表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

影と陽

その夜、怜央は昨日と同じく中隊室にいた。

ただ、昨日とは違い、話というか説教を聞いていただけだった。

その間、僕は泉が領元を蹴った後、1人で走っているシーンをずっと頭の中に浮かべていた。

でも、取り押さえられた後の、あの表情を思い出す事は出来なかった。決して。

「分かったか?」

「はい。このようなことはもうしません。」

「なら下がってもよい。」

「一ノ瀬。」泉の足音が聞こえなくなると、突然一条が言った。

「はい。何でしょうか?」

「この件どう思う?」

「領元中尉も自分の感情を抑えれなかったのは悪いとは思いますが、本人も反省していますし、

あんなことを言われたなら自分も何をするか分かりません。」

「泉君は?君の班の副班長つまり部下だぞ」

怜央は、泉の表情を見た時の感情を伝え、最後にこう伝えた

「あいつは、人の感情が分かっていません。一度精神科に行ったほうがよいと思いました。」

「まだ様子見の段階ではないか?少し急ぎすぎであろう。」

「先ほど初めて虫唾が走ったと言いましたが、僕も今思い出しましたですけど、前1度だけあの表情を、見たことがあるんです。そいつは、もうこの世にはいないですけど。」

そう言うと怜央は足早に、部屋を出て行った。

息をするのも苦しかった。



その夜、怜央は、寝れなかった。

泉が領元を蹴った後、1人で走っているシーンが頭をずっとよぎる。

そして相変わらず、取り押さえられた後の、あの表情を思い出す事は出来なかった。

変わりに、ある男の顔が目に浮かぶ。鮮明に。



同じ時、一条は堂林と話しをしていた。

「一ノ瀬は悲劇の50期生だったのか。」

「はい。その一ノ瀬の反応からも、泉は精神科に行かせるべきですよね。」

「だな。他にお前の隊に50期生は居るか?」

「1班の初本中尉だけです。ハンモックナンバーは564番。影の番号は213番です。」

「分かった。」

「泉は最低でも半年は戻ってこないようにしよう。」

「上には、一ノ瀬君の話をいれて伝えておく。そしたら、もっと長くなるかもしれないな。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ