第四話「初めの街シャイリア」
俺たちは街に辿りついた
看板には
”ようこそ!のどかな街シャイリアへ”
と書かれていた
「おっほー、ほんとにのどかそうな街だ、アダム、見てまわろうぜ!」
「お、おう」
そういやカードバトルオンラインの詳細について説明してなかったな
カードバトルオンラインは基本的に自由に戦えるモンスターを選べる
つまり初心者が上級のモンスターと戦うことも出来るのだ
まあそんなことしたらすぐにやられるのは目に見えているのでやるやつは相当なマゾヒストぐらいだろう
だから初心者が初めに戦う相手は大体最弱モンスターのスライムになる
カードは4種類選べてレア度1コスト5のというカードがもらえる
戦士、魔術師、盗賊、遊人の4種類だ
どのカードを選んでも大差ないので好みの問題だと思う
モンスターを倒すとガチャが回せる
ガチャの種類は倒せるモンスターごとに変わり
レアの出やすさも引く回数もモンスターの強さに依存する
レアは5段階ある
ちなみにレア度3からレア扱いされる
最高のレア度5は無課金で手に入れることも出来るが
一人では難しい
そこでパーティを組んで乞食をするわけだ
基本このゲームはパーティで戦ったほうが旨い
パーティは最大で7名まで組める
パーティで撃破したからと言ってガチャ数が減ったりレア排出率が下がったりすることはないのだ
ちなみに俺は無課金主義だ
さて、もう少し説明しないといけない部分がある
そう今このゲームには街やフィールドなどというものが存在しない
それと人体コストなんてのも存在しない
それにコストの数がおかしいのだ
普通のカードバトルオンラインはレベル制であり
最初はコストが15でレベルが上がるごとにその制限が和らぐのだが
このゲームでは最初から100もコストがある
人体コスト、モンスターコストどちらもだ
あと前も説明したが”出てよ!モンスター名”と叫ぶ必要もない
リアルでやったらキ・チ・ガ・イだから皆も気をつけろよ
まあ今のところ説明出来るのはこれぐらいか
このまま進んで分かってきたらまた説明する形にしよう
さて、街中を歩いていると早速説明する必要がある部分が出てきた
恐らくこの街の人たちはほとんどがNPCだと推測できる
理由はブラの頭上には名前とHP、MPのゲージがあるが
街の人たちにはそれがないのだ
「らっしゃい、らっしゃいカードはいらんかね」
「おい、アダム、これ見ろよ!」
ブラが指差す方向を見るとそこにはガシャがあった
オジサンが宣伝をしている
「レア3のカードもあるよお」
「オジサンこのガシャ一回いくら?」
「一回100Gだよ」
「そうか、お金溜まったらまた来ます」
「へい、お待ちしているよ」
「そうと決まればアダム!」
ブラの表情が輝かしかった
今すぐにでもこのガシャを引きたいという目をしていた
「ちょっと待てよ、まだこの街で見るところはたくさんあるだろ」
「ああ、そうだったな」
俺たちはこの街のいろんなところを見て回った
武器屋
防具屋
宿屋
ギルドなど
武器屋、防具屋に関しては今のところ説明するところがない
俺たちは無一文なので買う余裕がないからだ
宿屋に関してだがこのゲームの中の俺たちは疲れなかった
もちろんかったるいといった感情はあるが眠くはないのだ
だから宿屋を利用することもないだろう
さて、ギルドについてだが
いろんな依頼が張り出されていた
ちなみに手続きは簡単だ
どんな依頼でも誰でも出来る
依頼の受付嬢さんに
「すいませーんこの依頼受けたいんですけど」
と話しかけるだけだ
つまり依頼によっての制限がないのだ
それは便利なところだろう
だが下手したら無理な依頼を受ける可能性もある
そこら辺も考慮する必要がある
今のところ俺たちに達成できそうな依頼がない
何にしろスライム一匹従えただけの雑魚だからな
「さあ、アダム、早くスライム狩りに行こうぜ!」
「はあ……分かったよ」
また俺たちのスライムを狩る作業が始まる
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