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ぷろっとのつくりかた


 (1)しーんをたてていこう


 『プロット』のツール(まだ何もしていないのでただの空白のページです)を開いたら、まずは一番上に小説のタイトルを入れましょう。

 左に一つ()()の空白を入れ、


 ――――――――――――――――――――――


 『作品タイトル』(仮タイトルでも可)

 ――――――――――――――――――――――


 こんな感じです。タイトルの上には、適当な改行による余白があると見やすくていいですね。

 では、その下に更に改行を二つほど入れ、全角の空白三つの後に『1』と入れましょう。


 ――――――――――――――――――――――


 『作品タイトル』



   1.『1.に見合った小タイトル』


 ――――――――――――――――――――――


 準備はこれでOKです。


 あとはあなたの頭の中にあるストーリーを、スタート地点から順番に書いていきましょう。

 と言っても、そのまま小説の形式で書くのではありません。ツールの『ログライン』でお話ししたような、いつ誰がどこで、何をして何が起こるのか、簡単な筋書きを書き入れます。


 「1.」というのはいわゆるブロックで、『一塊のシーン』を表します。

 “章”ではなく、“場面(シーン)”です。物語の中での、お話の最小単位だとお考えください。

 「1.」のシーンを書き終えたら「2.」のシーンを新たに立て、お話を繋いでいく―― それをエンディングまで黙々と繰り返していくのがここでの作業となります。


 どれくらいの長さを一つのシーンとするかは各自のご判断にお任せしますが、目安としては、


 ・劇の舞台の転換


 を頭に思い浮かべるとわかりやすいと思います。


 役者達がそろって舞台の袖に引っ込んでいくタイミング。劇場の照明が落とされるタイミング。演技をしている役者達がそっくり入れ替わる、後ろの背景が入れ替えられる、それくらいの区切りを“1シーン”としましょう。

 「なろう」に投稿しようと思っている方は、一話分(多くの方がほぼ三千字程度)の長さで考えてみるのも面白いですね。


 1シーン書き終える度に、そのシーンに小タイトルとして名前をつけておきましょう。あとで見返す時に管理がしやすくなります。



 (2)みせないところもかきこもう


 簡単な筋書きを書き込むといっても、厳密に筋書きのみを書かなければいけないということはありません。その時思いついたことはなんでも書き込んでおきましょう。


 これを言わせたいというセリフを挟んでおくのもいいですし、気の利いた表現が浮かべば、そこに小説そのものの文章を残しておいてもかまいません。むしろ後に役に立ちます、忘れると悔しいので是非書いてしまいましょう。


 『プロット』は構成であって、実際には読む人に見せない部分です。

 そのシーンの裏で起こっていることや、その時点では謎でしかない誰かの行動の真意など、ネタバレになるようなこともおかまいなしに書き込めます。

 小説本編ではクドいという理由でバッサリ切り捨てるような、誰得な設定でさえも書き込んでおいてかまいません。



 (3)ほかのつーるもいっしょにつかおう


 『プロット』でどんどんとお話を組み立てながら、他のツールにも書き込みを入れていきましょう。

 プロットには何を書き込んでもかまいませんが、時間の流れや登場人物の設定の把握には、いつでも個別に参照出来る『時系列』、『人物』のツールへの書き込みが便利です。


 『プロット』でシーンが進んでいけば、物語の中での日付も流れます。新たな人物や、こうした方がいいと思うような人物設定の変更なども思いつくものです。


 特に『時系列』においては、まだプロットがそこに至っていない遙か先の「運命の日」の日付や、プロットにさえも書くことは無いだろう数十年前の出来事なども書き込んでおくことができます。


 プロットは簡潔に、見やすいことも大事です。任せられる部分は他のツールに任せてしまいましょう。





 “千場(センジョウ)のプロット形式”、どうでしょうか? 使えそうですか?

 繰り返しますが、あくまでこれは私なりのやり方で、なんら正しいと言えるものではありません。

 同じようなやり方をしている方がいたとしても、その方はこれを『プロット』とは呼ばず、『あらすじ』や『シナリオ』など、全く別の呼び方や扱いをしているかもしれません。


 また、ここまで語っておいて言うのもどうかとは思いますが、私自身も毎回このやり方でプロットを組んでいるわけではありません。会話文と注釈のみで全てを組むこともありますし、『時系列』の中のみでプロットを完結させたこともあります。

 お話の長さや書こうとしている作品のジャンルなどにより、スタイルは微妙に変わるというのが正直なところです。本章では「毎回だいたいこんな感じかな」という、基本的なところを詳しめに抜粋したという感じです。


 とにかく、これまでにも増して時間のかかる行程です。

 「なんでも書き込んで」とは言いましたが、簡潔を心がけるのを忘れないでください。あとで読み返すことすらも苦痛になるような分量になってしまえば、それはそれで『ツール』としては困りものです。

 細部にこだわることよりも、まずはスタートからエンディングまで、プロットを繋ぎきることを優先しましょう。



 ※初心者の方であるほどに、プロット自体も短いものがオススメです。シーンナンバーで言えば長くても10~15、欲張ること無く、それくらいの長さのものに抑えておきましょう。この理由は後日、「執筆作業」の段階でお話しする予定です。



 一応の『プロット』がエンディングまで仕上がったら、次へ進みます。


 “あなたの物語”が形を持って組み上がることを、心から願っています。


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