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第二十話「女装コンテスト」


 現在のステータスを確認しよう

 体力40

 素早さ36

 攻撃力38

 精神力2


 人体コスト100/100


 ベビードラゴンレア度2コスト8レベル41

 ジャーガリアンナイトレア度2コスト6レベル41

 ボーンスカルナイトレア度3コスト7レベル41

 スカルないとリーダーレア度3コスト8レベル41


 モンスターコスト29/100


 あと珍しいカードも紹介しておこう

 鋭い剣

 レア度2コスト4

 攻撃力を10上げる


 コンポジットアーマー

 レア度2コスト4

 体力を5 精神力を2上げる


 ざっとこんな感じだ

 レア度3のモンスターも出たがどれも使い物にならないものばかりなのでいらない

 それにしても人体コストももういっぱいかあ

 まあ別にいいんだけどね

 戦うのはモンスターなわけだし


 ということで一週間過ぎてしまいましたー

 地獄の季節がやってまいります

 そう女装コンテストです 


 コンテスト前日は衣装選びをしていました


「アダムさんにはこれが似合うんじゃないかな」


 とミリーユにゴスロリの衣装を選ばされましたー

 ちなみにブラはブラジャーを選んでいました

 ブラがブラジャー……

 いや、何でもない


 それで今日コンテストの本番を迎えるわけですね

 ミリーユが俺たちにメイクを施します


「わあ、アダムさん可愛い」

「は、はあ」

「鏡の前に立ってみてよ本当に可愛いんだから」


 ということで俺は鏡の前に立ったわけですね

 そうすると何と俺の目の前に美少女が現れたではありませんか


「こ、これが……俺?」

「ええ、そうですよ」


 さすがに驚きましたね

 女装でここまで変わるとは思っていませんでしたから


「へえ、アダムって意外と可愛いんだな」


 ブラがいやらしい目つきで俺を見てくる

 やめろ、俺にそんな趣味はない


 対するブラはというと水着を着ていたわけですよ


「ブラさんも素敵!」

「ウッフン」


 完全になりきってるなこいつ

 ということでコンテストが開催されました


 参加者は100名

 審査員10名ですね


「さあて、やってまいりました第685回ベルミッツェル女装コンテスト」


 司会の人が始まりの挨拶をする


「いやあ前回のコンテストも見もの」


 司会者は長々とどうでもいいことを宣うと


「それでは女装コンテスト、お楽しみください!」


 と言って女装コンテストの幕が上がった


 女装コンテストは二段階の審査に分かれていて

 審査員が誰がいいかを選ぶ

 第一段階で一人の人に複数の札が上がるとその段階でその人は優勝

 ただ100名の中で第一段階で優勝者はなかなか出ないので

 選ばれた10名が第二段階の審査に入る

 

 って何説明してるんだろうな俺

 正直どうでもいい

 こんなコンテスト適当に済まして早く終わらせよ


「一人目は……」


 順番に女装男子たちが舞台の中央の道を歩き皆にアピールする

 俺は27番目だ

 アピール? そんなものするわけがない

 俺にとってどうでもいいコンテストだからな

 ちなみにブラは53番目だ


「そろそろアダムじゃない?」


 ミリーユに促され俺は舞台の上に立つ


「続いては……アダム!」


 司会のその声と同時に俺は俯いたまま舞台の真ん中の道を歩く

 観客席から”かわいい!”という声が聞こえてきた

 俺は特に何もアピールすることなくそのまま舞台を降り

 ミリーユたちがいる観客席まで戻った


「アダムさん良かったですよ!」

「え? 何が?」

「あの恥じらいっぷり! 高ポイントですよ!」

「は、はあ」


 正直何が言いたいのか分からないが

 あれだけ適当に済ませたんだ

 俺が選ばれることはないだろう


「続いては……」


 そしてブラの順番がやってきた

 彼は水着姿で舞台中央の道を進みセクシーポーズをしてみせた

 ブラ、アピールするのは別に構わんがワキ毛見えてんぞ


 女装男子たちが全員出たところで

 審査が始まった

 これでやっと地獄から開放される

 そう思った瞬間


「見て、アダムの札が上がった」

「へ?」


 俺は驚きを隠せなかった

 審査員の一人が俺の名前が書かれた札を上げたのだ


「やはりね、私が見込んだだけのことはあるわ」


 じょ、冗談じゃない

 俺は適当にやっただけなのに……


「綺麗に十名に別れました! さあここからが本番です」


 司会者の声が会場にこだまする


「札が上がった十名の皆さん、舞台上に上がってください」

「さあ、アダムさん、舞台の上に上がって」


 何で俺が……


「さて、第二段階は審査員へ自分をアピールしましょうまずは……」


 左から順番に審査員から選ばれた人たちがアピールする

 俺は頭の中が真っ白だった

 そりゃ選ばれると思っていなかったからだ


「続いては……アダム!」

「ひゃっ!」


 とうとう俺の出番がやってきてしまった

 え? 何? どうアピールすればいいわけ?

 俺は訳が分からなくなりその場でしゃがみ込んでしまった

 なぜか観客席が盛り上がっていた


「さて第二段階のアピールが終わりました」


 やっと終わってくれたか

 俺は確実に落ちたな


「さて、優勝は誰か? 審査員の皆さん札を上げてください」


 司会のその声と同時に10名の審査員たちが札を上げる

 ああ、早く終わらねえかなあ

 俺はそう思っていた


「何と! 優勝者はアダムさんです!」

「へ? へ? へええええええ!?」


 俺が……優勝!?


「他9名の皆さんは舞台を降りてください」


 おい、誰か今の状況を説明してくれ


「さて、アダムさんを選んだ審査員の皆さんに聞きますアダムさんのどこが良かったでしょうか?」


 司会がマイクを審査員の口元に向ける


「恥ずかしがって思わずしゃがみ込む仕草が可愛かった」


 ……


「ということで優勝者はアダムさんです! アダムさんにはトロフィーが授与されます」


 こうして女装コンテストは幕を閉じた


「アダムさん! おめでとう!!」


 皆が俺に祝いの言葉をかける

 正直全然嬉しくない


「もうアダム、お前女になったほうがいいんじゃないか?」


 冗談が過ぎますよアダムスさん

 僕が女になんてなるはずないじゃないですか


「そうね、アダムはしばらくこの姿のままの方がいいわ」


 やめてよ皆して


「チッ! 悔しいが負けを認めるよ」


 ブラ、こんなことで負けを認められても困るよ


 俺は女装コンテストが終了したあとでもこの格好のままでいることを強いられた

 ああ、憂鬱だ

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