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ボクのやり残した事  作者: ぱらたーぬ
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ボクだってリア充になりたいんだ!

はぁー。またこの時間だ…。飯なににすっかな…。華の金曜日。居酒屋やカラオケにぎわう人々を降りきるように、いつもと同じ時間の電車バス。イヤホンから流れる音楽も特にお気に入りがあるわけじゃないが聞いてないと外の音を聞くのが嫌になる。



今回の主人公、冴えない男、橘一(たちばなはじめ)。親が一番になれるような強い子供になれとつけてくれた。


だけど、実際はふつーの男、成績も運動も普通。ただ、産まれてこのかた彼女は出来たこと無い。言わせんな恥ずかしい。


就職も苦労しなかった。普通なら採用してれる企業があるのだから。中学からのあだ名は「THE平凡」だ。


そんなこんなで26年生きてきた。楽しみ…無い。


場所 平中商事


上司「さ、今年も4月になりましたので健康診断をおこないまーす!」


社員は問診票を手に指定された病院で検査を受ける。もちろん僕は普通だろう。特に太っても痩せてもないんだから。しかし、今回は違った



医師「橘さん。腸に影がありますね。大きい病院で見てもらってくださいね」


影?やばいのそれ?まぁ、悩んでも仕方ないので大きい病院で見てもらうと。


医師「癌です。ステージも高いですね…。寿命も長くありません。動ける間に残りの人生を全うしてください」


え?癌?聞いてないよ。余命?は?意味わかんねーよ!


僕は医師に手術なんかも聞いたけど、ダメだった。手のうちようがないらしい。


終わった…。26年何をしてきたんだろ。女も抱いてない、仕事で成功してない。金?

使いきろうにも使い方わかんない。


とりあえず、働くのがバカらしいと感じた僕は会社を辞めた。治療に専念したいと、出先から田舎の実家へ帰った。


親は泣いてくれた。好きなことしなさいと言ってくれた。弟も兄貴が好きなことやりなよと言う。


やりたいことがない、満たされてる。何もかも、ジュースが飲みたきゃ自販機がある。軽く食べたきゃ牛丼屋さん。スマホで連絡だって。


この満たされた環境がダメなのかな?悶々と考える。意外に自由にやりなさいと言われた方が辛いねなんて考えてた。


そのとき、母が卒業アルバムを持ってきた。小さな頃の僕がいる、THE普通が写ってる。回りは笑顔の耐えないクラスメイト。イケてるグループとイケてないグループがあったなぁとか考える。



「そうだ!俺もイケてるグループに死ぬ前くらい入ってみたい!!!」


よし、僕は決めた。死ぬまでにクラスメイト全員に会うぞ!!と。


そうして僕は、決まった瞬間にあれだけバカにしてたスマホを握っていた。


















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