第八十七話「生贄」
イリジャ遺跡に辿り着く。
見た目はよく作りこんであるなあって感じだ。
ほんとにこれ、プログラミングで作ってあるのか?
と思うほどだ。
さて、遺跡内部に入る。
通路は三人ほど並んで歩けるほどだ。
壁一面は何て素材で出来てるんだろう。
壁の素材については詳しくはないが、
悪くはない壁だ。
俺たちは遺跡の奥へと進んでいく。
しかし、結構進んでるはずなのに、
モンスターが出てくる気配が一切ない。
ある意味、不気味だ。
「あれだ!」
広い空間に出た瞬間クレスが叫んだ。
広い空間の奥に石版がある。
これを読めば真相が分かる。
期待と不安が同時に襲ってきた。
俺たちは石版へと進む。
その瞬間。
「うごああああああああ」
地面からモンスターが湧き出てきた。
モンスターの頭上には”レッドジャイアントゴーレムリーダー”と文字が表示されている。
もちろん、レッドジャイアントゴーレムリーダーなどというモンスターは、
カードバトルオンラインには存在しないモンスターだ。
明らかに強力なこのモンスターが五体も湧き出てきた。
「出でよ!」
皆がそれぞれ、モンスターを呼び出す。
俺もキングレオタイガーなどのモンスターを呼び出した。
「皆、モンスター達にルシファーの囮を任せてくれ! それとヒーリングをルシファーの為に残してもらいたい」
クレスが俺たちに指示を出した。
俺たちはその通りに動く。
しかし、このゴーレム……動きが速い!
まあレア度6だし、当然と言えば当然だが。
俺たちのモンスターは跡形も無く潰され、残りはクレスのルシファーのみとなった。
しかし、俺たちのモンスターは全く役に立たなかったわけではなく、
ルシファーのゴーレム駆除を手伝ってくれた。
残りのゴーレムはあと二体。
ゴーレムとルシファーの死闘が繰り広げられる。
もちろん、俺からしたらヤム○ャ視点だ。
とりあえず、俺はルシファーを指定し、ヒーリングと叫び続けた。
「皆、ありがとう」
どうやら、レッドジャイアントゴーレムリーダーの群れは片付いたらしい。
「しかし、どうしてあんな強力なモンスターが湧いてきたんだろう? 前来たときは違ったのに」
クレスが疑問を呈する。
これもイレギュラーってやつか。
とりあえず石版まで辿り着いた。
「アダム。頼む」
俺はクレスに促されるまま、石版の文字を読み上げた。
”こんにちは勇者君。
今この文字を読んでいるということは、あの紙に書かれている文字を読んできてくれたってことだね。
私はこの時を待ち望んでいた。
理由は話す必要はない。
しかし、ここまで来て何も明かさないというのは礼儀正しくないだろうから、
一応私の身分を明かしておこう。
私の本当の名はエレーデス・ジャック
大魔術師とも呼ばれてきた。”
ここから先はカロン・カルライナの生涯が明かされることになった。
どうやらこの人もいろいろ苦労してきたらしいってことは、
文章を読んで伝わってくる。
”さて、では本題に入ろう”
ここからが本題だ。
う~緊張する。
そんなことを思いながら俺は石版の文字を読み進める。
”ある条件を満たせばこの世界に巻き込まれる犠牲者を防ぐことが出来、
この世界に巻き込まれた皆も元の世界に帰ることが出来る”
そういえばクレスから聞いた話だが、
ヘルフェスを倒した後の魔法陣に乗っても、
元の世界に帰れない人もいたらしい。
どういうことなのか今いちよく分からないが、
そういう事例もあったみたいだ。
”その条件を説明しよう。
まず第一に”
俺はここまで読んでた石版を読むのをやめた。
「どうした? アダム」
クレスの言葉が頭に入ってこなかった。
石版にはこう書かれていた。
”まず第一に勇者君、君の命が必要だということ”




