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第十六話「エディンの心情」

 

 アダムとブラックドラゴン(通称ブラ)

 最近巷で有名な召喚魔術師だ

 彼らはたった二人だけで依頼をこなして来た


 噂は広がって俺の耳にも届いていた

 俺はリーダーであるアダムスに相談した


「あの二名を俺たちの仲間に引き入れないか」

「あの召喚魔術師をか?」


 最近俺のパーティも何かといざこざがあって人数が減っているところだった


「ああ、俺たちも人手不足だ」

「だが彼らが俺たちの要求を受け入れてくれるとは」

「やってみる価値はある」


 アダムスはしばらく考え込んだ様子だったが

 

「そうか分かった」


 と了承してくれた 


「私も行く!」


 アダムスとミリーユが席を立ち彼らに近づいた

 俺は浸すら彼らが仲間になりますようにと祈りを捧げた

 しばらくするとアダムスとミリーユと共にあの二人の召喚魔術師が俺に近づいてきた


「エディン、新しい仲間が出来たぞ」

「本当か! 召喚魔術を使える仲間が来てくれるとは心強い」


 まさか本当に俺たちの仲間になってくれるとは思わなかった

 彼らには感謝の言葉しか出ない



「どういうことですか?」


 どうやら彼らは気づいていないらしい


「君たち噂になってるよ、召喚魔術を使える二人の戦士がいるって」


 アダムスが説明してくれた


「さて、自己紹介が遅れたな、俺はアダムス、こっちがミリーユ、そしてエディン」

「俺はアダム、こっちは」

「俺はブラックドラゴン、よろしくお願頼むな! ミリーユ」

「は、はあ、よろしくお願いします」


 ブラという人物は分かりやすかった

 これはミリーユに好感を持ってるな

 恐らく彼女にお願いされて仲間になったということが見て取れる

 ミリーユは美人だし、まあ当然だな

 俺のパーティに彼女がいて良かったと思う

 治癒魔法も彼女しか使えないしな


「お前、アダムって言うのか俺と名前が少し似ているな」

「ええ、そうですね」


 アダムスとアダム、少し混同しそうだな 


 こうして彼らが俺たちのパーティに加わった


「さて、一回街の外に出よう」


 まず俺たちは彼らの実力を図ろうとしていた


 街の外へ出て彼らのモンスターを確認した

 アダムのモンスターはいいとしてブラのモンスターは凄かった

 マジックナイトリーダー

 マジックナイトだけでもなかなか強い

 そのリーダー格のモンスターを召喚できるなんてなかなかだと思った


 それが終わると俺たちは早速スカルナイト討伐の依頼を受けた

 そこでブラのモンスターが活躍した

 スカルナイトをバッサバッサと斬り倒す

 その姿は白銀の騎士と呼べるものだった


 ただアダムも負けてはいない

 彼は隠し持ってたのか分からなかったが

 ベビーケルベロス討伐でボーンスカルナイトとスカルナイトリーダーを召喚してきたのだ

 その活躍は目を引くものがあり

 ブラのマジックナイトリーダーにも退けを取らなかった


 だがそこでブラがさらに飛躍を見せることになる

 ドラゴン討伐の時だ

 彼のモンスターは前と比べて凄まじいオーラが出ていた

 それだけじゃない

 衝撃波というものすごい技を使いドラゴンを木っ端微塵にしたのだ

 

 この二人の活躍はすごかった

 これならもっとレベルの高い依頼もこなすことが出来るだろう


 そんな矢先

 

「何があった!?」


 気絶したアダムスがアダムとミリーユによって運ばれてきたのだ


「アダムスさんがブラさんのモンスターに」

「何だと!?」


 アダムスを宿屋のベッドまで運んだあと

 俺たちは三人でテーブルを囲んだ

 アダムは説明してくれた

 理由は些細な喧嘩で街中でモンスターを召喚したというとんでもないことだ


「今回の責任は俺にあります」

「……」

「俺が彼を挑発したのが悪いんです」

「……」

「ミリーユさんは彼を嫌っているかもしれませんが」

「……」

「彼は俺の仲間です」

「……」

「彼を放っておくわけにいきません」

「……」

「俺は彼を探そうと思います」

「……」

「このパーティからは……抜け」

「いいや、抜ける必要はない」

「え?」


 俺は彼らの喧嘩に対しては憤りを覚えている

 だがしかし、アダムの誠心さと

 俺の座右の銘の罪を憎んで人を憎まずという言葉が

 彼らを引き止める結果になった


「ブラを探してこい」

「はい! ありがとうございます!!」


 アダムはブラを探しに走り出していった


「エディンさんいいんですか? ブラさんは……」

「彼らは仲間だ、そうだろう?」

「それは……そうですが……」


 俺たちはアダムの帰りを待っていた


「な!?」


 一時間ほど待っただろうか

 アダムが戻ってきた

 血まみれのブラを抱きかかえて……

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