13.入学試験 (表)
11歳になった。
この世界の貴族は基本的に12歳になったら王立の学院に入学することになっている。私の場合は来年からだね。そして、そこでのカリキュラムを終えると晴れて一人前の貴族と認められるらしい。
ただ、自動入学ではなく入学試験がある。
成績が悪ければ入学拒否もあるそうだ。逆に、極めて優秀な数名には追加試験があり、その出来によっては飛び級入学もできるらしい。早く一人前になって社会の役に立ちたい気持ちがあるので頑張りたいと思う。
で、そんな私なんだけど、座学試験の成績が良かったらしく早々と合格が決まり、現在は追加試験を受けている最中なのよね。まあ、この身体は物覚えが異様にいいし、中の人年齢はハタチすぎてるから努力したんだと自慢できるほどのことではないんだけれど。思考する内容はおそらく前世と変わってないんだけど、暗記力と思考速度が強化されているのが実に便利でありがたい。父様の遺伝子に感謝しています。
「では、シンデレラさん。貴方が担当するならば、この問題をどう解決するか、お答えください」
試験官さんから質問が飛ぶ。
追加試験は実戦形式で、「今この国にはこんな問題がある」という紙を渡して少し考えさせた後、あなたならどう解決するかプレゼンして下さいと言う物だった。
ちなみに今回の問題はこんな感じだ。
[ドワーフの国との戦争がこちら優位で近く停戦となりそうだ。しかし、賠償金額で折り合いがつかずに物凄くもめそう。沢山欲しいこちらと、今そんなお金はないと言う敵国。さあどうしようか]
さあ、どうしましょう。あ、そうだ、こんな時こそ前世知識を役立てる場面じゃないの。えーと、こんな時は……
「はい、相手の国が今はお金がないというなら、賠償金をローンにして、代わりに金利をとると言うのはどうでしょうか」
「ローン?金利?お恥ずかしながら、初めて聞く言葉ですね……もう具体的な例や数字も交えて、詳しく説明して頂いてもよろしいでしょうか」
ああ、この世界にはローンって概念がないんだった。ちょっと意外、うーん……私も前世学生だったし、全然詳しくなあんだよなぁ。とりあえずテレビでみた住宅ローンの数字なんかを参考に伝えてみよう。まあ、アイデアをみる試験だろうし多少数字は間違ってもいいよね。
⭐︎⭐︎⭐︎
「と、言うわけで相手の国に今お金がなくても、年利4%の20年分割月払いとかなら、払えるとおもうのです。で、利息の分こちらも儲かるので交渉の余地はあるかなとおもいます。あ、向こうが希望すれば繰り上がり返済できる契約にしてあげて欲しいです。あと、文官だけじゃなく相手の王族の方にしっかり説明して、納得済みで合意してもらうのが大切だと思います」
「「「な、なるほど〜」」」
試験官の皆さんが興味深く聞いてくれているようで嬉しい。転生した当初は、前世の知識はチートみたいなものだし自重しようかとも思っていたけれど、今回はいいよね。
良い案が出れば停戦合意の際に活用されるかも知れないといっていたし、頑張って答えたよかった。
お互いウィンーウィンになる合意を目指さないとね。そして争いの火種も少ないに越したことはないのよ、だからトップの王族にしっかり納得してもらうことが大切だとってわけ。契約の際には騙すようなことしちゃいかんしね。ヒューマンとドワーフ、人類種同士、仲良くできることを希望しまーす。
ちなみに後日、飛び級での入学が決まった。
やったね。
本日は一日3話投稿します
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