採用してくれたのは、労働条件の悪いこの飲食店しかなかったのだ。


 厨房で夜の仕込みをしていると急に頭痛と吐き気がした。

 眩暈(めまい)もして、俺はそのまま厨房で倒れて……どうやら死んでしまったらしい。


 死ぬ寸前、俺は神様に祈った。


(神様……お願いです! もう一度人生を……!)


 薄れ行く意識の中で俺が神様に願うと、どこからか声が聞こえた。


『汝の願いを聞き届けた。新しい世界で……新しい人生を……生きてみるが良い……』


(えっ……?)


 俺が内心驚いた瞬間、俺の命の火が消えたのがわかった。

 同時に……。


 俺の意識が完全に無くなった。





 目を覚ますと見慣れない天井があった。

 板張りの粗末な天井だ。


「知らない天井だ…………」


 どこかのアニメで聞いたセリフをつぶやきながら、俺はゆっくりと体を起こした。


(ここは病院だろうか? その割にはベッドが硬いな……天井もボロいし……)


 その時俺は自分が助かったのだと思っていた。

 勤務先のブラック飲食店で倒れて、きっと同僚が救急車を呼んでくれたのだろう。

 それで病院に担ぎ込まれ、治療をされ、意識が回復した……と思っていた。


 しかし、俺の予想は大外れだった。


「どこだよ! 病院じゃないぞ!」


 俺が寝かされていたのは、オンボロ小屋だった。

 床は土のまま。土間ってヤツだ。


 起きて小屋の中を見回すと学校の教室位の広さだでガランとしていた。

 家具が何もないのだ。

 窓はあるにはあるがガラスは無い。

 ガラスの代わりに板がぶら下がっていて、つっかえ棒をして開け放たれているだけだ。


(ここはどこなんだ? 一体どうなった?)


 混乱しながらオンボロ小屋の外に出た。

 ドアを開けると明るい日差し……太陽の暖かさを全身で感じた。


(ああ、生きている……)


 厨房で倒れた時はもうダメかと思った。

 死ぬ寸前、自分の命が消えていく『死へのプロセス』は恐ろしかった。

 

 俺がつらつらと考えていると俺に声を掛ける人がいた。


「おお! 無事だったか!」


 声の方を向くと背中の曲がった老人がいた。

 顔の彫りが深く、目がギョロッとしている。外国人かな?


 老人は見た事も無いほどボロい服を着て裸足だ。

 麻か何か……粗末な布で出来たシャツとズボンだけ……。

 その時俺は気が付いた!


(あれっ!?)


 俺も同じ様な服を着ている。

 粗末なシャツとズボンだけで裸足だ。


 慌てて周囲を見回すと良く整備された庭の中だ。

 左手に頑丈そうな石壁が続いている。

 右手の庭の奥の方には、立派な洋館が見える。

 海外ドラマに出て来る貴族の館みたいだ。


 俺がキョロキョロしていると声を掛けて来た老人が怪訝そうに俺をジロジロ見たた。


「一体どうしたんじゃ?」


「あ……いや……ここは……どこでしょうか?」


「どこ? 何を言っておるのじゃ? ここはエルンスト男爵様の敷地の中じゃ」


「はあ!?」


 予想だにしなかった老人の答えに俺は間抜けな声を上げた。


(エルンスト男爵? 誰だよそれ?)


 俺の頭の中は『?』(クエスチョンマーク)で一杯になった。

 半分パニック状態だ。

 一体何がどうしてしまったのか?


 そうだ! 目の前にいる老人に質問をしよう!

 まず俺が寝かされていた小屋について聞いてみる事にした。


「あの……この小屋は?」


「この小屋って……この小屋は奴隷小屋じゃよ」


「ど……奴隷小屋……」


「そうじゃよ。オマエさんが毎日寝泊まりしている所じゃろうが!」


 一体どう言う事だろうか?

 俺が奴隷小屋で毎日寝泊まりしているって!?

 それじゃあ……。


「それじゃあ……あの……俺は……奴隷ですか……?」


「何を当たり前の事を! ほれ! これが首についておるじゃろうが!」


 そう言うと老人は自分の首につけられている黒い革製の首輪を突いてみせた。


(なんだよ! あの首輪は! 人間につけちゃダメだろう!)


 その時俺は自分の首に何かがあるのを感じた。

 恐る恐る自分の首を触ってみた。


 (ある……。首についている……)


 手に伝わる革の感触……。

 首の違和感……。

 首輪を()められている……。


 俺が激しく動揺していると老人が俺を叱りつけた。


「まったく! いつまで(ほう)けておるのじゃ! 井戸で顔でも洗ってこい!」


「井戸? どこですか?」


「あっちじゃ!」


 俺は老人が指さす方へ駆け出した。


(一体俺はどうなってしまったんだ?)


 胸の中は不安で一杯だった。


 飲食店で勤務中に倒れた。

 そこまでは覚えている。

 死んだと思ったら……奴隷小屋やら首輪やら……わけがわからない!


 俺は老人から逃げるように井戸へ走った。

 井戸の場所はすぐに分かった。

 石造りの井戸で、木製の屋根がついている。


 手押しポンプは無く、ロープの先に木製のバケツが(くく)りつけてあるだけだ。

 井戸から水を汲み上げ顔を洗おうとした。

 その時バケツの中の水面に俺の顔が映っていた。


「誰だよ! オマエ!?」


 そこには見た事もない少年の顔が映り込んでいた。

一日一話づつ公開します。

2-16まで書けています。


2019/5/15

・冒頭のダンジョンシーンがわかりずいらいので修正しました。

・死ぬ間際の描写が長いので短く変更しました。

・表現がおかしい箇所、意味がわかりづらい箇所を修正しました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

■お知らせ■

蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服2巻

2026/1/23に『蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服』コミカライズ2巻が発売されました!
ISBN:9784046847034
出版社:KADOKAWA MFC

全国の書店、Amazon、電子書籍サイトにて、ぜひお買い求め下さい!

蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服2(Amazon)


★☆★ランキング参加中です!★☆★

クリック応援よろしくお願いします。

小説家になろう 勝手にランキング

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ