最後の魔法は恋の魔
レオの作品、2作目です☆
今回は短編ですので、お手軽に読んでいただけるかと(笑)
※少し残酷な場面があります。
大抵は魔法&恋のお話ですので
ご安心くださいませ!
☆登場人物☆
ライ・カイラ
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レイ・ユナ
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ラミラ・アン
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ナイル・ココ
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フラ・ルカ先生
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ユナのママ
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「ジュエリーシューット!!!」
シャラリンッ
キレイな音があたしの頭上を過ぎる。
「かぁらぁのーっ!スターシューット!!」
次はキャピンッとはじける音が頭上を過ぎる。
「イッテェッッッ!」
前を見ると、痛いと騒ぎながら頭を抱えてる男子。
「あ。ごめんカイラ」
「おまっっ・・・!反省とか1mmもしてねぇだろ!?」
前でわめいているのは、ライ・カイラ。
「うん、してない♪続いて、フラワーファンタジーッ!」
花びらがふわふわぁぁっっとあたしとカイラの周りを飛ぶ。
まるで生きてるかのように。
ここは、空の国。空の国兼魔法の国だ。
あたしがさっきから言ってるのは、魔法の呪文。
あぁ、えっと自己紹介忘れてたね?
あたしは、レイ・ユナ!
魔法学校で、成績1位キープ中です♪
魔法の国では小学生は魔法学校に通うんだ
大人は地上に降りて人助けをしたり、魔法の料理店を開いたり。
「クシュンッ!俺花は苦手なんだよっ!知ってんだろ!」
「知ってるよ~?だから、わざとやったんじゃないの」
「うわぁっ極悪人だな?!お前?!」
「えぇ、極悪人ですよ?それがどうされました?」
「もういいよっバーカ!それより、学園祭の明日だぜ?!
練習、行くぞ!」
カイラがいらいらしながら言う。
あたしはカイラが好きだ。
カイラは格好良くて皆にもてるから
こうやって、ちょいちょいチョッカイださないと
あたしなんて忘れられてしまいそうなんだよね。
「練習って言っても、あたし魔法で盛りあげるだけよ?」
「だぁら、盛り上げ役も一応参加すんだろ?
明日=今日はリハ!そのぐらい考えろよな、この単細胞め」
「うっさいわねぇっ!どーせ馬鹿ですよっ!カイラの頓珍漢!」
あたしは頬を膨らまして、呪文を唱える。
「スカイシューットっ!」
カイラに向けて指を刺すと
カイラは宙に浮いて、会場まで投げ飛ばす。
あたしもスピードシュートで会場に滑り込む
「いきなり飛ばすなよな!ドアホ!」
「単細胞とか言うからだよーだっっ」
「ほんとうの事を言ったまでだね、はんっ」
ドヤッと顔をするこいつを今すぐにでも
地上にぶっ飛ばしてやりたい・・・
「はぁい、リハーサル、始めますよ~」
「はぁい、ほら、カイラ。いくよ~(笑)」
「なんで笑ってんだよ、うざいわ!」
「うっさわね、はやくいくよっ」
あたしにはこんな会話さえも幸せだった。
あした、この幸せが突然に崩れてしまうなんて
あたしはどんな魔法を使っても、見えないだろうな。
次の日。
学園祭当日っ
ユナ、はりきりまくりですっ!
「服、どうしよっかなっ?!」
あたしは「ファッションチェンジ」を使って
コロコロ服装を変えて迷っていた。
「んー・・・これ?でも、やっぱこれかなぁ・・・?」
最終的に、真っ白の膝丈ワンピースに、ムートンブーツっ
あと、白いフワフワの魔法の杖で完璧っ
「ママ、いってきますっ」
「いってらっしゃい、楽しんできなさいね」
ママは優しい笑顔をあたしに向けて、手を振った。
学園到着。
祭りは大賑わいだった。
「うわぁっファンタジックッッ」
あたしは一人で大盛り上がり。
「なーに一人で盛り上がっちゃってんの?」
カイラがひょっこりと、横から顔を出した。
「うぎゃっ!?ちょっ驚かさないでよねっっ?!」
「お前は一人でぴょんぴょこ跳ねてるからだろ。
ほれ、さっさといくぞ?」
「むぅっわかったよぉっ」
あたしは膨れっ面のまま、カイラは笑いながら会場へとあたしを促した。
「さぁて!今日は本番ですよっ!皆さん、楽しみましょうね?」
フラ・ルカ先生が天使の微笑みのように微笑み
皆も笑みを零しながら、元気よく「はぁい!」と返事する。
「さぁ、もう公演時間になるわっ!ステージに上がってっ」
皆わぁわぁとステージに上がる。
あたしは、カイラを呼び止めた
「カ、カイラ!」
「ん?なに?」
「あ、あのさ、こう公演が終ったらさ?」
「うん?」
「一緒に・・・」
「お祭り廻ってくれないかな?」って言おうとしたら
横から、邪魔が入った
「ねっカイラ?お祭り今日一緒に廻るよね?」
「え?別にいいけど?」
「ッ・・・・」
あたしは思いっきり絶句。
あたしが言おうとしたことを、この学園のアイドル
ラミラ・アンに取られてしまった・・・。
「あぁ、で?ユナ、どうした?」
「い・・・・いやなんでもないの。いいの、気にしないで」
「そう?本当に?」
カイラが心配そうにこっちを見る。
「ほ、ほんとに大丈夫!だから、ステージもう上がるよ!」
あたしは恥ずかしいのと悔しいのとで「スピードシュート」を使って
その場をすぐに離れた。
「ユナ?顔色悪いよ?」
友だちのナイル・ココに聞かれ、あたしはびくっとした。
「い、いや?別に?ちょっと緊張かな?ハハッ・・・」
「そう?無理しないでね?あぁ、そういえば、さっきアンがユナのこと呼んでたけど?」
「そうなの・・・?」
「うん、ステージ裏にきてってさ?」
「そ・・・そっか?わかった」
あたしはノリ気じゃなかったけど、一応ステージ裏に行った。
「アン・・・?」
ステージ裏は薄暗い。
意外と周りはよく見えない。
コツ・・・コツ・・・コツ・・・と
あたしがはいている、ブーツ(衣装の)の音が響く。
「カイラ?あたしの事、好き?」
ふいに、聞こえた声にあたしの心臓は浮き上がった。
「あぁ、大好きだよ・・・。」
「ユナなんて好きじゃ、ないよね?」
「ッ・・・・。好き・・・じゃぁないよ・・・」
あたしなその言葉とともに、頬に涙が伝った。
「じゃぁ、キスして?」
「・・・・。わかった」
薄暗いと思ったから、あたしはその状況を覗いていたんだけど・・・。
薄暗くても、やっている事は見えてしまった
「アン・・・はわざとあたしを呼んだ・・・。?」
あたしはつい、言ってしまった。
アンはニヤリ・・・と笑っていた
カイラは、目を見開いておどおどしている。
「いやっユナ?!これは・・・!」
「カイラ?言い訳とか、しなくて・・・いいんじゃないの?
カイラは・・・アンのことが好き、なんでしょう?・・・
言い訳なんて・・・ッッ」
あたしはそういって、その場を走って逃げた。
「ジュエリーシュートッ」
あたしはジュエリーシュートを唱えて
自分の顔を整えた。
「さぁて、出番よ!いくよぉっっ」
先生が勢いついて言う。
みんなノリノリなのに、あたしとカイラは凄く気まずい雰囲気。
そんななか、アンはカイラにべったり。
あたしの胸はズキズキと痛むだけ・・・。
「ユナ、盛り上げ役の出番よ!!!」
そういわれ、あわてて空に上がる。「スカイハイシュート」
あわててあがってしまったからだと思う。
・・・あたしは初めて魔法失敗で、地面に落ちた。
あまり意識がない中、薄っすらと目を開けると
あたしの周りに人が集まり、赤い色の液体がだらだらと流れていた。
あたし・・・死んじゃうんだね・・・?
そう思ったとき、あたしは誰かに抱きかかえられた
「ユナ?!どうしたんだよ?!何で魔法失敗・・・?!」
カイラの声。抱えてるのもカイラ、なのね?
アハハ・・・あたし、今死掛けなのに嬉しいとか思ってる
でも、それと同時に悔しさもまたあふれ出てきてしまう。
けれど、そんな感情は押し込んでしまう
「カ・・・イ・・・ラ・・・?あた・・・し、い・・・ま
う・・・れ・・・しい・・よ」
そんな文章が必然的に出てきた。
そして
「ハ・・・ッピー・・・シュー・・・ト・・・ッ」
<ハッピーシュート>
幸せを願う、魔法。
さよなら、カイラ。
カイラ・・・
「だい・・・すき・・よ」
最後に力を出して、あたしは微笑む。
あたしの人生の最後の魔法は
幸せの魔法。
恋の魔。
-END-
ご覧くださってありがとうございました(^^)