よっしゃやっと剣と魔法の異世界物語生活が始まるぜ
「はっ!!私としたことが助けていただいたのに未だに名を名乗っていませんでした。申し訳ございません」
「いやそういうの良いからついてこないでください」
「兄貴そういえば俺らも名乗ってませんでしたね」
「良いからお前等も付いてくんなよ」
「私の名前はサニーです。以後お見知りおきを」
『サニー 貴族令嬢
レベル 29
HP 291
MP 80
POW 61
DEF 78
MPOW 66
MDEF 59
LUK 130
MEN 25
魅了』
「へぇサニーさんね」
「兄貴、俺達も名乗らせていただきやす」
「いや良いから。お前らはさっさとどこか行けよ」
「お初にお目にかかります。あっしはここら一帯を縄張りにしているジャンです。以後お見知りおきを」
『ジャン 盗賊
レベル 53
HP 381
MP 61
POW 89
DEF 81
MPOW 49
MDEF 42
LUK 52
MEN 92』
「あっしの名前はヤスでやす。以後よろしくお願いしヤス」
『ヤス 盗賊
レベル 32
HP 262
MP 48
POW 69
DEF 72
MPOW 28
MDEF 32
LUK 46
MEN 62』
「貴様犯人だな」
「はい?」
「いや何でもない」
「それで兄貴は今どこに向かっているんですかい?」
「だから兄貴って呼ぶな。他の人の視線が痛いじゃないか」
「そんなことはないですぜ。あいつらは人を見る目がなんですから」
「違うだろ。お前らが後ろからついてきて尚且つ兄貴兄貴って呼ぶからだろ」
「そうですかい?そんな事は無いと思ますが」
「そんなことあるんだよ。だからお前等付いてくんな。俺は今から魔王を討伐しに行くんだから」
「・・・!?」
「なんだよ」
「それマジで言ってるんですかぃ?」
「あぁ。マジだ」
「そうか。じゃあ勝手にやっててくれ。行くぞヤス」
「ヘイ」
「まさか本当にあいつ魔王を倒そうって考えてるのか?ならとんだキチガイだな」
「そうっすね。あいつやっぱり頭のネジが飛んでたんじゃないですか?」
「まぁ良い。行くぞ」
「・・・・・」
「では私はこれで」
スタスタ
「日本に帰りたい・・・・」
「では魔法の使い方を教えますね」
「頼む。俺は一刻も早く日本に帰るんだ」
「日本?」
「俺の故郷だよ。住んでた頃はクソみたいなところだと思っていたけど今思えば良い所だったんだろうな。ここみたいに危険もあんまりないし飯はうまいしな」
「カノーさんの故郷ですか。少し気になりますね」
「まぁ良いじゃないか。そんなことより早く魔法を教えてくれ」
「そうですね。まずは自分が使える魔法の確認をするところからですね」
「そうだな」
「確認方法は左目を閉じるだけですよ」
「なんだよめちゃくちゃ簡単じゃないか」
『ライトニング』
『ポイズンミスト』
『クリエイトゴーレム』
『ワールドオブファイアー』
『スティールパワー』
「あれ?俺はてっきりすべての魔法を使えるんだと思ってたんだけど」
「確認し終わったらその魔法の名前を唱えるのです。こんな風に」
『ヘブンズ・ドア』
「こんな感じです」
「へぇ~。ちなみに『ヘブンズ・ドア』ってどういう魔法なんですか?」
「アンデットへの即死攻撃ですね」
「へぇ~。なんかどこかで聞いたことがあるような名前ですけど大丈夫ですかね?」
「なにを言っているか私にはわかりかねますが相手を本にしたり本に書き込んで相手に実行させたりすることはできないので」
「いやなかなか知ってるじゃないか。まぁ良いや。じゃあとりあえず魔法をちょっと使うから」
『スティールパワー』
「ちょっといきなりやめてくださいよ」
「あれ?なんか全然力が増えた感じしないんですけど」
「そんな事は無いはずですよ」
「いや本当ですって」
「だってその魔法は相手の力の半分を奪う魔法ですよ。魔法使いとはいえ私もかなり鍛えていますからね」
「それは知ってるけど」
「・・・」
「・・・」
「もしかしたらカノーさんの力が強すぎてそれ以上増えないようになったとか」
「それかもしれんな。なら実質この魔法ゴミじゃないか」
「ほ、ほかに使える魔法はなかったのですか?」
「それが意外と少なかったんだよ。なんかさっき見たやつばっかりだったんだよ」
「つまり私が先ほど使った魔法以外使えないと言う事ですか?」
「そういう事だ」
「見たことのある魔法しか使えないようですね」
「なんか意外と縛りきついな。最初から魔法を全部使えるようにしておけよ」
「でも一度見たら全魔法を使えるようになるのでは?」
「そうか!!よしじゃあ使える魔法全部使ってくれ」
「ちょっとそれは・・・」
「どうした?MPの消費半減なら使えるだろ?」
「いや魔法を撃つのは良いんですけど名前を考えるのが大変で」
「名前?」
「だから魔法の名前を考えるのにかなり労力を使うんですよ」
「魔法の名前ってあんたが考えているのか?」
「まぁ私というかなんというか。それに今魔法を覚えても把握できないですから少しずつ小出しにする方が良いんですよ」
「そうなのか?まぁ別に良いけど」
「ではこの後どうしますか?」
「どうするって?」
「ですからこの後魔王城に乗り込むのかそれともちょっとワンクッション置くかどちらにするのか」
「なに付いてくるの?」
「もちろんです」
「まぁ別に構わんけどそれならさっきの決闘の意味全くなくない?」
「まぁそうですけね」
「まぁ別にいいや。それよりもこの先どうするかな~~。飯はまずいから食べ歩きは無いな。さっさと魔王でも倒すか?」
「そんな軽い調子で魔王を討伐できるとは思いませんが」
「てか今まで俺みたいな勇者的な魔王を討伐しようってしていた奴はいないのか?」
「過去には居たようですね。ですがことごとく失敗して今では単独での討伐を試みる人はいないみたいですね」
「ふ~~ん。じゃああっちから攻めてきたときはどうしているんだ?」
「その時はギルドに所属している冒険者と協力して撃退しています」
「ふ~~ん。あっちから攻めてくるのって結構多いのか?」
「いえそうでもないですね。2~3年に1回来るか来ないかですね」
「なら結構平和なのか?」
「この町は平和ですね。ですが前線の街となるとやはり魔王軍の攻撃も激しいみたいですね」
「へえ~~。まぁどうでも良いか。さっさと魔王ぶっ殺してこっちの世界でチヤホヤされて日本に帰って美人なお姉さん2人と超絶可愛い幼馴染がいる生活を送るんだい」
「??」
「じゃあ魔王の城までいっちょ行くか」
「どこにあるか知っているのですか?」
「知らんけど」
「やはり。よくそれで魔王の城に乗り込もうとしていましたね」
「まぁ良いじゃないか」
「ではとりあえず魔王の城に一番近い街に行くのはいかがでしょうか?」
「よしそれにしよう。ここからだとどれぐらい掛かるんだ?」
「そうですね。大体2週間ぐらいですね」
「2週間!?それは歩いてって事か?それとも馬車とかに乗って2週間って事か?」
「馬車に乗って2週間ですね」
「無茶苦茶遠いじゃないか。行くのやめようかな」
「ところがどっこいとある魔法を使うと一瞬で行けちゃうんですよ」
「なら早く行こうぜ」
「その前にギルド長としての仕事が出来なくなるので副ギルド長に伝えておかないといけないので」
「じゃあさっさと済ませてくれよ」
「分かりました」
「ここか?」
「えぇここです」
「ちなみに聞くけどここってなに?」
「なにとは?」
「ここって何するところなの?」
「見ての通りギルドですよ。冒険者に仕事を斡旋するところです」
「見ての通りってこんな宮殿みたいなギルドなんてないだろ」
「そうなのですか?他の町もこんなものだと思いますけど」
「そうなのか?」
「多分そうだと思いますけど」
「なんかちょっとイメージが崩れたな」
「さぁ中に入りましょう」
「そうだな」
ガチャ
「ギルド長大変です」
「どうしたのですか?」
「魔王が本格的に動き始めたそうで最前線の街が2つ落ちたそうです」
「2つもですか!?」
「えぇ」
「被害は?」
「ギルドが派遣した冒険者のうち1割が死亡残ったうちの4割が重傷です」
「そうですか。かなり被害が大きいですね」
「それに伴い前線の街から支援要請が届いておりますがいかがいたしますか?」
「そうですか。では私が前線の街に向かいます。この町に来た避難者はとりあえずタルラさんの元保護してください。話は私から通しておきます。その他の指示については副ギルド長のフローダさんに任せます」
「分かりました。街にはお1人で?」
「いえ。この方と一緒にまいります」
「そちらの方は?」
「カノーさんです」
「大丈夫なんですか?見るからにヘタレ野郎ですけど」
「大丈夫です。カノーさんは私より圧倒的に強いですから」
「本当ですか?」
「本当です」
「そうですか。では不安ですがあなたに任せましたよ」
「任せてくれ。次に会う頃にはこの俺は魔王を倒した勇者になっているだろうけどな」
「そうなると良いのですが」
「じゃあ後は任せましたよ」
「分かりました。必ず無事に帰ってきてくださいね」
「大丈夫です」
ガチャ
「すみません。一度タルラさんの元に向かってもよろしかったですか?」
「あぁどうせ今更急いでもそう大して変わらんだろうからな」
「ありがとうございます。では一度ワープさせていただきますので身体のどこかを掴んでもらってもよろしいでしょうか?」
「どこでも良いのか?」
「えぇどこでもよろしいですよ」
「じゃあ遠慮なく」
ニギッ
「ちょっとそこは・・・」
「ここじゃダメなのか?」
「ダメというかなんというか」
「なんだよ」
「服は身体の一部として認識されていないのですよ。ですからシャツの後ろに掴まるのはダメなのです」
「ハァ?じゃあ何か?この俺に女の人の身体に触れろと申すのか?」
「端的に言えばそうです」
「ファック!!なんでそんな仕様なんだよ。アホか。ワープなら周囲に円を作ってその中にいるものすべてをワープするぐらいの勢いでこいやクソが」
「そう申されましても私にはどうする事も出来ないのですよ」
「ちっ」
「ではお手を拝借して」
『ワープ』
「到着しました」
「うぇぇ。なにこれ死にそう」
「大丈夫ですか?」
「全然大丈夫じゃないな。いつ吐いてもおかしくない感じだな」
「ちょっと待って。私の家で吐かないでよ。昨日掃除したばかりだから」
「カルラさん。重大な話があります」
「分かってるよ。避難者を受け入れて欲しいって事だよね」
「そうです」
「あなたがカルラさんなんですか?」
「そうだよ~~。ところで君誰?」
『カルラ 町長
レベル 138
HP 908
MP 268
POW 568
DEF 201
MPOW 102
MDEF 135
LUK 43
MEN 68
鋼鉄の身体・鉄拳・爆拳』
「うっわ滅茶苦茶強いじゃん。なんで町長っていう立場にいるのか全く謎なんだけど」
「君人の話聞いてる~~?」
「あ、失礼した。俺は加納雄太」
「ふ~ん。でなんで君はカルラちゃんと一緒にいるのかな?」
「なんでというと?」
「だからカルラちゃんが来たのは分かるよ。だってギルド長だからね。君は何?」
「おれ?俺は魔王を討伐しようと思ってカルラさんに案内して貰うんだよ」
「君が?魔王を?」
「おかしいか?」
「いや。僕は凄いと思うよ」
「初めて認めてもらえたんだけど」
「ただ前にそういった人はこの町を出てすぐに魔王の軍勢に襲われてすぐに死んだけどね」
「・・・・・」
「まぁ僕は期待しているよ」
「じゃあそういう事で頼みます」
「分かったよ。じゃあ後でギルドに顔出すから」
「ありがとうございます」
「じゃあ用事も済ませたのでガルーシムの街に向かいましょうか」
ニギッ
『ワープ』
「到着致しました」
「うぇぇ。やっぱり気持ちワル。滅茶苦茶吐きそう」
「あなたはシンダールの町のギルド長カルラさんですね?お待ちしておりました」
「そんなことよりも街の状況は大丈夫ですか?」
「そうですね。今はまだ大丈夫ですが先程まで来ていましたのでまたすぐにでも襲ってくると思います」
「そうですか」
「そちらの方は?」
「さっきも自己紹介したような気がするけど俺は加納雄太。魔王討伐をしようと思ったが今更無謀だと感じ始めた男だ」
「彼は何を言っているんですか?」
「しっかりしてくださいカノーさん。カノーさんが倒さないと誰が魔王を討伐するのですか?」
「いやだって・・・・。俺強いけど実践経験全くないし」
「ならここはぴったりですよ。ここは今魔王軍に攻められているのでここなら実践がかなり積めますよ」
「大丈夫ですか?この人どう見ても弱そうですけど」
「大丈夫ですよ。カノーさんは私より強いので」
「本当ですか?にわかには信じられませんが」
「信じてください。次の戦いで証明すると思いますので」
「そうですか。まぁ彼にはあまり期待せずに見守っておきますよ」
「それとこちらの町では避難者を受け入れる体勢が整ったのでこちらに送ってもらっても大丈夫です」
「ありがとうございます。順次そちらに送らせていただきます」
「えぇそうしてください」
カンカン
【魔王軍襲来ーーー。一般の方から避難場所に避難してください。ギルドの方は高台に集まってください】
「この拡声器みたいなやつも魔法の効果なのか?」
「拡声器が何かは分かりませんがこれは『拡声』という魔法です」
「ふ~ん。まぁ良いか。じゃあとりあえず集合場所に行くとしようぜ」
「分かりました」
ニギッ
『ワープ』
「いきな・・・うぇ・・・使うなよ」
「すみません。ですが歩いてですと少々遠いので」
『ワープ』
「私を置いていく必要が無いと思いますが」
「あぁすみません。急いでいたので」
「まぁ良いでしょう」
【お集まりの皆様ありがとうございます。時間は限られておりますので端的に説明いたします。目的は避難者の時間稼ぎ及び魔王軍の撃退です。とても危険ですが皆様の頑張りで他の方が救われるのです。それと命に危険が及んだら撤退して貰っても構いません。では皆様この戦いが終わったら祝杯をあげましょう】
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」
「俺てっきりほとんど集まらずに寂しい思いをするのかと思っていたが冒険者って意外と情に厚いんだな」
「そうですね」
「じゃあ私たちも行きましょうか。カノーさんの初実践ですね。大丈夫だと思いますが必ず生きて会いましょうね」
『ワープ』
「行っちゃったんだけど。どこに行けばいいのか聞いてないんだけど」
「おう兄ちゃん。どうしたんだ?」
「いやこういうの初めて参加したんだけどどこに向かえばいいのか分からなくて」
「そうか。じゃあ兄ちゃん俺に付いてきな」
「ありがとうございます。ところであなたは?」
「そう言えば自己紹介がまだだったな。俺はフェンデルだ。よろしく」
『フェンデル 冒険者
レベル 81
HP 623
MP 59
POW 126
DEF 92
MPOW 53
MDEF 81
LUK 26
MEN 95』
「よろしく頼む。俺は加納雄太だ」
「よろしくカノー。じゃあ俺に付いてきな」
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします