自称天才は学が無い。
『やぁ、朱音君。おはよう』
「おはよう…あのぉ、何なの?その口調…」
『shh… その質問は禁句だ。その言葉を聞くと脳が急激に萎縮して血の流れが…』
「あぁ!わかった!わかったから、とりあえず落ち着いて…」
何なのこの子… いつもとまるで様子が変わったみたい…
メガネもいつも掛けてないのに掛けてるし…何かずっとキョロキョロしてるし…
そもそも、私この子の先生よね!?教師として何か言い返さないと…
ゴホン…
「ちょっと言葉に気をつけた方が良いんじゃない?
貴方成績は優秀なんだから、変な事しない様にしなさい。」
『朱音君、そう言ってくれるのは嬉しいが余計なお節介だ。そして、
今日から君は私の助手だ。』
「え?」
『簡単に言うと、私という天才の助手をして欲しい。』
「はぁ…嫌と言ったらどうn」
『少し条件を付け加えさせて頂こう、一つ。君に拒否権は無い。』
本当に何なのこの子?放課後にこんな事言ってきて…助手?
保健室に連れて行った方が良いのかも…
『ゴホン…それでは。君に初仕事を任ずる。』
「今度は何?」
『この私としりとりをしろ。』
「しりとり?って、何でしりとり?」
『この天才で在る私としりとりを行う。これは只のしりとりでは無い、
超ハイレベル、最早しりとり世界大会レベルの戦いになるだろう。』
「は、はぁ…」
もうこのノリにも疲れてきちゃったな…
『しりとり』
いきなり!?
「り、り、りんご…」
『ゴッホの向日葵』
それアリなの!?
「えぇ…り、流行語」
『フンッ、良い返しだな。だが甘い。』
『御 座 候』
ご、御座候!?それってあの回転焼きとか大判焼きとかのアレじゃ…
この子、難しそうな言葉だけ並べて意味は何も理解してなさそうね…
「ウルドゥー語」
『ご、五目飯』
「シカゴ」
『なっ!?お主、やりおるな…』
何で武士みたいになってんのよ…
『ま、まぁ…ここら辺にしとこうじゃないか。え、えぇっと…』
何をキョドってんのよ…はぁ…
「言いたいことがあるならしっかり言いなさい!何をそんなに言いたいのか
知らないけどね!キャラとか作ってまでそんな事言いに来るな!」
……
え?あっ…流石に怒りすぎちゃったかな?
『朱音先生、好きです。付き合って下さい』
「え?」
『僕は貴方のことが…あっと…見ちゃっただけで脳が萎縮して、血流が止まるくらい好きなんですよ。
ってこの例えはあんまり良くないか…w』
「え、エエェぇええぇぇええぇえぇぇ!?」
二人しか居ない教室中に、朱音の叫び声がこだました。
面白かったら是非何かして下さい!何でも良いんで!