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32:エルフさんとエルフ次女と炬燵

 晩御飯を食べ終わった私はヘルッタと一緒に和室の炬燵に入ってテレビを見ていた。

 洗い物はリアと都さんがやってくれるので食後のお茶を飲みながらのんびり……と言う訳には行かなかった。


「母上、あの中で人が動いている板は何でしょうか?」


 普段は男っぽい話し方をするヘルッタだが、私と夫の前では何故か敬語なのよね。

 一昔前なら箱と言ったんだろうけど、ちゃんと我が家のテレビは地デジ対応の薄型液晶になっている。

 ブラウン管って、重いのよね……。


「あれはテレビよ。何て言ったら分かりやすいかしら?遠くの光景を映す魔道具みたいな物ね。今は演劇がやっているわ」


 今日のこの時間はサスペンスドラマがやっている。

 科捜研の女性研究員が主人公のドラマで彼此十五年以上続いている定番サスペンスである。

 刑事物みたいな派手さは無いけど、地道に証拠を分析して事件に迫っていくのは中々見応えがあって欠かさず見ている。


「遠くの光景ですか……。あれが演劇なのですか?」


 ヘルッタは食い入る様にテレビを見ながら質問した。

 向こうで演劇と言ったら舞台でやる様な物しか無いからテレビドラマはリアル過ぎて事件の現場を覗いている様な雰囲気なのかしら?


「どう説明しようかしら?」


 そんな時、ふとスマホが目に入った。

 そう言えば動画が撮れる事を失念していた。

 普段、写真しか撮らないから忘れるのよね。

 私は炬燵の上に置いてあるスマホを手に取る。


「ヘルッタ、ちょっとこっち見ててね」


「はい」


 私はヘルッタをスマホで撮影する。


「ちょっと簡単だけど、これを使うと風景を取る事が出来るのよ」


 私はヘルッタに先程撮ったヘルッタが映った動画を見せる。


「私が映ってる!?え、動いてる!?何で!?」


 ヘルッタは初めての動画に私のスマホを色んな角度にしながら見た。

 角度を変えても何も変わらないんだけど、そんな事は知らないのだから仕方が無い。


「これをもっとリアルに物語仕立てで撮影したのがドラマなのよ」


 私はひょいっとスマホをヘルッタから回収する。

 少し名残惜しそうな顔をしているが気にしない。


「あれで作られてるのか……凄い……」


 実際は違うけど、無理に説明してもこんがらがるだけなのでやめておこう。


「それにしてもこのコタツですか?寒い日には温かくて良いですね」


 ヘルッタは両手を炬燵に入れながら少し猫背気味に堪能していた。

 寒い日の炬燵はやめられないわよね。

 足下からぬくぬくになる感じは癖になる。

 因みに我が家の炬燵は掘り炬燵になっていて椅子に座っている感じで入るので、他の入っている人と足がぶつかる事は無い。

 実は向こうで作ろうと思ったけど、火の魔法の適正が無いから作れなかったのよね。


「これは向こうでも作れそうだな……私が火の魔石を準備してリューディアが加工すれば……。帰ったら作って自分の部屋に置こう」


 ヘルッタが一人ぶつぶつと呟いた内容が耳に留まった。


「ヘルッタって、火の魔法の適正あったの?」


「え、あ、はい。私は無理ですが、同僚に火の魔法の扱いが起用な奴がいるので。それにリューディアに火の適正があるので」


 なるほど、同僚ね。

 と言うか孫のリューディアに火の適正があるなんて初耳よ!?


「え、リューディアって、火の適正があるの?」


「はい。そう言えば母上はリューディアが学院に入る前に引っ越されたのでしたね。実は学院に入ってから火の適正も開花したんです。かなり珍しい事みたいですが」


 私の記憶だと風の魔法の適正しか無いと思ってた。

 私に似ると風、水になるし、エルクは風でお嫁のビアンカさんは水だから火の適正が出るのは意外ね。

 ヘルッタは夫に似て土の適正だったりする。

 小さい時は風が良いと言って夫を凹ませていたのは懐かしい。


「そうすると向こうで炬燵が作れるのね?」


「恐らく問題無いと。ほんのり温かい程度なら安価な魔石で充分なので作るのは難しくは無いと思います。コタツが部屋にあったら冬は家に引き篭もるかも……」


「分かるわ……」


 ヘルッタと私はしみじみと炬燵のありがたさを感じながら言った。


「向こうはそんなに寒いのか?」


 そんな私とヘルッタのやり取りを聞いて旦那は少し向こうの気候が気になった様だ。


「特に王都の冬は寒いのよ。日本の京都みたいな物と思ってくれると早いかしら?冬は床から冷えるのよね」


 向こうも四季があって春夏秋冬、色々と季節が巡って良いんだけど、王都の冬は本当に寒い。


「はい。寝る前は暖炉に火があるので暖かいのですが、寝る時には暖炉を消すので朝起きると部屋が冷え切っていて……」


 それに加えて屋敷は部屋の一つ一つが広いから温まるのは遅い上に冷えるのは早いのだ。

 正直、屋敷の真ん中の五畳程の物置を自分の部屋に変えたいぐらいである。

 実際、やろうとしたら使用人達から止められたけど。


「ヘルッタの部屋はまだ良いじゃない。私の部屋なんか夫と一緒の部屋だから広いから大変なのよ」


 ヘルッタの部屋は十畳程しか無い部屋なのでまだマシなのよね。

 私の部屋は三十畳もあって広すぎて辛いぐらいだ。

 本当は十畳程の部屋にしようとしたら当主がそんな狭い部屋で寝るのは沽券に関わるとか使用人が言い始めて結局、無駄に広い部屋になったのよね。

 王都から引っ越す時に息子のエルクにその部屋を使う様にと言ったんだけど、未だにそのまま私の部屋となっている。

 これは旦那と過ごした部屋だから気を遣ってくれての事だから何も言えない。


「そう言えば花梨奈は向こうだと貴族だったな。その屋敷はどのぐらいの大きさがあるんだ?」


 やっぱり気になるわよね。

 屋敷はかなり大きい。

 王都の中でもトップクラスに大きいし、土地も馬車鉄道の駅の前で城まで馬車で五分と言う高物件。

 都庁の直ぐ傍に大きな屋敷がある様な物である。


「こっちだとあれかしら。旧県庁のしいのき迎賓館をもう気持ち大きくしたぐらいね」


 私の言葉に旦那も驚きを隠せない様だ。

 実はあの土地は国から下賜された土地だったりする。

 元々は曰くつきの土地で私が後始末したけど、誰も住みたくないから下賜してしまえ的な話だ。

 何とも貧乏籤を引いた物である。

 爵位を貰ったのに忙しいからと言って王都のアパートに住んでいた私にも原因がある。


 実は侯爵位を貰って一年はアパート暮らしだったりする。

 そもそも大きい屋敷はいらないと思っていたから個人的には都合が良かったけど周りはそうで無かった。

 まぁ、アパート暮らしの貧乏侯爵、成り上がりの野蛮人等、色々言われていたのよね。

 私は全く気にしなかったけど。


 それに業を煮やした当時の宰相が適当な手柄に土地を押し付けたのだ。

 更に勅命で屋敷を建てろ、と言う何とも職権乱用な命令で屋敷を建てさせるとかね。

 勢い余ってこれでもかと言わんばかりに大きい屋敷を建ててやった。

 はっきり言ってあんな大きい屋敷はいらなかった、と今では後悔している。

 色んな事があってお金には困ってなかったのでそれだけ大きな屋敷を建ててもお財布は痛く無かったりする。


「我が家は王都で一番、大きいですから……」


 ん、何かヘルッタが聞き逃せない台詞を言ったわよ。


「何で王都でウチが一番なのよ?他の馬鹿貴族で大きい屋敷があったでしょ?」


 私が知っている限りでは他にも大きい屋敷を持っている貴族はいた筈である。


「母上は余り王都の情勢を知らないのであれですが、その馬鹿貴族共は不正で没落してしまって屋敷が取り壊されてしまったのですよ。いつの間にか我が家は王都で一番大きい屋敷となってしまいまして……」


 孫には会いたいけど、自宅なのに帰りたくない気分になってきた。


「それに加えて立地的に目立つ場所にあるので余計に……」


「そんなに良い場所なのか?」


「はい。馬車鉄道の駅のまん前で王城まで馬車で五分と言う最高の立地です」


 今直ぐそんな面倒な一番は返上したい。


「と言うか何で私の屋敷より大きい屋敷を建てないのよ」


 馬鹿貴族なら腐る程いるし、部族長達だってお金に物を言わせて大きい屋敷を建てるなんて造作も無いじゃない。


「それは母上と兄上を恐れて……」


 ヘルッタの声が段々と小さくなっていく。


「ん、何かやらかしたのか?」


 鋭く聞いてくる旦那に私は思わず目を逸らしてしまった。

 条件反射みたいな物である。

 ヘルッタは喋って良いか分からず困った様な顔をしている。


「良いわよ。言っても」


 自分からは言う気にはなれない。


「……まず兄上なのですが、この国で宰相の地位にいるのですが、かなりの辣腕でして……周囲からは冷血宰相なんて呼ばれるぐらいでして……」


「エルクは周りくどいのよ。こう乗り込んでガツン、とやれば終わりじゃない」


 裏から手を回すなんて面倒なのよ。


「つまり表から実力行使で来る花梨奈と裏で手を回してくる息子の二人に周りが恐れをなしていると言う事か?」


「その通りです」


 情けないわね。

 我が家ぐらい蹴落とすぐらいの気概ぐらい見せても良いと思うけど。


「母上が吹き飛ばした山を見る度に当時を知っている貴族達は震えがこみ上げてくると……」


 凄く消したい黒歴史ね。

 あれははっきり言って半分は私の所為では無いと言いたい。


「花梨奈……どうやったら山なんか吹き飛ばせるんだ?」


 旦那も呆れ果てた様な声を出す。


「あれは私もあんな事になるなんて思っても無かったのよ。当時は戦争中で私も結構、有名な冒険者だったから夫を守る為に戦線に出たのよ。空からの部隊を迎撃しようと思って魔力の矢を全力で放ったら山の上半分が吹き飛んじゃったのよ」


 しれっと言い訳がましく言う私に言葉も出ない二人。


「そもそも私の弓は二つあって精霊銀で作った愛用の弓と転生する時にリアから貰った弓なんだけど、愛用の弓は普通に矢を番えて射るから普通の物ね。問題はリアから貰った弓」


 そう、これが大問題児なのだ。


「こっちの弓は使い手の魔力を増幅して矢にして放つのよ。仁君に分かりやすく言うとアニメのビームみたいな物が出る弓と思ってくれれば早いかも」


 私の例えにイメージが浮かんだのかコクコクと頷く。


「何度か魔物退治に使ったんだけど威力が過剰なのよ。ヘルッタなら分かると思うけど、たった一発でストラトエイビスに風穴を開けるのよ。少し魔力を込めるだけで」


 ヘルッタはブンブンと首を横に振った。


「そんな馬鹿げた威力の魔力弓なんて普通、有り得ない!私なんか何回も魔力を込めた剣でやっと両断出来るのに……」


 と言うか一人であれを倒せるだけ充分、ヘルッタも強いと思うけどね。


「それはどんな敵なんだ?」


 旦那は流石に魔物は分からない。


「ストラトエイビスって、言うのは大きさはキリンの高さ程ある鉄の様な頑丈な鱗で覆われた竜ね。鉄竜なんて呼ばれる事もあるんだけど、鱗が硬くて厄介なのよ」


 旦那はふむふむと聞いているが理解するのは難しいだろう。


「あの戦争の時はリミッターを解除して魔力を全力で込めて撃ったのよ。戦争で街に被害が出たら嫌だから。そしたらあの結果よ」


 はっきり言ってあの威力はどんな魔法より破壊力があると思う。

 と言うか弓じゃなくてロボットアニメのビーム兵器である。

 こんな話をしていると私的に一番の主犯格がやってきた。


「洗い物終わりました……何かお二人とも微妙な表情をされていますが、何かあったのですか?」


 話の流れを知らないリアは旦那とヘルッタの様子を見て首を傾げた。


「洗い物ありがとう。リア、少し聞きたい事があるんだけど良いかしら?」


 この際、あの弓の事を聞いておこう。


「はい。何でしょうか?」


「転生した時に貰ったあの弓、あれは何なの?」


「あー、あれですか。あれは昔見ていたアニメで波動砲みたいなのが出る弓があったのでそれを真似て作ったんですよ。あれがあればどんな敵だって一掃出来るから花梨奈を守るにはちょうど良いと思って」


 そんな軽いノリで作られた武器だったのね。

 ちょっと敵国には申し訳無い気持ちになってきたわ。


「本当は魔力を倍にする筈が何故か累乗される様になっていたのは誤算でした。あの戦争の時、私も威力を見て驚きました」


 しれっと涼しい顔で言わないで欲しい。

 倍と累乗は全然違う。

 それにあの戦争を見ていたのね。

 まぁ、よく話しかけてくるからそれもそうか。


「あれ、皆さんどうしたのですか?」


 うん、あれだ。

 神様は人の心が分からない。

 気分はそんな感じだ。


「ちょっと知りたくない事実を知った感じね……」


 聞かない方が良かったかも。

 あんな軽いノリで作られた武器で相手を殲滅していたと考えると辛い。


「逸話は逸話のままで真実は知らない方が良いと言うのを身を持って知った……」


 まぁ、逸話と言えば逸話なのかしら?


「大丈夫だ、花梨奈が破天荒は今に始まった事じゃない」


「……そうですね」


 何故か旦那とヘルッタが何か共感する物があったのか一緒に頷きあう。

 それ以前に私はそんなに破天荒では無いと思うけど。


「母上が何かやらかしそうになったら私が止めます」


「すまんが、頼む。無茶をすると何を仕出かすか分からんからな」


「任せて下さい」


 ヘルッタは旦那に肩を叩かれて力強く拳を握る。

 何か私だけ取り残された気分ね。

 でもヘルッタと旦那が打ち溶け合っているのは良いわ。


「リア、もうあんな兵器作らないで。使う方は気が気で無いわ」


 あの弓はあれ以降使ってない。

 怖くて使えないのだ。


「すみません。流石に私もあれはちょっとやり過ぎたと反省しています」


 リアは少し肩を落とした。

 あれを見ていたならあの弓が如何に世界に影響を与える兵器か分かるだろう。


「そう言えば母上、一つ相談があるのですが……」


 ヘルッタが改まって私に聞いてきた。

 一体、何だろうか?


「どうしたのかしら?」


「実は先程から話していて気が付いたのですが。仁様を普段はなんと呼んだら良いかと思いまして……」


「確かに……お父さん、は難易度が高いわよね」


 私は複雑な表情でヘルッタの言いたい事が分かった。

 夫の事を父と思っているからお父さんとは呼べない。

 だからと言って名前で呼ぶのも抵抗があるのだろう。


「確かにな」


 敢えて口には出さないけど世間体を考えても拙いわね。

 この年で外人の子供がいましたとか。

 まぁ、書類上は私も旦那の子共扱いなんだけど。


「微妙に違いますが、シンプルに伯父さんでどうでしょうか?親戚でなくてもおじさんと呼びますから曖昧な感じでちょうど良いのでは?」


 リアが一つ案を出す。

 伯父さんは悪く無いわね。

 拡大解釈すれば旦那も夫も義理の兄弟関係になるのかしら?

 一夫多妻はあるけど一妻多夫って無いからよく分からないわね。


「伯父上ですか……。確かにそれだと抵抗感は無い上に関係性もちょうど良さそうに思います」


 ヘルッタが呼びやすいなら私は問題無し。


「儂は任せるよ。無理に父と呼ばせるつもりも無いしな」


 呼ばれたら呼ばれたで嬉しいのだろうけどね。


「そっれでは叔父上と呼ばせて頂きます。よくよく考えたら父上も母上も兄弟がいないから伯父さんは初めてですね」


 一応、向こうに私の兄弟姉妹はいるんだけど、全く縁が無いからね。

 そもそも私が向こうに行くつもりが無いからなんだけど。

 身近に親戚がいないのはちょっと申し訳無い気持ちになるわね。


「本当は兄弟がいるんだけど、ちょっと私の事情でごめんなさいね」


「そう言うつもりでは……。父上から少しは事情を聞いているので……」


 夫はヘルッタに私の全てを話してはいない。

 私が元々はエルフの国の出身で出奔した身であると言う事だけだ。

 エルフの国の第一王女だったとは教えていない。

 一応、跡継ぎのエルクには教えてはいるが、誰にも話さない様に言い含めてある。

 エルフの国へ行けば間違いなく問題になる血筋だからだ。

 そう言うややこしい事情はヘルッタには厳しいと思って敢えて伝えていない。

 その方が気楽に生きられるから。


「私の出自の事はそんなに気にしなくて良いわよ。でも仁君とヘルッタが仲良く出来て良かったわ」


 私は二人を見ながら言う。


「そうだな。父親が違うとは言え花梨奈の娘なら可愛い物だ」


「話している内に意外と大丈夫だなと思ったので……。それに何となくですが、お互いに分かり合える所があったからかも」


「確かにな。まぁ、ここが自分の家だと思ってのんびりしなさい。みんなヘルッタを家族の様に思っているから」


 そうなのよね。

 旦那の言う通りで輝もあっさりヘルッタを受け入れてくれたのよね。

 それにリビングから虎視眈々とヘルッタとどのタイミングで一緒に遊ぼうか声を掛けようと狙っている孫もいるし。

 やっぱ私と見て目が似てるからかしら?


 そんな事を思っているとヘルッタは旦那と仲良くテレビについて聞き始めた。

 何となくだけどヘルッタは我が家で上手くやっていけそうだ。



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