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2.悪魔の子、誕生(裏)

王歴666年 貴族 フレディ・メタル・デトロイトの日記より抜粋


☆☆☆


先日、預言者が各貴族に言い残した不吉な内容を思い出している。


本日は長女が誕生した喜ばしい日だというのに。

しかし、その長女こそが現在の悩みの種なのだ。


先ほど、生まれたばかりの長女を抱き上げた。妻の先祖にある獣人の血統因子が出たのだろう、縦に開いた瞳孔と刀剣のように輝く銀髪が特徴的な赤子だった。


『君の名前は「シンデレラ」だ』と声をかけた。もちろん、言っている内容が新生児にわかろうはずもない、ただの戯れとしてだ。呼びかけにうっすら目をあける彼女を見て、生まれて初めて見る世界に戸惑い、怖くて泣くだろうと思った。


しかし、彼女は冷静にこちらの顔をじっと観察し、明らかにその後、警戒を解いたように見えた。その後、四肢を1本づつ動かし動きを確認したかと思えば、口から泣き声とは明らかに異なり、しかも言語的な抑揚のある嗄れた音を発した(ヴァドー、ゴゴガ、ッゴオデヅグヮと聞こえた)。


5年前に長男を授かった時の経験から言うと、これは明らかに異常である。気が動転したのもあるのだろう、私は彼女に話かけていた。


「まさかとは思うが、私の言っていること理解してはいないよな」と


すると彼女は顔を赤子の無邪気な笑いとは全く異なる……老獪な貴族が悪だくみするときよりも、さらにおぞましい笑顔を作った。


そして、先ほどよりも明らかに……赤子が出すには不自然すぎるほど長い嗄れ音を発し、ケラケラと笑い出した。


預言の内容はこうだった

「これから6年と66日以内に、この国のどこかに、恐ろしい悪魔が憑依した子供が誕生する、各自、警戒されたし」


貴族社会では簡単に他人に弱みを見せることはできない。この日記に書いているこも、他言することはないだろう。


しかし、この子をこのまま育てていいのだろうか?取り返しのつかないことにならないないだろうか?

杞憂に終わってくれることを願っているが、明日から恐ろしくて仕方がない。

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