第三話「スライムとの遭遇」
俺たちは地道に草むしりや石拾いをした
幸い草と石はしばらくすると復活するので
足りなくなることはなかった
現在俺の素早さは10だ
これぐらいでやっと普通の人が歩くスピードになった
ただ”瞬足”というカード
買うたびに値段が倍になってくる
9個買ったのだから
1
2
4
8
16
32
64
128
256
512
これだけ見るとすげえ頑張ったなあって思える
しかし、この世界
腹が減ることもなければ
寝る必要もなかった
「なあアダム、そろそろ移動しねえか?」
「確かにもう草むしりと石拾いは飽きたね」
ちなみにブラの素早さも俺と同じ10だ
俺たちはしばらくの間平原を宛も無く歩き続けた
すると
「な!?アダムあれを見ろよ!!」
俺はブラが指差す方向を見る
そこには
・
・
・
・
・
スライムがいた
それと同時にチャット欄に赤い文字が出てきた
アナウンスだ
”HPは体力に依存しています”
”HPが0になると死亡するので気をつけましょう”
”尚、一度死亡すると復活できません”
なんということだ
俺もブラも体力は1
下手にスライムに近づこうもんならやられるだろう
「なあアダム、あのスライムやっつけね?」
「マジでやる気か?」
「ああ、このまま地道に作業しててもつまらんだろう」
「まあ、そうだが」
「石を”投石”というものに変えれば武器として使えるぞ」
「投石?」
「ああ、石は投石にするのに1Gで充分だし値段が倍になることもない」
「そうかあ」
「遠くから投げればスライムに近づかれずに倒すことができるだろう」
「それもそうだな」
俺はかき集めた石を投石に変えた
投石は石という素材と1Gがあれば簡単に変えることができる
「それじゃあ早速スライムに近づくか」
「下手に近づくなよ」
「分かってるよ」
俺がそう言った途端再びアナウンスが流れた
”パーティを組みましょう”
”パーティを組めば倒した敵のガシャを共同で引けます”
「ほう、パーティを組めとな」
「ブラ、早速パーティを組もうぜ」
「オーケー」
俺はブラにパーティ申請のメッセージを送った
ブラはそれを承諾する
「よし、それじゃあ行くぞ!」
俺たちは投石を持ちながら恐る恐るスライムに近づく
スライムも俺たちに気づいたようで近づいてくるが
動きは鈍かった
「よし、今だ!!」
俺とブラは投石をスライムに向かって投げつけた
投石は上手い具合にスライムにぶつかった
4、5発ほど受けた段階でスライムが消滅した
その途端俺の脳内にガシャの画面が出てきた
「ほう、どうやらスライムを上手く倒せたようだな」
「早速ガシャ引こうぜ」
俺たちはガシャを引いた
「何が出た?」
「スライムだレア度1コスト2だ」
「俺も同じだ」
するとまたアナウンスが流れた
”出てきたモンスターをモンスターコストに設定しましょう”
”そして「いでよ!モンスター名」と唱えることでそのモンスターが出現します”
「ほう、面白そうだな」
「やってみようぜ」
俺たちは二人同時に叫んだ
「いでよ!スライム!!」
そうするとスライムが俺の前に出現した
ブラの前にもスライムがいた
「わお」
俺たちはとても驚いた
だって初のモンスター召喚だ
ゲーム内では普通のことだが
リアルに自分で召喚できたモンスターを見たときの興奮は抑えきれなかった
またアナウンスが流れた
”モンスターを戻したいときは「戻れ!モンスター名」で戻せます”
”ちなみにモンスターを戻した後にもう一度召喚してもモンスターのHPに変化がないので注意してください”
「ほう」
ってことはモンスターを戻したら回復するわけではないと言うことか
ちなみにカードバトルオンラインはステージにカードを並べてモンスターと戦うゲームだ
だから平原やら街みたいなものは存在しない
もちろん人体コストなんてのも
本当なら出でよ○○!と叫ぶ必要もないからな
リアルで叫んでたら頭がおかしいとしか言い様がない
さて、俺はスライムをモンスターコストから外して
売り物欄でいくらで売れるか見てみる
「10Gかあ」
やはりスライムは雑魚なので売れるとしてもこんな価値しかない
とりあえずしばらくはこのスライムを育ててみることにしてみる
「アダム、早く進もうぜ!」
「ああ、分かった」
俺たちは平原の中をずっと歩いて行った
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