第1話 主人公の自己紹介と世界観紹介かな?
主人公視点です。
高校二年の夏休み明け最初の授業日。
僕こと「釜無共名」は授業に主席する事が出来なかった。
あ、別にサボった訳ではないよ。
ちょっと通学途中に謎模様で彩られたトラックに引かれただけさ。
アハハハ、いやービックリしたよ突然道路からトラックが飛び出してきたんだもの、あんなの避けようがないって!
まぁそれで僕は昇天しちゃったんだけどね。
記憶がそれ以降ないから推測なんだけど、たぶん間違いないだろう。
だから、この世界でいきている今の僕「溝野ケイタ」はいわゆる転生者と呼ばれる存在なのかな?
転生者、もしくは一度死んだ死人とも呼べるモノ。
そんな僕が転生したこの世界を説明すると地球のパラレルワールドとゆう言葉が一番近いだろうか?
この世界は元いた日本に非常によく似ていて、それでいて少し……いや、大幅に何か違う世界なのだ。
まず、今の僕の名前をみたら一発で分かるかもしれないが、漢字の苗字にカタカナの名前を付けるのがこの世界での一般常識なっている。
前世の世界で一般的だった、漢字の苗字に漢字の名前の人はこの世界にはいないのだ。
これは、過去に五大名家と呼ばれる、謎の一族が決めた決まり事が原因らしい。
僕もあまり詳しいことは知らないのだが、五大名家とは名前の通り五つの名家の一族がそれぞれ存在していて、各家の代表者は政治の場で莫大な発言権があるのだとか……。
ハァーいつからこの日本は五大名家主導の独裁国家みたいになったのだろうか?
内心凄く不安だ。
こんな訳のわからない一族がいて、日本の政治は本当に大丈夫なのだろうかと常々悩んでいる。
まぁ未だ破綻してないところを見るとまだ大丈夫なのだろうが……。
ま、悩んでても仕方ないか。
きっと、何か問題が起きてもナントカなるようこの日本の政治家達が頑張ってくれるだろう!
転生した僕はまだ未成年なのでそうゆうのは大人に任せるのだ。
しかし、この世界の非常識はまだまだ序の口だったのだ。
え? まだ訳の分からない常識があるの? と皆さんは思ったかもしれないが、あったのだ。
しかも、特大のが残っていた。
なんと、この世界には呪術なんていう訳の分からないオカルト的な授業が当然の様に存在しているんだ!
ハッキリ言って意味不明、理解不能とか思うよね?
僕だって、そう思うよ。訳が分からなかった。
だって、小学校に入学して最初に配られた授業の時間割に当然のように載っていたんだぜ。
マジでビックリした! え、なにこれ? ってね、思わず二度見してしまったよ。
僕は、もちろん担任の先生に呪術って何ですかとすぐに聞いたともさ。
訳が分からないんだもん仕方ないじゃん!
皆さんは、呪術と聞くと誰かを呪うようなイメージがあるかもしれないが、この世界の呪術とは、そうゆうのとは全く違うなんらかの法則のようなモノらしい。
僕も最初は、呪術とは誰かを呪うような怪しい術か何かだと思ってビクビクしていたのだが、担任の先生の話を聞いているうちに何か違うことに気づいた。
むしろ、よく聞いてみるとアクションゲーム等にでてくる札使いの使う魔法に近いのものなのかもしれないな。
呪術とは、特殊な製法で作られた紙の札に呪文字と呼ばれる特殊な模様を書き。
その札持ちながら、札ごとに決まった文章を詠唱することで現実を歪め不思議な現象を起こすことが出来るとゆう…この世界特有の不思議法則みたいなモノらしいのだ。
呪術で起こせる現象は、非常に多岐に渡るらしいが小学校で習ったのは、基礎の小さな風を起こす呪術と小さな水球を出す呪術だけだ。
さすがに、呪術なんて訳の分からないものが存在するファンタジー世界とはいえ、物事の分別がついてないような小学生達には具体的な危険が伴う呪術は教えないように厳しい法律が設けらているようだ。少し安心した。
まぁそんなこんなでオカルトが当たり前のように存在している世界に転生した僕は当時、かなり混乱したんだと思う。
そして、同時に呪術と言う不思議要素にとても興奮していた。
呪術の存在を知ったその日は興奮して眠れなかった程だ。
あれ、何か僕、遠足が楽しみで前の日に眠れない小学生みたいだな?
……いや、転生した僕はあの時、小学生だったのだ。
だから何の問題もないだろうさ。
その時の僕は、前世では出来なかった魔法的な不思議現象。
そんなものが、自分の手で起こせることがとても楽してハメを外していたのだろう。
とゆうか、僕はその時、転生した僕は特別な存在なんだと思いこんで、ヒャッハーとか何とか言いながら完全に調子に乗っていた。
それは、今でもなかなか記憶から消えてくれない黒歴史確定の消し去りたい過去だ。
忘れたいではなく、消しさりたいと言っている事からも僕の後悔の具合が分かるだろう。
今でも、たまに思い出して凹む時すらあるのだ。
あの時は、転生した僕は選ばれし存在なのだとか真剣に思ってたからなー。
今になって考えてみると、どうかしてるとしか思えないよ。
あれだ……これはたぶん、前世で読んだファンタジー小説やゲームのせいなのだろうな。
前世では、オタクと呼ばれるほどの並ならぬファンタジーへの憧れと気高い理想が僕をこんな風にしてしまったのだろう。
あ、言い訳じゃないよ本当の事だよ信じてよね!
まぁそんな、前世ではオタクと呼ばれた僕。
それでも僕には友達が沢山いたんだ。
僕のオタク友達のネットワークは国の国境線さえ越えて繋がっていた。
ネットゲームにより加速度的に増えていく友達達。
僕らはネットゲームのギルドとゆう名の固い絆で結ばれ、廃人と言う名の病を共有していたのだ。
ギルドの友達たちは優しさと厳しさを兼ね備えていた。
時に励まし合い。時に助け合い。時に罵り合う。
そして、時に裏切り合いもした。
ネットゲームのギルドとは、世界の縮図と言っても過言ではないだろう。
そんな世界に長年浸っていた僕ってば人生を十分に満喫してた。
彼女は二次元だったけどさ……後悔はしてないよ。
でも、そんな友達沢山だった僕でも転生した世界では、一人ぼっち。ただ一人の孤独である。
嗚呼、友達がいないってのはこんなにも悲しい事なんだなと身にしみて分かった。
そんな風に孤独でつらいと思っていた僕。
だけど、そんな僕にもようやく友達を作ることができたんだ。
それは、小学二年生の時だ。
その子は僕と同じ転生者で、小学二年生になった時に偶然同じクラスになって知り合ったのだ。
彼女の名前は「金指ヒトミ」さん。
長いストレートな黒髪に前髪をに黄色い髪留めを付けてるのが印象深い女子生徒だ。
彼女は、高校二年の夏休みに僕と同じく謎模様で彩られた気持ち悪いトラックに引かれて死んだらしい。
だが、僕と違って彼女は前世の名前が思い出せなかったので、この記憶はただの儚い幻想みたいなものなんじゃ無いかとずっと不安に悩んでいたらしい。
そんな中、同じく前世の記憶がある僕に出会ったのは、とても喜ばしいことなんだと泣笑いな表情で言われた。
彼女と初めて会った時の会話は実に三時間以上かかった。
特に前世のアニメやゲームの話題やなどで話も弾んだので彼女も結構なオタクなんだと思う。
なんだかんだ言っても、仲間が見つかるというのは良いことだと、僕は笑ってその時はそう言った。
ヒトミさんに、面と向かってオタクって言ったら殴られた上で説教されたけどね。
でも、その後にサラッと言われた。
「ケイタ君は、すごいね。私は前世の名前が思い出せないで不安で不安でしかたなかったのに、そんな元気なんて……」
という、彼女の純粋と尊敬の感情がこもった言葉には、正直に返答出来なかった。
どうしよう、 僕は転生したばっかりの頃は選ばれた特別な存在とか思ってたんですけど……。
うん、彼女には絶対に言えない秘密の一ページだね!
とりあえず、その時は当たり障りのない言葉で誤魔化した僕は悪くないと思う。
人間は、隠し事する生き物なんだから。
当たり前の事だよね!
……さーて、そろそろ現在に意識を向けようかな。