私が人を嫌いになった理由
ジミネクラハラグロガールが、ジミネクラガールくらいになる話。
初めに嫌いになったのは、小学校の先生だった。お腹を壊してトイレに長居していた私は、戻ってくると、掃除をさぼった罪人として説教を喰らった。おかげで昼休みは全て潰れ、図書館にも行けなかった。そこで待ち合わせていた他のクラスの友達は、裏切り者と称して私から縁を切った。絶交という言葉をその時初めて聞いた。
これでもかという程に嫌いになったのは、中学時代の同級生だった。休み時間に私が、買ったばかりのハードカバー小説を呼んでいると、彼らは唐突に現れてその本を取り上げた。そして徐に音読を始めると、何が面白いのか狂ったように大爆笑し始め、休み時間が終わる頃になって本をくたくたにして私に投げつけたのだ。計っての事か、何故かオチが書かれているページだけが綺麗に破り捨てられていて、やり場のないもどかしさが私の中を満たした。
いよいよ今は、目に入るもの全てが嫌いだ。人間はその中でも一番嫌いだ。どいつもこいつも一人残らず嫌いだ。
高校一年生の内は、親もクラスメイトも、ただの一人ぼっち女、くらいにしか思っていなかったのだろう。誰とも会話しないことに全力を尽くす私を不審がる奴は少なかった。
二年生になった今は、人間不信という言葉を頻繁に投げかけられるようになった。
そういう勘違いをするところも嫌いだ。そもそもこれは不信などではない。嫌悪だ。お前らを信用するとかしないとか、そういう次元に私はいない。吐き気がする程に醜悪なその姿を、ただただ毛嫌いする私の態度の、どこに『信用』という要素を見いだせよう。少しは自分たちの立場を弁えてから口を開いて欲しい。本当に嫌いだ。
桃原ちゃんは実は美人の設定。