殺戮
彼が15歳になったある日のこと。
城の憲兵が孤児院を訪ねてきて子供を皆殺しにしました。
彼らは「子供の人殺しはどいつだ!!」と心の中で叫んでいました。
彼の前に憲兵がやってきて彼の頭を大きな剣で叩き割ろうとしたときおばあさんが憲兵にタックルをしました。
それに腹を立てた憲兵はおばあさんのお腹に大きな剣をなんども、なんども突き刺していきました。
それを見て彼は今まで感じたことのなかったドロドロとした感情が巻き起こりました。
それと同時に憲兵の手が止まりました。
見るとおばあさんから出ている血も空中で止まっています。
何が何だかわからない彼はドロドロとした感情のままに憲兵から大きな剣を奪いわき腹にずぶずぶと突き刺していきました。
人参か何かを刺すときのようにやや硬く、しかし血は一滴も出ませんでした。
彼が、剣を突き抜けるまで差し込むと彼のドロドロした感情は晴れていきました。
それとともに何が起こったのかわからないといった表情で憲兵は倒れていきました。
彼は、おばあさんの心の声をかすかに聞き取りました。
「あなただけでも生きて」
彼はこのまま生きていくかどうか迷った末に生きていくことにしました。