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第三話:気になるあの子は非日常かもしれない

第三話

 今の世の中じゃ実に珍しい光景を見かけた。

 夕焼けの河川敷で。

「あんたたち、恥ずかしくないの?一人でこれないの?」

「ああ?」

「んだとぉ?」

 不良に囲まれる一人の女子生徒…男だったら一度は夢見る光景ではないだろうか。

 勿論、関わりたくないなぁという気持ちもあるだろう…しかし、俺は特攻していた。

「まてまてまてーい」

 しかし、河川敷へ下りた俺は既に遅かった。

 既にちぎっては投げられた男子生徒達は川に放り込まれていたのだ。

「まだ残ってたなんて…ふんっ!」

「ちょ、俺は違…アッー」

 掴まれて放り投げられるまで本当に流れるように鮮やかなお手並みでした。

 四月はまだちょっと寒いのよ。

 着水瞬間に考えてたのはそんな事だった。

 不良の方々と一緒に何とか岸辺に這いあがって水を吐く。

「あの女は一体何なんだ」

「しらねぇのかよ」

「俺こっちに転校してきたばっかしなのよん」

 不良というよりはちょっとやんちゃしているような感じの人たちだ。其処まで悪そうな感じはしない…まぁ、男子生徒が数で女子生徒をどうかしようとした時点でアウトだけどな。

「暴君、土谷真登だ」

「暴君ねぇ…」

 何その中学生が付けてそうなあだ名は。

 俺の視線をどうとらえたのか、不良っぽい一人が両手をぶんぶん振り回していた。

「ほ、本当なんだぞ?顔が気に食わないってだけで水面にたたきつけられた男子生徒は数多いし、まずい料理を食べさせたらシェフの顔面に拳を叩きこむんだぜ?」

「まさしく暴君だな」

「この前はおれのクラスのおたっくんがフィギュアの足を折られて泣いてた」

「ふーむ…なるほど。其処まで酷い奴なら数で押せばいいだろ?」

 楽勝だろうに。

「…五十人だ」

「何が?」

「二度と反抗しないようにそれはもう、手ひどい目にあわされた奴らの数。記憶を失って人格崩壊した奴らは半分を超えてる」

「…」

 すみません、暴君ルートは予定外でしたよ。

 今からでも変更は効きますか?


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