第五十一話「スライム育成計画」
俺に足りないもの
それはスライムだったのだ!
そうかあ
そうだよな
俺のこの世界での役割が決まった気がする
それは……
名付けて!
”スライム育成計画!!”
よし
そうと決まれば
俺はガシャで手に入れたカードを全てスライムに費やした
現在スライムのレベルは65
本来ならばスライムなどのレア度1のモンスターはカードバトルオンライン内では50レべが限界だが
この世界では同種のレベルMAXモンスター同士を合成するとレベルの上限を上げることが出来る
ブラから教えてもらったことだし
スライムのレベルがMAXになったところで俺にもそういったアナウンスが流れた
いやあこの仕組みにはマジ感謝ですわ
スライム王に俺はなる!
この心の叫びを胸に秘め
今日も俺はスライム育成に捗るのだった
が……
「最近、おめえのモンスターレベル上がらなくなってね? ってか何でスライムなんかデッキに入れてんの?」
とキースに尋問されてしまった!
どうするアダム!?
「いや、俺ね、スライム王になりたくってね」
「何言ってんだお前」
どうする俺
何か言い逃れでもするか?
いやここは正直に言うべきだろう
「いや、俺スライム好きなんだよね」
「ほお、それで?」
「だからスライムを強くしたいなあと」
「お前……さすがにスライムはないだろ」
キースお前もか
お前もスライムを否定すんのか
「他のモンスターはどうすんだよ!?」
キースが畳みかけるように聞いてくる
「他のモンスターは今のところ育成やめようかなあと」
「お前それはねえわ」
俺は長らくキースに説教された
要約すればスライムみたいな雑魚なんか育成すんなよっといったところか?
なぜ皆スライムを嫌うのか?
最弱だからか?
最弱だからいかんのか?
ああ、確かにスライムは最弱だよ
だけどよく見ろ!
それを補ってあまりあるあのニコっとした表情
あのむっちむちなボディー
透き通ったブルー色
完璧じゃねえか!
確かにカードバトルオンラインでは最弱モンスターであるスライムを使うのは無理がある
だがこの世界では違う
スライムでも最強になれる!
全国のスライムファンの皆さん!
俺、やります
最強のスライム
作って見せます
ということで俺はキースに反論した
キースは呆れたようで
「もうお前とはやっていけねえわ」
と縁を切られてしまった
別に構わない
他のモンスターたちもある程度は戦えるようには育っているし
俺一人でもやっていけるだろう
さて、今日から俺のスライム育成計画が始まる!




