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第二十九話「魔物の襲撃」

「なあ、アダムううう」

「…………」

「俺のドラゴンとヒュドラ交換しようぜ」

「…………」

「補助カードも付けるからさ! な! な!」


 うぜえ

 超うぜえ

 俺がレア度4コスト16のヒュドラを当ててから

 ブラはずっとこの調子だ

 もう一回言う

 うぜえ


「な! 悪くない取引だと思うけどなあ」

「嫌だ」

「いいじゃねえか」

「嫌だ」

「レベル35のドラゴンとその補助カード黒炎弾との取引だよ」

「嫌だ」

「いい取引だと思うんだけどなあ」

「嫌だ」

「チッ、このドケチが」


 お前には言われたくない

 とりあえず突っぱねておいたらブラがしつこく話しかけてくることはなくなった

 と思ったら


「なあ、アダム、考え直そうぜ」


 またブラが話しかけてきやがった

 しつこいやつだな

 しつこいやつはしまっちゃうおじさんにしまわれちゃえばいい


「だから何度も言ってるだろ! い・や・な・の」

「お前ってどんだけケチなんだよ」


 だからお前には……

 もういい無視するか

 さっきから俺たちのやり取りをアダムスたちが苦笑しながら見ている


「そろそろかな」


 アダムスがそう言った途端街が見えてきた


「ついたあ」


 俺たちは街の中に入る

 街の入口には看板が建っていて

 その看板には”ペットリン”と書いてあった

 恐らくこの街の名前だろう


 辺りはすっかり夜だ

 しかし、あっという間というかなんというか

 やはりこの世界の街同士の距離感がおかしい

 ほんとに気のせいなのだろうか

 俺の体内時間では朝街から外へ出て

 数十分程度で次の街に辿りついた感じだ

 いいやもう、気のせいってことにしておこう


 俺たちは宿を取り

 休息を取った

 勿論、俺はいつもどおり一人でギルドの依頼を受けに行く


 朝


 俺たちは食事を済ませた


「それじゃあ次の街へ」

「ちょっと待って」


 アダムスが手のひらを俺に見せつつそう言い放つ


「この街と言えばやっぱりあれでしょ!」


 アレ?

 とりあえず俺たちはアダムスに付いていった


「ここだよ! ここ!」


 アダムスの視線にはとある店が写し出されている

 その店の看板には”ペット喫茶ワンニャン”と書かれていた

 俺たちはその店に入っていった


「う~~~ワンコ!!」

「はあ……始まったよ、アダムスのアレが」


 エディンは呆れた様子だった


 店内には犬と猫がたくさんいた

 アダムスは犬の頭を

 まるで変態が女性のお尻を撫でるかのように触る

 

 そうかアダムスは犬が好きなのか

 

 これで俺たちパーティの性癖が揃いつつある

 俺はスライム、ミリーユは女装男子

 アダムスは犬

 ブラはミリーユだとして

 エディンは何だろうか? カードだろうか?


 まあ俺も犬や猫は嫌いじゃない

 スライムほど好きでもないが

 まあいい

 少し戯れるか


「ん?」


 店の外が妙に騒がしい

 人々が何かから逃げ惑っているように見える

 何だ? 街のみんなで鬼ごっこでもしてるのか?


 すると一人のオジサンが店のドアを開けて俺たちにこう言い放った


「大変だ! 魔物が攻めてきた!!」

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