第2話 転校生はアニメの原作主人公なのかな?
原作アニメの主人公の登場です。
今日は、中学二年の夏休み明け最初の授業日。
夏休み明け最初の授業日とゆうだけで僕は毎回、憂鬱な気分になる。
だって、前世の僕が死んだ命日みたいなもんだぜ?
そらゃ憂鬱にもなるってもんだ。
たが、まぁサボる訳にもいかないしね……。
僕は嫌々ながら学校に行き現在、朝の会に参加していた。
今日はどうやら別の学校からの転校生がきたようで今、担任の真田先生が転校してきた転校生の紹介をしているところだ。
「ふぁーあ。では、転校生を紹介しよう。六呪学園から転校してきた、風瀬ユイさんだ。皆、仲良くするようにな」
真田先生はいつも通りに面倒くさげにしていた。
アクビしているくらいだ。きっと、ウチのクラスに転校してくんなよ面倒くせぇとか思っているに違いない。
いつも、気だるそうな先生だが今日は目に見えて酷いぜ。
先生は言うだけ言うと軽く手で転校生を押し自分の前に立たせた。
あ、この人! 面倒だからって、後の自己紹介とか全部を転校生に押し付けるつもりだな!
僕はスグ直感した。そしてクズだなーと思った。
このクラスの担任、真田先生はいつも眠そうに気だるそうにしている先生だ。
その様子を見ているとコッチも眠くなるくらいで、いつも授業に集中出来ない。
マジでしっかりとして欲しい。
そして極度の面倒くさがりであり生徒がやれることはすべて生徒に任せるのだ。
座右の銘は堕落。先生はかっこよく言っているつもりらしいが最悪の座右の銘だ。
そんな先生なので今日も転校生の紹介も面倒だからといった先生にあるまじき理由で転校生自体にやらせようとしているのだろう……。
「え?」
突然の先生の行動に疑問の声をあげたのは今日、転校してきたばかりの転校生だ。
まぁ当たり前だろう。
真田先生の面倒くさがりは今日始まったことではないのでこのクラスの皆は慣れているが……転校生の彼女はそうではない。
きっと、彼女の内心とても困惑していることだろう……可哀想に。
「次はー……お前の自己紹介の番だろ」
先生の聞いているだけで眠けを誘う間伸びした声が響く。
……こいつの所為で転校生は困惑しているのに急かすなんてムカつくな。
「……はい」
転校生は先生と僕達生徒を見て、なんとなくだか転校生の彼女も先生の意図……とゆうか、性質をあきれはんぶんに理解したんだろう……ゆっくりとだが返事を返していた。
その転校生の表情は引きつっていたが……まぁたいした問題では無いだろう。
その先生はいつもそんな感じだ。
一々気にしていると気が持たないぜ。
「ご紹介に与った通り。風瀬ユイです。みなさん、どうぞよろしくお願いします!」
彼女は先生と違い非常にハキハキとした元気な声で挨拶をした後、丁寧にお辞儀をした。
先生がやる気を出さずに後任せた……みたいな感じの時にこんな素晴らしい自己紹介したのだ賞賛すべきだろう。
彼女の挨拶を皮切りに僕達クラスの皆は拍手を送った。
その様子を見て転校生の顔は笑顔に満ち溢れた。
僕らの様子を見て、これからの学園生活に期待を持てたのだろう。
短い挨拶からだったが、転校生は良い性格だとゆうことが分かる心あたたまるいい場面だった。
そう、その筈なのだが何故だろう?
この時、僕は彼女の名前にかすかな引っ掛かかりを感じていた…。
彼女の名前。それはどこかで聞いたことがあるような気がするのだ。
風瀬ユイ。おそらくだが何処かで聞いたことのある名前なのだろう。
だが、僕はなかなか思いだす事ができない。
なので僕は、彼女の名前を頭の中で何度も反復することで思い出そうと試みてみる……。
そして、数分経った頃にようやく思い出すことができた。
彼女の名前は、前世の世界で人気だったアニメ「終末世界の鐘の呪術」の主人公の名前と同じ名前なのだ。
どおりで聞き覚えのある名前の筈だ。
有名なアニメの主人公の名前だオタクの僕が忘れられる筈ないじゃないか!
たしか、この「終末世界の鐘の呪術」というアニメは、主人公が高校二年の時、神アマノハモメと呼ばれる存在が送り込んできた使徒と呼ばれる怪物に世界が滅ぼされ始める。
そんなプロローグから始まる物語のアニメだった筈だ。
所詮ダークファンタジーもののアニメだな。
うん、前世の世界でも屈指の人気アニメだったからオタクの僕は当然のように覚えていたのだよ!
だが、少し疑問が残る。なんで僕は前世で人気だったアニメの主人公の名前をスグに思い出せなかったのだろう?
僕クラスのオタクになると鍛え抜かれたオタク頭脳によりアニメ主人公の名前を聞いたら瞬時にアニメタイトルくらい言える筈なのだ。
よくよく彼女の顔を見てみると、あのアニメの主人公に似ている気がする。
これ程の大きなヒントもあるのに、思い出せなかったなんて……これは大きな陰謀があるのではないと僕は思った。
そして、次のコレは根本的な疑問なのだが、なんで彼女の名前はアニメ主人公と同じ名前なんだろうか?
この世界は不思議に満ち溢れているとは思っていたのだが……もしかして、この世界はアニメの世界だったりするのかな?
いやー……まさかな。そんなことあり得ない……よな。
普通に考えればあり得ないことだと断定する所なのだろう。
だが、普通に考えてあり得ないことだとしても……僕は転生という人生最大のあり得ないことにもう直面したことがあるのだ。
だから、例え低い可能性でも、あり得ないというのはあり得ない事なのかもしれない!
そう、だとすれば……あり得るのかもしれない!
……いやいや待て待て。落ち着くんだ僕、冷静になれ。
それは少し早計というものだろう。
もしかしたら、僕と同じ転生者が過去に居てアニメの主人公の名前を自分の子供に付けただけなのかもしれない。
そうゆう可能性もあるんだと考慮に入れなければならない。
なのにイキナリアニメの世界にいるなんて考えつくのは考え過ぎな僕の独りよがりなんだろう……。
まぁ様々な疑問もあるし、不安要素もあるがそう思おう。
でも、とりあえずはこの世界がアニメだと仮定して調べるだけ調べるだけ調べて見ようかな?
これは違っても損はないことだろう……だって本当にアニメの世界だったら世界が終わるかもしれないんだよ?
不安は少しでもあれば解消したほうがいいに決まっている。
だったら、まずアニメで風瀬ユイが通っていた高校を調べてみようかな?
たしかアレは架空の高校名の架空の学校だった筈だ。
もし、そんな架空な高校が存在するなら、この世界はアニメの中の世界かもしれない可能性がグーンと高まる。
転校生の紹介が終わってからすぐに図書館のインターネット検索で調べてみようかな?
この学校、校則で携帯の持ち込み禁止されてるから、すぐに調べ物したい時などは不便なんだよな。
まぁそんな考え事をしているうちに転校生の紹介をしていた朝の会が終わった。
*
「ねぇ、ケイタ君。今からちょっと別の場所で話をしない?」
転校生の簡単な自己紹介とクラスの話し合いがひと段落した所で、さぁこれから図書館に行こうとした所でヒトミさんが話かけてきた。
普段なら、たわいないオタク話をするところなのだが彼女の真面目な表情を見る限り、どうやら、彼女も僕と同じ考えに至ったのかもしれない。
前世の彼女は結構なオタクだったみたいだし、あのアニメを見ていたのかもしれない。
「分かった。いいよ、どこで話をするの?」
「えーと、じゃあ屋上でどうかな」
屋上? でも、あそこに入る為のドアって生徒が勝手に入らないように職員が毎回施錠してはずだけど……あれ、彼女は知らないのかな?
「屋上は無理だから、屋上付近の階段辺りでいいかな?」
「え? こういう秘密の話をするときは、屋上とか校舎裏とかがテンプレのような気がするんだけど?」
おーい、テンプレって君は現実に夢を見過ぎじゃないかな?
いや、この世界はアニメの世界なのかも知れないけどね。
それは隅に置いておこう。
「生徒が屋上に入れないように先生が毎回ドアを施錠しているから無理だよ」
「えーアニメとかだと主人公達が屋上に集まったりするのに……」
大方、漫画やアニメで主人公達が屋上で秘密の話をしているのを想像してたんだろうけど……屋上は生徒が勝手に入らないように常に先生が施錠しているのだ。
前世の僕が通っていた中学校でもそうだった、生徒が誤って屋上から落ちないようにキチンと施錠してあるのだ。
「現実って結構そんなもんだよ」
僕の一言にヒトミさんが崩れ堕ちた。
「そんな……屋上で内緒の秘密の話……そんなシチュエーションが小さな夢だったのに」
おお、彼女にとって結構ショックな出来事だったんだねかなり落ち込んでるよ。
「んーーーーーーーでも、分かった! 時間もないし、そこで話そう!」
その声は彼女の中の葛藤を表していたのだろうか、ヤケ糞気味に声が荒んでいた気がした。