第四十一話「カードバトルオンライン」
カードバトルオンライン。
全世界で三千万人がプレイしているオンラインゲームの名前だ。
このゲームを開発、企画したのはイギリス出身のカロン・カルライナ。
彼は元科学者で量子学を研究していたらしい。
しかし、彼は何を思ったのか量子学の研究を途中で辞退。
そしてなぜか、ゲームの開発という仕事に就いている。
2004年にはカードバトルオンラインの下地を作り。
そして、2005年9月19日にカードバトルオンラインのサービスを正式に開始した。
カードバトルオンラインは一気に人気となり。
数ヵ月後、日本にも正式にサービスを開始することとなった。
カードバトルオンライン。
このゲームにはいくつかの魅力がある。
一つ目は単純な操作性。
デッキにモンスターを配置し、戦わせたいモンスターと戦わせるだけなのだ。
その単純さが売りであろう。
二つ目はいつでもどこでも遊べること。
こう言った単純なゲームは放置ゲーが多いがカードバトルオンラインではその放置要素がどこにも無い。
好きな時に好きなだけモンスターを戦わせることが出来るのだ。
三つ目は対人要素。
正直これがこのゲームの一番の魅力と言っても過言ではない。
カードバトルオンラインでは通常サーバーと対人サーバーに分かれており、対人サーバーでは好きな人物に対人を申し込むことが出来る。
対人に勝利するとランダムで相手のカードを一枚奪い取ることが出来る。
逆に敗北するとカードを奪われる。
これがこのゲームの魅力と言ったが、正直俺とブラはこの要素が好きではない。
なぜなら対人で勝利してカードを奪いましたイエーイと喜ぶのも束の間。
自分のデッキを見るとあるはずのカードが消えているからである。
全てのカードを奪われれば一から始めないと行けないのだ。
余談だが
このゲームにはバランスブレイカーと呼ばれるカードがある。
”キュアリス”というカードだ。
このカードはレア度5コスト0
体力、攻撃力、素早さは1でそのままだと使い物にならない。
しかし、このカードの魅力はヒーリングが使えることだ。
このカードを後列に配置し、前衛のモンスターをヒーリングすることで前衛のモンスターは死ぬことなく半永久的に戦わせることが出来る。
勿論、バランスブレイカーな為、その後は改善されて一枚しか配置出来ないようになった。
ただ、それでもこのカード一枚だけでとても有利に事を運ぶことが出来る。
コストも取らないし、廃人様なら誰でも持っているカードだ。
まあそれは置いといて。
このゲームの対人要素にはまだ魅力がある。
いや、対人要素に限ったことじゃないか。
それはリアリティがあるという事だ。
公式には明かされていないが属性と言うものもある。
例えば、見るからに火属性のモンスターがいる場合。
見るからに水属性のモンスターと戦わせることで有利に事を運ぶことも出来る。
だがここでまた面白い要素が出る。
補助カードだ。
例えば油がついた火に水をかけるとどうなるだろうか?
もちろん、大惨事だ。
カードバトルオンラインでは”油”というカードがある。
それを火属性モンスターの補助カードとしてセットした場合。
逆に火属性モンスターが水属性モンスターに対して有利な状況に持ち込むことが出来る。
あっちの世界では補助カードも丸見えだったが。
カードバトルオンラインでは相手のモンスターが見えても補助カードが見えない。
だから
「あ、火属性モンスターだ! 水属性モンスターでやっつけちゃおうと」
と思って手を出した瞬間。
相手が”油”というカードを補助カードに設定していて返り討ちに合うことがある。
要はブラフだな。
カードバトルオンラインは単純で尚且つ奥が深いゲームなのだ。
だから三千万人という人気を誇るに至ったのだろう。
現在俺はカードバトルオンラインをプレイしている。
あの世界にもう一度向かえるんじゃないかという希望を胸にして。




