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第十一話「ベビーケルベロス討伐」


 アダムの……お便りコーナー!!

 パチパチパチパチパチイ

 

 さあやってまいりましたアダムのお便りコーナー

 このコーナーではリスナーの皆さんのカードバトルオンラインについてのあんなことやこんなこと

 疑問に思ったことなどをお便りとして紹介いたします


 それでは早速お便りを紹介していきましょう


 まずは大阪府(仮県)在住のさとし(仮名)さん

 何と彼、社会人なりたてホヤホヤだそうです

 おめでとうございます! 

 ブラのようにはならないでくださいね


 では彼のお便りを拝見します


「第三話の”スライムとの遭遇”で”HPが0になると死亡するので気をつけましょう”とアナウンスが流れましたが、それはプレイヤーに限らずモンスターにも当てはまるのでしょうか?」


 最もな質問です

 さて、答えから先に言いましょう

 答えは……


「分からない……です」


 ちなみにカードバトルオンラインではモンスターが死亡しても戦いが終わると全回復で復活するという仕組みになっています

 ただ、この世界ではどうなるかはまだ分かっていません

 というのもまだこの世界でモンスターを一度も死なせたことがないからです

 それで”分からない”という結論に至りました

 今後そのことも明らかになってくるかもしれませんのでご期待ください!


 さて続いてのお便りです

 埼玉県(仮県)在住のみゆ(仮名)ちゃんから頂きましたー

 なんとみゆちゃん

 五歳の誕生日を迎えたばかりだそうでーす

 おめでとうございます!


 では、みゆちゃんのお便りを拝見していきましょう


「前回アダムさんは”食事を取る必要が無いが食べれないわけではない”と言ってましたが、食べた食事は排泄されますか?」


 なかなか的を得た質問ですね

 答えからいいましょう

 答えは


「NO」


 です

 よ~く考えてみてください

 ここはゲームの世界

 俺とブラたちはプレイヤーでゲームの世界ではキャラクターでしかないわけです

 ゲームの世界のキャラクターが脱糞なんてするでしょうか?

 そうですね、しませんね

 ですがギルドにはトイレが設置してあるのでNPCは脱糞をするものと思われます

 スカトロの皆さん! 良かったですね

 俺とブラの脱糞は見れませんがミリーユちゃんの脱糞は見れますよ!


 さてアダムのお便りコーナー

 これにて終了です

 これからも皆さんのお便りをじゃんじゃん募集します

 お便りくださいねー

 それでは皆さん、アデュー


 という妄想をしながら俺は現在のステータスを確認する

 

 体力22

 素早さ22

 攻撃力16

 精神力15


 人体コスト68/100


 スライムレア度1コスト2レベル31

 ジャーガリアンナイトレア度2コスト6レベル31

 ボーンスカルナイトレア度3コスト7レベル31

 スカルナイトリーダーレア度3コスト8レベル31


 モンスターコスト23/100


 さて、次はこの一夜で手に入れた目星いカードについて


 コンポジットアーマーレア度3コスト3

 体力を5上げる

 

 盗賊リーダーレア度3コスト5

 レアカードだけどコスト5なので育てるか考え中

 まあモンスターが増えることは悪くはない


 さて、朝を迎えた私は宿屋で朝食を取る


「ブラさんあ~ん」

「はいあ~んモグ、うん、美味い、ミリーユちゃんのあ~んのおかげで何百倍も美味しい」

「そう、良かった♥」

 

 二人の仲は順調に進んでるな

 チッリア充め


「そういえばアダム昨日の夜部屋にいなかったね」

「ん? 俺に用でもあったんですか?」

「用と言うほどのことでもなかったけどさ」

「昨日はちょっと外でたそがれていました」

「そうかい」


 俺とアダムスは何げない会話をする

 エディンは終始無言だった


 さて、朝食も終わったところでドラゴン討伐のため俺たちはギルドへ赴く


「すいませんが、この依頼は他のお客様が受諾済みなんですよ」

「そうですか……」


 どうやら今日はドラゴン討伐は出来ないらしい

 残念だ


「それじゃあ今日はこれをやろう」


 ベビーケルベロス討伐

 ベビーケルベロスはレア度3コスト7といったまあまあ強い魔物だ

 今日はそれらの討伐に向かう

 5000Gなので一人1000G分の配分になる


 俺たちはギルドサービスの車でそこまで向かう


「突然どうしたの? ブラ?」

「この寒い雪国では人肌が恋しくってね」

「もう! ブラッたら」


 あのー仲良くなるのは結構なんですが

 場所をわきまえてくれませんかね……


 そうこうしているうちに目的地へと辿りついた

 不気味な森だ

 ここにベビーケルベロスがいるのだろう


「出たぞ!!」


 アダムスの一言に俺たちは周囲を警戒する

 ベビーケルベロスが登場した


「出でよ!!」


 俺たちはそれぞれモンスターを召喚する


「まあ!」


 ミリーユは俺のモンスターを見て驚いている様子だった

 

 俺のボーンスカルナイトとスカルナイトリーダーが大活躍する

 スライムちゃんも負けてはいない

 あの可愛らしいボディーでベビーケルベロスに体当たりする


「ミリーユ、俺のスライムにヒーリングを頼む」

「了解」


 ミリーユは俺の指示を聞いてくれた

 スライムは全快した

 夜の任務でもスライムの体力の消耗が半端なかった

 やはり最弱モンスターであるからだろう

 そろそろこのモンスターで戦うのにも限界があるか

 もういいや、眺めるだけでも充分楽しいし


「依頼達成」


 発信機からロボットのような声がする

 依頼達成だ


「アダムさんのモンスター素敵でした!」


 そう言ってミリーユが俺の元に駆け寄る

 こいつ、今まで俺のモンスターを褒めたことなかったのに

 急にこの態度の変わりようだ

 尻軽女だな


「アダムお前いつの間にあんな強いモンスターを召喚出来るようになったんだ?」


 アダムスとエディンも俺を褒め称える

 やめろよ! 照れくさいじゃないか


 ふと俺はブラのほうに目をやる

 彼は不貞腐れてるような顔をしていた


「なあブラ」

「何だよ」

「お前のモンスターの活躍もすごかったな」

「慰めてるつもりか?」

「いや、そうじゃなくて」

「慰めてるつもりなんだろ!?」

「それは……」

「もういい! ほっといてくれ!!」


 そんな怒ることないじゃないか

 まあいいか

 こいつは切り替え選手権トップ候補だ

 すぐに機嫌も治るさ

 俺たちはギルドサービスの車で雪国ザルガダガナへ向かった


「アダムさん、どうやってあんなに強いモンスターを召喚できるんですか?」


 ミリーユが俺によく話しかけてくる

 正直うっとおしくて仕方がない

 でもそれを表に出すのはまずいので俺は営業スマイルでそれに応えた


 そうこうしているうちにザルガダガナに辿りついた

 俺たちは早速ギルドに赴き報酬を受け取る


「今日はドラゴン退治は出来なかったがこれだけでも充分美味しい報酬だ、今日は祝いでも開こう」

「おう! それいいね」


 俺たちは宿で夕食を取ることになった

 夕食といっても今日は豪勢だ

 アダムスが高い金を払ってくれたのだろう


「アダムさあああん」


 ミリーユが相変わらず俺に話しかける

 そんなことよりも俺には気になることがあった

 

「あれ? ブラの姿がない」

「そう言えばそうですね」

「ちょっと俺呼んでくる」


 俺はブラの部屋に行きノックした


「おーい、ブラいるか?」


 返事がないもう一回ノックして呼びかける

 ……やはり返事がない

 

「もしかして」

 

 大体予想がついた

 あいつは一人でギルドの依頼へ向かったのだ

 きっと強くなってミリーユの目を再び自分の方向へ向かせようとしているのだ

 ってことは俺のせいだな

 ちょっと強くなろうと頑張りすぎた

 今度からは自重するようにしよう


「アダムさん、ブラさんはどうしていますか?」

「とりあえずあいつのことはそっとしておいてやってくれ」

「何かあったんですか?」

「ちょっとな、それより飯を食べよう、冷めちまう」


 俺たちは夕食を済ませた


「さて」


 いつもならギルドへ赴くところだが

 俺は部屋に篭った

 というのも強くなりすぎてしまえばミリーユの目をブラに向かせることは出来ない

 それは避けるべきだと踏んだのだ


「う~ん」


 ダメだつまらん

 俺は外に出た

 当て所無く街中を歩き回る


 たまたま路地裏を発見したのでそこに赴く


「や、やめてください!」

「別にいいだろ? 減るもんじゃないし」


 そこには数名の輩に囲まれた若い女性の姿があった

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