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カードゲームで世界を救う!?  作者: ライプにっつ2
ゲームの世界と現実世界
40/108

第四十話「役目」

 

 ”アダム:おいブラ、返事しろよ”


 おかしい、いつもならこの時間帯にブラはいるはずだ

 だけど返事がない


 俺は他のネトゲ仲間にも話しかけてみた

 ネトゲ仲間たちは


「おお! アダム久しぶりじゃねえか! 何してたんだよ?」


 と声をかけることが多かった

 

「ああ、ちょっと忙しくてな、それよりブラは?」

「そう言えばあいつも最近ログインしてねえな」


 な……

 俺はその言葉にショックを受けた


 まさか……まさかな……


 俺はブラに電話をかける

 あいつの個人情報はあっちの世界で知っている


 しかし、あれは夢

 夢なはずなのだ


 きっとブラはハロワに行っていて忙しいのだ

 そう思いたい

 いや、そうだろう

 そうに決まっている


 そして今かけてる電話もただの間違い電話で終わるはずだ 


「はい、市松ですが」


 俺はその言葉にさらに衝撃を受けた

 ブラの本名は市松仲渡

 

 いや、ただの偶然だろう

 偶然苗字が一致しただけだ


「仲渡の友達の新垣と申しますが、仲渡さんはいらっしゃいますでしょうか?」

「……まさか、仲渡に友達がいるなんて」


 電話の主は驚いたような声を発した

 どうやら俺がかけた電話は市松仲渡本人らしい

 あっちの世界の個人情報と一致しているのだ 

 俺はその事実に驚きを隠せなかった


「それで仲渡さんは」

「…………うっ」


 俺がそう聞いた途端電話の主は泣き出してしまった

 しばらくすると


「仲渡は……今入院しております」


 と返事が帰ってきた

 嘘だろ

 ブラが入院……


 そう言えば俺も同じ状況だった

 気がつけば病院のベッドの上だ

 それと同じ状況がブラにも起こっているというのか!?


「まさか、仲渡を心配してくれる友達がいるなんて」


 電話の主はまた泣き出してしまった

 声から察するに彼の母なのだろう


 しかし、あれは夢じゃなかったのだ

 もし、あれが本当だとすると大変なことになる

 あっちの世界のプレイヤーはこっちの世界では植物状態と言うわけだ

 これはまずい


「それでは失礼します」


 俺は仲渡の母とのやり取りを終えたあと早速パソコンのデスクへ向かった


 確かクレスが言ってたな


「元の世界へ戻ったらその世界の人間にこのゲームをプレイしないように伝えて欲しい」


 と

 俺はカードバトルオンラインについて調べる

 掲示板を探す

 すると興味深いスレッドを発見することが出来た


 ”ゲームをしてたら異世界へ迷い込んだんだが”


 このスレ主はどのゲームをやっていたかは明かしてはいないが

 内容を見るにカードバトルオンラインと酷似している

 その異世界の体験とやらも俺と似たようなものだった

 ある人物に助けられて元の世界に戻ったと

 恐らくその人物とはクレスのことなのだろう

 ちなみに現在このスレ主はそのゲームからは離れているようだった


 俺の役目が見えてきた

 これ以上このゲームの被害者を出すわけにはいかない


 俺はカードバトルオンラインのスレッドに書き込みをした


 ”皆、このゲームを今すぐやめろ! 大変なことになる!!”


 そう言った内容だ

 しかし、彼らの反応は


 ”新種の荒しか?”

 ”ゲームをして大変なことになる? ウケルww”


 といったものだった

 誰も俺のメッセージに耳を傾けるものがいなかった


 それよりも俺はブラとクレス、いや、あっちの世界のプレイヤーたちのことが気がかりだった

 彼らは今頃植物状態

 俺はもう一度あっちの世界へ行って彼らにそのことを伝える必要がある


 特にブラは俺と本音をぶつけあった唯一の親友だ

 助けないと!


 しかし、どうやってあの世界へ行く?

 クレスは二度もあっちの世界へ来る人物はいないといった


 俺はしばらく悩んだ

 悩んだ末に考えついた


 




 このゲームをプレイし続けようと

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