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第一話:気になるあの子は○○デレかもしれない

第一話

「付き合って下さい」

 彼女のその言葉に俺の胸が一方的に高鳴っていくのを感じる。そりゃそうだ、何せ成績優秀、品行方正、運動神経抜群に…女神と間違えるほどの優しさと噂のクラスメートに告白されたのだ(注意、この誰だってには彼女持ちは省きます)。

 彼女がおらず、彼氏も当然いない俺に彼女の言葉は魅力的な言葉に聞こえて仕方がなかった。

 ただまぁ、年齢=彼女いない歴と評されている俺は実に疑り深い性格なのだ。

「あれかな、もしかして『今度の教室掃除手伝ってくんね?』みたいなノリなのかな」

 もしくは薙刀部とかそっち方面での突き合ってくんね?かもしれん。

「え?ち、違う。私と、御付き合いしてほしいって意味だよ」

「あ、そなんだ」

 よっしゃと言いたくなる俺と、待て待て世の中甘くないと言う俺がいる。正直言って、待て待てと言いつつ期待の方が大きかったりするわけよ。

「ああ、じゃあ…これ?」

「これって?」

「こほん、誰かからからかうようにお願いされて馬水さんは…馬水雫二年B組クラス委員長殿は俺をからかっているのではないかと…わたしはそう聞きたいのです」

「えっと、それって…駄目って事?」

 俺の質問に別の言葉がぶつけられた。

「私…ちょっと暗い性格だから冬治君とじゃ似合わないかな」

「そ、そういうんじゃないんだ。うん、俺は超嬉しいよ」

「本当?」

「本当本当!いやー、嬉しい。でも、本当に俺でいいの?」

 自分でも言うのもなんだけどさ、俺ってそんなに運動神経いいわけでもないし頭がいいってわけでもない。家が特別お金持ちとか、顔が絶品超イケメン男にだって惚れられちゃうような顔でもない。

「うん、他の人は考えられない…矢光君がいいのならこのまま結婚していいと思ってる」

 そこまで女子に言ってもらえるなんて…俺はこの先、超いい生活を送るに違いない。

 薔薇色のデートが執り行われる事間違いなしでござろう…若干高いテンションで俺は頭を下げた。

「よろしく!」

「こちらこそよろしくお願いします。矢光君…ううん、冬治君」

 照れた様子で名前を読んでくれる馬水さん…くはー、こんな光景一度でいいから見たかった。

 普通に名前で呼んでくれって言っても照れちゃうから無理って言ってたっけ。

「俺も雫さんって呼んでいいかな?」

「う、うん」

 明日からの学園生活、俺は夢を見ながら過ごす事が出来るんだろうさ。


懲りずに始める三部作目。気になるあの子は~かもしれない。もしもみたいな話を続けていくので途中で打ち切っちゃうかもしれない。主人公は矢光冬治君です。冬治君にはまた今回もがんばってもらいましょう…本当に、がんばってもらいたいと思います。

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