第五十五話「スライムに栄光を」
現在の俺のステータス
体力75
素早さ145
攻撃力155
精神力45
人体コスト198/198
スライムレア度1コスト2レベル75
ヒュドラレア度4コスト16レベル56
ベビードラゴンレア度2コスト8レベル56
ゴーレムレア度3コスト13レベル56
ボーンスカルナイトレア度3コスト7レベル56
スカルナイトリーダーレア度3コスト8レベル56
モンスターコスト54/180
さて、現在の俺のスライムのレベルは75
前回より5レベ上がっている
寝ずに元の世界に戻らずに狩りをしまくってこのレベルだ
正直キースと共に依頼を受けてた頃のほうが効率が良い
まあ地道に頑張るしかないな
「ん?」
俺宛にメッセージが届いている
クレスからだ
”クレス>>アダム:君に話がある。グランガのギルドで待っている”
ちょっ
ただでさえスライムの育成に忙しいのに勘弁してくれよ
っとは思わない
むしろ俺がこの世界に来たのにはもう一つ
クレスに用があるからだ
早速俺はグランガという町まで移動した
グランガの街中
俺はギルドへと赴く
そしてギルドの中に入る
そこには黄金の鎧に銀髪姿の戦士
クレスの姿があった
しかし、今更なんだが彼こんな目立った格好をして恥ずかしくないのだろうか?
鎧の光が痛々しいほどに眩しすぎる
「すいません、待たせてしまって」
「いや、構わないよ。呼び出したのは僕だしね」
「それで何か用ですか?」
「聞いたよ。君、盗賊”スラッシュハンド”を更生させたんだって?」
スラッシュハンド
何じゃそりゃ
ここは素直に聞いてみるか
「スラッシュハンドって何ですか?」
「ありゃ? 君は知らないんだね」
「はい、教えてください」
「レガリットという町は知ってるかい?」
レガリット?
ああ、思い出した
俺がラップバトルをした町
賊のボスが俺に土下座した町だ
しかし、賊の名前がスラッシュハンドとは
随分かっこいい名前じゃねえか
「思い出しました」
「君が彼らを更生させたのは間違いないのかな?」
「確かに多分俺が更生させたのだと思います」
俺は彼らに100万Gを渡した
それで彼らは俺の条件を飲んでくれた
本当に約束を守ってくれたんだな
「実はスラッシュハンドは僕たちSSSの案件でもあるんだ」
案件?
もしかして今回クレスが俺を呼び出したのは自分たちの案件を横取りされたことに怒ってるからだろうか?
これはまずいことをしたな
謝らないと
「何か……すいませんでした」
「どうして謝るんだい?」
「いや、だってあなたがたの案件を勝手に処理したことに対して怒ってるのかと」
「むしろ逆だよ。君に感謝しているんだ」
「はあ」
なるほど
クレスが俺を呼び出したのはお礼が言いたかったからか
でもわざわざお礼を言うためだけに俺を呼び出すか?
お礼ならチャット欄だけでも出来るだろうし
「もちろん君を呼んだのはお礼を言うためだけじゃないよ」
クレスはまるで俺の心を読み透かしたかのように答える
ってか絶対俺の心の中を読んでるだろうこの人
怖いわー
「それで俺に何の用があるんでしょうか?」
「いや、君をSSSに引き入れたいと思ってね」
勧誘行為すか
うち、それはお断りしてるんすよ
まあそれは冗談として
ただ……
「俺の条件を飲んでくれるなら構わないですよ」
「条件かあ」
クレスはしばらく考える素振りをしながらこう言い放った
「僕の出来る範囲なら構わないよ。何かな? 話してごらん」
果たして俺の条件は彼に飲めるものだろうか?
まあ、話してみるか
「俺のスライムの育成を手伝ってもらえないかと」
「はあ」
クレスはため息をついた
そしてこう言い放った
「別に構わないけど……」
何だ? 何かいいたげだな
ってか口調が明らかに呆れてる感じだ
ここは素直に聞いておこう
「何か言いたいことでも?」
「いや、何でスライムなんかを育成したいのかと思ってね」
スライムなんかって……
そんなにスライムの育成がくだらないものなのだろうか?
きっと彼は心の中でそう思っているのだろう
ブラといいクレスいいキースといい
何故皆スライムの良さが分からないんだ
スライムの良さは前も話したから省くが
この世界ではスライムの良さが分かる人はいないのか?
もういい
俺はこの世界でスライムちゃんを必ず最強にさせてみせる
そうすれば皆のスライムへの認識も変わるだろう
とりあえずクレスに俺のスライムへの思いをアピールしておこう
「俺はスライムが好きなんです!!」
「はあ」
「三度の飯よりスライムなんです!!」
「はあ」
「スライム無しじゃ生きていけません!!」
「はあ」
「スライムに栄光を!!」
「はあ」
「ってな感じです」
「なるほどね」
クレスはしばらく考える素振りをした
「まあいいよ。君のスライムへの思いは伝わったし」
「ってことは?」
「君のスライム育成を手伝おうじゃないか」
こうして俺のスライム育成計画に一筋の光が見えてきた
まあクレスは
「僕も忙しいから毎日手伝うのは無理だけどね」
と言っていたが
手伝えるだけでも助かる
こうして俺はスライム育成を条件にSSSに入ることになった
しかし、一抹の不安もある
が今はそれは無視して素直に喜ぼう
待っててねスライムちゃん
必ず君を最強にして見せるから
俺の野望は続く




