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第三十七話「地獄界への扉」


 前回のあらすじい

 俺たち勇者は世界の平和を守るため

 魔王ヘルフェスを倒すために冒険するのであった


 全然違いますね、はい

 ただ元の世界へ戻るために魔王ヘルフェスを倒すのはホントです


 俺とクレスはそこに辿りつく為にグランガという街中を歩いていた


「今頃君にアナウンスが流れていると思うよ」


 クレスの言う通り俺の頭にアナウンスが流れた


 ”この部屋の路地裏に扉があります、そこが地獄界へと繋がっています”


 なるほど

 しかし、クレスさんそんなことよく知ってんな

 彼も元の世界へ帰りたいのだろうか?


 前に

 

「元の世界へと戻りたいと思う人物にはあるアナウンスが流れてるはずだよ」


 と言っていた

 ということは彼も元の世界へ帰りたいと思っているということだ


「クレスさん」

 

 俺は早速聞いてみることにした


「なんだい?」

「あなたも元の世界へ帰りたいと思ってるんですか?」

「いい質問だね」


 クレスという人物はしばらく考えたあとこう言い放った


「帰りたいと思ってるよ」

「ほお」

「だけどまだ帰るわけにはいかない」

「なんでです?」

「僕にはこの世界で役割があるからね」


 確かに彼にはこの世界でやらなければならないことがたくさんある

 SSSスリーエスの会長だしな


「他に何か聞きたいことはないかい?」

「いえ、以上です」


 この街を歩いているとある程度他のプレイヤーと会うことがあった

 皆、クレスを見ると


「やあ、クレス」


 と話しかけてくる

 クレスはん人気でんなあ


 彼らのステータスもクレスほどでは無いが尋常じゃなかった

 彼らは俺を見て内心思ってるだろうな 


 ”戦闘力たったの5かゴミめ”

 と


 まあそんなことはさておいて

 俺たちは今、路地裏を歩いている


 そうだ

 俺はクレスに言い忘れたことがある


「あのークレスさん」

「何だい?」

「俺とブラは同時にこの世界に来ました」

「ふうむ」

「これもイレギュラーでしょうか?」


 クレスはしばらく考える素振りをしたあとこう言い放った


「イレギュラーだね」

「やはりそうですか?」

「これはブラも言っていたことだけど」


 クレスが話を続ける


「君たちのモンスターはこちらに来たときは元の世界のゲームのモンスターは引き継がれてなかったんだよね?」

「ええ」

「それもイレギュラーだし、君たちの人体コストのステータスが元々1なのもイレギュラーだ」

「へえ」

「まあこれは個人差の問題だね、でもここの世界へ来る人は大抵はモンスターも元の世界から引き継いでいる人が多い」

「なるほど」


 俺たちは完全に初めからやり直すような感じでこの世界に来た

 それをクレスはイレギュラーだと言う

 しかし、あの時は苦労したなあ

 素早さを上げるために浸すら草むしりと石拾いを頑張ってたから

 正直退屈で退屈で仕方なかった


「着いたよ」


 そうこうしている内に地獄界への扉へ辿りついた

 って


「どこにも扉がないですよ?」

「確かこの辺に」


 クレスが壁のある一面を押すとそこが開いた


「これでよしと」

「へえ、こんな場所に扉が」

「入るよ」


 全然気づかなかった

 イメージとしてはドアノブがあって茶色い色した扉があったのだと思った

 しかし、実際は周りの壁と同じ色をしていて

 ドアノブも無く普通じゃ見つからないところにある


「ここ探すの大変だったんだ」


 そりゃさぞかし大変だったでしょうね

 俺は路地裏の全ての壁一面を一生懸命押すクレスの姿を思い浮かべてみた

 うん、可愛い


「それじゃあ、行こうか」


 ここから先は地獄界

 ヘルフェスという魔王

 一体どれだけ強いのだろうか

 クレスは一人で充分だと言っていたが……

 俺は一抹の不安を覚えながらもその先へ進むのだった

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