第十話「ゲームの節穴」
朝
現在の俺のステータスを確認しよう
体力16
素早さ20
攻撃力15
精神力13
人体コスト59/100
スライムレア度1コスト2レベル30
ジャーガリアンナイトレア度2コスト6レベル25
ボーンスカルナイトレア度3コスト7レベル25
スカルナイトリーダーレア度3コスト8レベル25
モンスターコスト23/100
特に目星いカードは無かった
でもある程度成長できたことだしよしとしよう
さて、俺たちは次の街へ向かうのだが
残念ながら次の街への移動手段は徒歩しかない
この世界の乗り物と行ったらギルドのあの乗り物ぐらいだ
通常の移動手段が限られてるのだ
移動手段に使えるモンスターもいない
ということで俺たちは徒歩で次の街へ向かうことになった
「次はどんな街なんですか?」
「ああ、ザルガダガナという雪国だ」
何という呼びづらい名前
そう思いつつ俺たちは足を進める
「ミリーユちゃんの治癒魔法頼りになるなあ」
「もう、お世辞はやめてくださいよブラさん」
この二人はすっかり仲良しになった
しかし、ブラのやつニートの癖にコミュ力あるんだなあ
俺だったら女の子にナンパなんて絶対に考えられない
少し嫉妬しちゃう
いいもん! 俺の恋人はスライムちゃんだもん!
草原にはスライムがいたが特に害がないので無視
何かスライムを育成しているからか
敵モンスターであっても愛おしく見える
重症だな、こりゃ
しばらく進んでいくと
「ああ、雪だあ」
雪が降ってきた
急な天候の変わりようだ
ここがゲーム内の世界だからか?
辺りにはホワイトラビットがいた
ホワイトラビットはレア度1コスト3とスライムの次に弱いモンスターだ
このモンスターも特に害がないので無視
「あと少しでザルガダガナに着くよ」
アダムスの言う通り俺たちはザルガダガナについた
思ったより早かった
街中は一面真っ白で雪かきしている人を多く見かける
あと、依頼の難易度も高いからだろうかシャイリアに比べて屈強な冒険者たちが多い
それにしてもこの世界の距離感はどうなってるんだ
街通しは近いのに依頼の目的地にはわざわざ車を用いらなければならない
ゲームの節穴といったところか
「さて、今日はここで宿を取り明日のドラゴン討伐に備えよう」
辺りはすっかり夜だった
何か時間の感覚もあまりよく掴めない
俺の感覚としては朝少し歩いて夜になるようなものだ
これもゲームの節穴か?
それとも人間の心理状況なのか?
俺にはよく分からない
俺たちは宿で夜食を取った
あっちなみに俺とブラは食事も取る必要はないのだが食べれないわけではないし
パーティの仲も深める必要があるため便宜上食卓に参加する
まあ無理にそうする必要があるわけではないが……
「はい、ミリーユちゃんあ~ん」
「もう、ブラさんったら私一人で食べれますって」
惚気やがってリア充が……
俺もスライムちゃんにあ~んってしようかな?
その様を俺は想像する
うん、いくらなんでもそりゃないな
冷静になったところで食事も終了する
あとは寝るだけだが
残念ながら俺とブラのようなプレイヤーは眠くはならない
ブラを誘いに早速狩りに出かけるかとも思ったが
あいつは今夜もミリーユといちゃいちゃするだろうから無視した
そういえばまだ他のプレイヤーに会ったことがない
この世界に飛ばされたのは俺とブラだけなのか?
そう思いつつ今夜も俺は一人ギルドに赴く




