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第三十二話「疑惑」

 もしかしてだけど~(もしかしてだけど~)

 もしかしてだけど~(もしかしてだけど~)

 君ってクレスっていう人物なんじゃないの~!?


 そういうことだろ(迫真)


 そんな芸人の真似は置いといて


 俺は今、ブラと黄金の鎧に身を包んだ戦士を目の前にしている

 一体何が起こったのだろうか?


 俺は黄金の鎧に身を包んだ男性に近づいた

 近づくごとに彼の正体が分かった

 やはり彼はクレスだ

 彼の頭上にHP、MPとパラメータがあって

 その上に”クレス”という名前で文字が表示されている 

 彼は俺の視線に気がついたのか顔を俺に向けてきた


「おお! もう一人プレイヤーがいたとは……」


 彼は驚いた様子だった


「あのー、魔物たちはどうなったんでしょうか?」


 俺はそんな彼の言葉をよそに疑問をぶつける


「ああ、そのことなら問題ないよ、処理しといたから」


 処理?

 あれだけ大量にいた魔物

 しかも強力だった魔物たちを本の一瞬で処理?

 理解出来ない話だった

 もしかしてこいつが魔物たちをこの街に攻め込ませたのか?

 そうとしか考えられない

 あれだけの魔物を一瞬で処理すると考えれば

 モンスターたちに”戻れ”と命じれば済む話だからだ

 しかし、そうだとしたらいきなり魔物たちを戻す理由が分からない

 何かMPでも消費するような行為でもしていたのか?


「その顔だと信じてない様子だね」


 まずい、内心を覗き込まれてしまったか


「僕のステータスを確認してみてよ」


 俺は言われるがままクレスという人物のステータスを確認する

 

「な!?」


 俺は驚きを隠せなかった

 まず彼の人体コストのステータスだ


 体力1562

 素早さ1373

 攻撃力1212

 精神力864


 人体コスト2348/2418


 尋常じゃない

 まず人体コストの上限が上がっていることに目がいった

 彼はどうやってここまで人体コストを引き上げたのだろうか?

 それとも元々これだけの人体コストがあったのだろうか?


 それだけじゃない

 次は彼のモンスターだ


 レア度6コスト150ルシファーレベル100

 波動砲レア度3コスト5

 ヘルサンダーレア度5コスト10  


 モンスターコスト 165/2418


 レア度6!?

 カードバトルオンラインではレア度5までのモンスターしか存在していなかった

 まさかこの世界ではこんなモンスターまでいたなんて


「ルシファーに魔物たちの処理を済まさせた」


 彼は淡々とそう告げる

 ルシファーの能力を見るにあの魔物たちの処理は簡単だっただろう

 確かに攻めてきた魔物たちは強力だ

 しかし、このルシファーというモンスターは桁違いだった

 ということで辻褄が合ってしまった

 名探偵アダムの敗北だ……


「すいません、少し疑ってしまいました」

「いや、いいんだ、僕の力は常識外れだしね」


 ということで話は終わった

 というのも街の人々が戻ってきてクレスを取り囲み礼を言ってきたからだ


 部外者である俺たちは自然とクレスから引き離される形となった


 彼とはまだ話したいことが山ほどある

 しばらく彼から街の人々が離れるまで待とう


「アダム、ブラ、良かった! 無事だったか」


 アダムス達が戻ってくる


「まさかクレス様に会えるなんてな」


 しかし、皆彼を持ち上げるな

 まあ彼の功績を考えれば当然だけど


 とりあえず彼と話す機会が欲しい

 そう思いつつ俺はクレスを遠目から眺めるのだった 

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