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怪人山田  作者: 井下
1/1

プロローグ~彼からの始まり

文章として可笑しい箇所、間違えている個所など、気づいたらどうぞご指摘ください。



 20××年、世界はある日突然、前代未聞の『揺れ』に襲われた。

とても大きな揺れで、どの大陸の人間も、同じように立っていられなくなり、どの大陸の人間も、どこから

ともなくやって来た耳を劈く(つんざ)爆音に、体を丸めて蹲った(うずくま)


「くっ・・・!!何だこの爆音と揺れは!?自衛隊とかは何やってんだよ!!」


動揺し、体を内臓から振り回す揺れに必死に耐えながらも、この現状に怒りをぶつける若者。


「んなこた知らねえよ!!それよりお前娘いんだろ、現状確認で一回連絡しろよ!!」


「あ、ああそうだよなっ・・・・・て、電話も繋がらねえじゃねえか!?」


耳に当てた携帯に力を込め、蹲った(うずくま)まま地面に叩き付ける。

・・・・・・・さて、今までの話を見て、何かおかしなことは無かっただろうか。


「よく考えたら携帯なんて繋がる訳無えだろうが!!頭使えバカ!!」


「てめぇが俺に言ってきたんだろうが!?つーか、繋がらない方がおかしいんだ!!鉄塔も電柱も、スカイツリーだってビクともし・・・・」


やっと、若者の一方が気づいたようだ、遅い、何故ここまで遅いのだろうか。


「いや、おかしい、おかしいぞ・・・」


「おい、どうした?」


顏を上げ、おもむろに周りを見回す、同じように蹲る人々が数十人、必死に揺れに耐えている。


「鉄塔や電柱だけじゃねえ・・・・ビルも信号機も何一つ・・」


「何だよ!何がおかしいんだよ、どうし・・」


「いい加減お前も気づけよ!?周り見りゃ分んだろう・・・っが!!」


「ちょっ・・・!?」


顔を両側から鷲掴みにされ、無理やり辺りを眺めさせられる若者。


「・・・・は?」


「‥やっと気づいたか」


「・・・・何も」


「そうだ、何も」


「何も・・・・揺れてない・・・・・!?」


ビル、信号機、電柱・・・今まで全く気付かなかった、揺れと爆音で、それどころではなかった。


「揺れてねえ・・・・人間、いや・・・生物(いきもの)以外、何一つ揺れてねえぞ!?」


生物以外、何も揺れることなく、地割れも起こっていない。揺れの力で、頭から血を流している人間は、

周りに誰一人としていない。

けれど、誰も立つことができない。

電子機器は何一つとして使えない。

そんな異様な状況が続く事、30分。






























   ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 世界中で、前代未聞の『揺れ』が引き起こってから30分、突然揺れは収まり、爆音は徐々に聞こえなくなっていった。

後に残されたのは、地面にへたり込んだ人々の姿だけ、被害は見かけ上(・・・・)

何も起こっていない。まあ、そんな状況下でも、国家機関とは仕事をしなければいけない訳で、とある軍事大国では、早くも政府関係者が会議を始めていた。


ドンッ!ドンッドン!ドンッ!


「いったい何が起こっている!?揺れは収まった筈なのに!何故一向に電子機器が復旧しない!?軍の戦闘準備は!?・・・ああ、そうだあれだ!きっとあの豚の国の連中が何かやったに違いない!!直ちに!!直ちに奴らを殲滅しろ!!」


上等な机に何度も何度も拳を打ち付けながら、口角泡を飛ばして隣国に対しての敵意を露わにする豚、この豚の発言に、周りの国務長官や国防長官はおろおろと同様するしかない。


「お、おおお落ち着いて下さい大統領!!連絡がないので被害状況は解りませんが、も、目視で確認できる限り、建物の倒壊も起こっておりませんし!!ま、まず隣国の攻撃であるなら、普通もっと破壊力のある兵器を・・・」


「五月蠅い!!第一、貴様は海軍作戦部長だろう!?この状況下で好戦的にならずして、何を冷静な対処を取ろうとしているのだ!?冷静なのは、私一人で十分なのだ!!」


「し、しかし・・・」


―――――――――― その大統領が冷静ではないのだ ―――――――――、


その場に居た大統領以外の全ての人間の声が一致した。それもそうだろう、

素晴らしき歴代大統領の中で、此処まで判断力のない馬鹿な奴は誰も見たことがない、予算を着服する既得権益者たちの方が、もっと良い立ち回りをする。

それができないのは、コイツが親の金で雇ったスピーチライターの実力によって今の立場を手に入れた金持ちのボンボンだからである。おかげで周りの政治家たちは、こいつの失言やら暴力行為をフォローしなければならない。


「とにかく!!隣国のどれかの仕業に決まっている!!どの国の輩が仕掛けたのか分かったら、我ぁが国の軍事力で滅茶苦茶に――――」


「大統領、失礼いたします!」


言葉から全く知性を感じ取ることができない愚豚の鳴き声も、ここで一旦止まる。コンピューター技術者らしき若い男が、両開きのドアを勢いよく開ける、廊下を全速力で走って来たんだろう、顔が軽く汗ばみ、息を切らして壁に片手をついている。


「何だ!?会議中には必ずノックをしろと」


「大至急、お知らせしたいことが御座いまして・・」


「!? 早く要件を言え!!」


技術者は息を切らしながらも背筋を伸ばし、少し落ち着くと口を開いた。


「全電子機器の復旧が、完了致しました・・」





























   ――――――――――――――――― 場所は管制室に移る。


「何故いきなり復興したんだ?さっきまで懐中電灯くらいしかまともに付かなかったのに」


「分らないが、恐らく何者かによるクラッキングだろう、おい!そっちは何か異常とか見つかったか?」


「うーん、それが見つからないんですよね、さっきから何度も確認してるんですけど、クラッキング跡どころか、システム異常の「い」の字すらないんですよ~」


「そんな訳は無いだろう?予備電源も故障していないのに、じゃあ何だ。何の原因もないのに突然全ての電子機器が停止して、誰も手を加えないまま、勝手に復旧したっていうのか?」


「そうとしか思えませんねぇ~」


管制室の技術者達は、この状況下でも冷静に、余裕をもって行動している、どこかの豚とは大違いだ。

そんな豚はというと、管制室に用意された革椅子に座って踏ん反り帰っている。


「北だろうが大国だろうが知ったことか!!核の力は無限!!人間しか揺らすことができない甘っちょろい兵器を使う国など、弱小国家に決まっている!!」


(この発言を国民に聞かせたら、今すぐにでも此奴の株は暴落するんだろうな・・・)


秘書は、横でこの状況を完全に軍事兵器のせいだと決めつけている風船に対して、心の中で愚痴をこぼした。

秘書や技術者などは、此奴の横暴を日々横から見ており、今直ぐにでも新聞社にこの情報を売り飛ばしたいと思っている人間も多い。

それができないのは、議員の大半がこいつの親から賄賂を得て、自然と反乱分子を丸め込んでいるからである。


(勇猛果敢に政治問題に取り組む大統領に、少しでも力添えができたらと思って、この仕事を手に入れたのに・・・此奴は汚職に失言に暴力行為ばかり、しかもどの議員もそれを咎めず隠蔽するし・・・)



「大統領!!只今、衛星との通信確認が完了致しました!!」


「早く地球全体の様子を見せろ!?」


「?し、しかし、先ずは周囲の被害状況のみを確認し、今後の対策を――――」


「そんなことはいい!!どの国がどのような状況で、どんな輩がこの事態を引き起こしたのか、衛星で見れば一発だろう!?」


「で、ですが・・」


「いぃいいから早くしろおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」


衛星からの映像のみでそこまで詳細な情報が得られる筈が無いのだが、説明したところで、このどこまでも低能な豚に伝わるはずがないと、周りの人間はあえて何も言わなかった――――――――――

――――――――――しかし、この豚の判断は奇しくも正解だった。


「衛星からの映像、送られてきました・・・」


「ぐふふ、これさえ見れば、どの国が何を仕掛けてきたのかが、一目瞭然・・・・!?」







  一瞬、その場にいた全ての人間の思考が停止する。






すぐさま技術者たちは、この事態を収束に向かわせようと、システムの異常を探し出す。

・・・・・だが、先程と同じように、何度繰り返しても異常は見つからない。


「な、何が・・・・・・」


豚は、オオカミに喰われる直前の様な酷い顔で、この異常事態に対しての、とても非明確で、最もポピュラーなセリフを吐いた。


「何が、起こっているんだ・・・」








―――――――スクリーンには、通常の何十倍も巨大で、明らかに地形が変わっている地球が、くっきりはっきりと映し出されていた――――――――――――――


















後に、「世界一安全な大災害」と揶揄される、3つの世界が一つの惑星に収まった日から百年後。

『怪人』と自ら名乗る毛糸玉が、大暴走するなど、誰も思いもしなかった。











無駄に長くなってしまいすみません、次回も、どうぞご覧ください。

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