表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/23

plume15 賢者は志す

野澤   りっくん、怒られたことある?


りっくん 昔私の担任が、高校生の頃にね


野澤   うん


りっくん 校長のイスの下に爆竹を束で仕掛けたらしいよ


野澤   それは……さぞかし楽しかったんだろうね!




「いらっしゃい、 雷音(サンダー)!!」



 雛乃(ひなの)が叫ぶと同時に、曇空広がる天井から雷が降り注ぐ。

 そして、鋭い目つきの雷を纏った猛獣が現れた。

 その際に、床に大きな地割れ。

(アクア)は使えないし、ていうか前私に負けたくせに、よく出てこれたわね?」

「……私の能力が一つだと思うな……フレイムローズクォーツ!!」

「行きなさい! サンダー!」

 グォォ……。

 低音で唸るサンダーは、百獣の王とも呼ばれるその速さで、つばめの放つ炎の渦とぶつかり合う。

 しかしながら、その力は対等であり、両者とも引かない。

 その際に、バスケットゴールが床へ落ちる。

「サンダー、空へ帰れ!」

 雛乃は叫ぶと共に、つばめへと向かっていた。



      私だって……!

 


 彼女はあまり、体術に長けていない。

 だが、こんな時にしか、雷しか使えない彼女には、何か他の強さが欲しかった。

 その、他の強さが在れば、彼女は過去に後悔せずにすんだのだ。

 だが、幼少から鍛錬を怠らないつばめと彼女とでは、その差は歴然としていた。

「きゃああぁぁぁぁぁ!!!」

 つばめの拳が彼女の小柄な身体を突き、

「アクアサードニクス!」

 水の威力も追加され、雛乃の小柄な身体は、壁にたたきつけられた。

 ずぶ濡れ、瀕死状態の彼女は もう起きあがれそうにない。

 が、

 彼女は起きあがった。

 それは、主という者のためなのか。

 それとも、過去の自分を変えたいがためか。


雷華(ヴォルト)ォォ!!」


 その雨は、つばめではなく、雛乃に、放電した。

「いやああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 体中に電気を帯びさせているとはいえ、彼女の負の感情が入り交じった強力な電流は、水を纏う彼女の身体を貫いた。

 そして雛乃は、倒れた。(はじめ)が駆け寄る。

 つばめが言った。

「さぁ、どうする? 翼無き者よ……」

 そんな緊迫した空気の中に、



「ひゃああぁぁぁぁ!! う、うそぉ~……」



 そんな緊迫した空気の中に入ってきたほんわかとした声。

「わ、私の学校がぁ……粉々の……ギタギタに……」

 生徒会長だった。

 高橋花鶏。

 講堂の扉は、大柄な体育の先生などによってこじ開かれ、人だかりが出来ていた。

 そして、鶉があたりを見渡すと、その様子を見ていたつばめ達の目を盗んだのか、一と雛乃はさっきの場には居なかった。

「高橋会長、突っ立ってないで、早く道をあけて!」

「え、えぇ~……そ、奏子(そうこ)、……桜野(さくらの)君、私は何をすれば……」

 しっかり者の女子副会長と、

「保健委員、男子1人に女子2人、すぐに保健室へ運んでくださいね~」

「む、無視?!」

 のんびり屋な男子副会長によってその場の事態は俊敏に収拾される。

 その時、ちょっとした歓声が沸き起こった。

「ちょ、ハル……?!」

「あ、暴れんな水姫(みずき)! お前も血ィ出してんだから、とっとと保室(ほしつ)行くぞ!」

(保室=保健室)

 横抱き、即ちお姫様抱っこ。

 それをキラキラとした目で見ていた生徒会書記は、幼いがあざ笑うかのような口調で言う。

「会長、これじゃぁ学園祭が中止になってしまいますよぉ~? ど~するんですかぁ~?」

「えぇ~?! だ、ダメよ!私の代でお祭りが終わってしまうなんて! 大丈夫よ、もう恐いことは起きないから、小恋(ここ)ちゃん、早く放送をお願い!」

「はいな~」






「せ、先輩!」

「あ、鶫君達」

 担架に乗せられ保健室へ向かう優夜とつばめを見送った鶉の安全を問う唐沢兄弟。

「ね、みーちゃんとハル君凄い綺麗でしたね。お姫様抱っことか憧れます」

「え……だ、だったら、先輩! ぼ、僕……」

「う、鶉ちゃ~ん! やったわ!先生達も学園祭中止には多数の意見だったのに、理事長の一言で一発よ!」

「わぁ、良かったですね、花鶏(あとり)先輩!」

「あら、鶉ちゃんメイド服可愛いわね~。よし……! 今から鶉ちゃんのクラスへ行きましょう! 唐沢君達も、今日はおごってあげるわよ」

「……はい」

 仲良く手を繋いで歩く2人を見つめる兄の肩を、弟は静かに叩いたのであった。

「……がんば……」

 こうして聖桜祭は、何事もなかったかのように、盛大に幕を閉じたのであった。






あ、生徒会メンバーは出したかっただけなんで、特になんも関係ないっす。

あ、りっくんとかは実際普通にいる三次元の人です。

二次元の世界へダイブしたいそうです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ