第二十六話「デスフェニックス討伐」
俺たちはデスフェニックスを討伐しに火山を歩いていた
「あっちい」
「暑いですね」
皆暑そうだ
しかし、ブラまで暑がっている
俺たちプレイヤーは痛覚というものもない
無論俺は暑さを感じていない
それはブラも同じかと思っていたが
やはりプレイヤーによって個人差があるというのか?
それともブラが演技でもしているというのか?
いや、あの様子だと演技だとは考えにくい
それにわざわざ俺たちに対して演技をする必要性もないしな
このことは後でブラに聞く必要があるだろう
「いた!」
そんなことを考えているとデスフェニックスに遭遇した
体中に火の粉をまとっている
「出でよ!」
俺たちはそれぞれモンスターを呼び出した
「くぎゃおおおおおおおおおお!!」
俺たちのその声に気づいたのか
デスフェニックスは雄叫びをあげた
さて、戦闘の始まりである
デスフェニックスはいきなり空を飛んだ
そう、これだよ
これがこいつの難関の一つだと言われている
ドラゴンの場合地形が洞窟で狭いため飛び回ることができず
地上のモンスターで対処出来るが
こいつの場合地形が火山と屋外なため
空中を飛び回ることが出来る
そして空中から炎弾を放ってくるため
地上のモンスターはそれに対抗できず一方的にやられるというのがオチだった
幸いブラのモンスターには空を飛べるドラゴンが二体いるため
それで対処することになる
「行け! ドラゴン!!」
ブラのその声と同時に二体のドラゴンは空を飛び
デスフェニックスへ黒炎弾を放つ
デスフェニックスは二体のドラゴンに気を取られている様子だ
「すげえ」
アダムスとエディンとミリーユは口をポカーンと開けてその様子を見守っている
俺もその光景を見て感動を覚えた
デスフェニックスとドラゴンの戦い
誰でも見れば感動を覚えるだろう
ブラのドラゴン二体がデスフェニックスを次第に追い詰めていった
「くぎゃおおおおおおおおおおお!!」
デスフェニックスが地面へと落ちていった
チャンスだ
「行け! 俺のモンスター達」
「俺たちも行くぞ! うりゃあああああ!!」
俺たちは地面へと落ちたデスフェニックスをコテンパンにしてやった
デスフェニックスは力尽き木っ端微塵に消え去った
意外に呆気ない
だがそれはブラのモンスターのおかげであるということは嫌でも分かる
「やったぞおおおおお!!」
皆が歓喜の声をあげた
初めてのレア度4のモンスターの討伐
俺も嬉しい
「ブラのモンスターはすげえなあ」
「いやあ、こんなの序の口だよ」
ったく調子乗りやがって
まあいい
こいつのおかげで俺も報酬をもらえるわけだ
文句はない
ギルドサービスの車に乗った帰りの途中
「うわあ!!」
ブラが突然叫び声をあげた
「どうしましたブラさん?」
「アダム、これ見ろよ!」
ミリーユの言葉を無視しブラは手のひらにカードを出現させ
俺に見せてきた
「な!?」
「レア度3コスト10のフェニックスが当たった」
こいつどんだけ運がいいんだ?
それとも俺が運が悪いだけなのか?
だとしたら何故俺は運が悪いんだ?
無課金だからか?
無課金なのがいけないのか?
教えて! 運営さーん
「な!? 本当かよ」
エディンも食いついてきた
そう言えばこいつ、カードコレクターだったな
「本当だよ、エディン」
ブラは自慢げにエディンにカードを見せる
「羨ましいなあ」
エディンはその言葉通り大層羨ましそうにそのカードを眺めた
こうして俺たちの初のレア度4
デスフェニックスの討伐が終わった
最後に一言
俺にもレア運ください




