plume5 神様の気まぐれ
なーんか意味わからん話になってきました。
もう次の話を書きたい気分です。
「新たなる土地雨!!」
叫んだ未鶴の周りの地面がもり上がり、宙高くに浮き上がったかと思うと、優夜に、雨のように降り注いだ。
普通の人間なら避けきれないはずだろう。
が、優夜はそれを易々とくぐり抜けた。
「あぁっ?! 他の能力者だって俺の地の雨は避けきれないはずだぜ?!」
「んー、俺は一足先に未来行ってお前の行動を把握しているからなぁ、なーんてっ」
「この野郎っっ!!」
なおも2人は宙を舞う。
「この世は崩れかけているに等しく。さらに、人々はそれに気づかず」
静かに独特な口調で語り始めた仮面の男。何故教えてくれるのかは、鶉は考えないことにした。
「古よりはるか昔、それに気づかれし神の気まぐれで、一つの聖水が落とされた」
「気まぐれ……?」
苺花は静かに目を閉じてそれを聞いている。
「世界を創り変えるために地上に落とされた天使・『聖なる大樹』と呼ぶ其が少女、苺花・T・スワン・シャルロッテ
「え! 苺花ちゃんが、えっと……つまり、天使……さん……?」
「『聖なる大樹』は世界の歪みを調律できる故、いかなる傷や病気も癒ゆという有無さえ創造せし。しかしそれ故、世界を破滅させることを可能に値する」
「人間や悪魔が欲望のために使わぬよう、聖なる大樹を守るのが、我ら能力者である。其は実に容易く、聖なる大樹が見えるという条件の下になれるが如し。我も、未鶴も、あの時使いも、そなたも」
「あ、あの……大体は分かったんですけど、だったらどうして、あの2人は戦い合っているんですか?」
「……それは、我々は対立関係があるに至るからな」
「対立……?」
「あぁ、そなたらは翼在る者、そして我らは、翼無き者!」
「う……鶉、お姉ちゃん……」
「苺花ちゃん!」
気が付くと、鶉の手をぎゅっと握りしめていた苺花は、いつの間にか彼女の隣から消え、仮面の者の隣で、多彩多様な植物によって捕らえられていたのだ。
「我が名は綾鷹、能力は『永遠の園』。易々と聖なる大樹を我が元に、感謝致そう」
「苺花ちゃんを離しな……ひゃっ!」
鶉も、綾鷹の能力によって身動きが取れなくなっていた。
「おー綾鷹、聖なる大樹ゲットぉ? こっちも片づいたぜ!」
声のした方を見ると、そこには仁王立ちで立っている未鶴、その足下には、優夜がうずくまっていた。
「優兄!」
「このフィールドでは俺の方が有利だって言ったのによぉ」
「未鶴、そやつもだ」
「な、貴方達、こんなコトして、苺花ちゃんを、本当にどうするつもりですか! どうして同じ能力者さん達が戦わなければいけないんですか?!」
――なぁ、母上……なぜ、我ら兄妹が戦い合うのだ……?
「……っぐ……! ……五月蠅い……やはり翼在る者は好かぬ! 綺麗事ばかり……全て絵空事だ!」
「なにを……」
「これから死ぬ者には、全く無意味!!」
「……!!」
大きな威圧感が、鶉を襲う。頭も痛くなってきた、手足も震えている。
恐い……この人達、何か……人とは違う……!
「そっかぁ。まぁ俺は主一筋だし? じゃあな、鶉」
未鶴はかなりあっさりとした反応をする。
鶉に向かって、未鶴の能力である鋭利な岩が、飛んできた。
もう全く意味が分からない。
なぜ自分が殺されなければならない?
優兄を傷つけて、苺花ちゃんを泣かして……。
何かがキレる、音がして。