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ぷろろーぐ

十分で書いてみた。

世界は、風前の灯火であった。

「卑怯者め!卑怯者めぇ!」

魔界から、魔王が突如攻め込んで来たのである。

………二十万もの魑魅魍魎を引き連れて。

「おのれ!よくもこんな卑劣な真似を!!」

各所より上がる恨み節。

「恥というものを知らぬのかヤツラは!?」

虚しく闇夜に響く。

そのただ中で男が一枚の紙を手に、立ち尽くしている。


『お前の妻と娘は預かった』


同封された写真には、まごうこと無き、愛しき家族の姿。


男の体から血の気が引く。


『無事に返して欲しくば…』


紙…いや、脅迫状を手に、男はブルブル震える。

写真の中の二人は猿ぐつわを噛まされ、手足をぐるぐる巻きに封じられている。

『即刻、軍勢を退却させろ。

さもなくば………』


魔王オニャンコポン、四十二歳、厄年。


『二人の命は無い、と思え

             勇者より、魔王へ』


「それでも勇者かこの人でなしめええぇぇ!!」


『PS ついでに、お前の領土を半分よこせ。

    女の子がいる方を半分な』

この先は完全に白紙。

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