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―第4話 疑惑―

――――

アルヴィナがアルマを出て数日間が経った。


相変わらず魔物が襲ってくるが、できるだけ生かすようにしていた。

気絶のさせ方もだいぶ掴め、魔物が何かしらいいアイテムを着けているのに気づけた。



「魔物ってけっこういいもの持ってるなー。とくにアタシの村の近くにいない魔物や新種の魔物はレアなものばっか♪」



魔物からも盗むのかよ…



「黙れ」



…うぃーす



「Σウザッ」



なんてしていると、目的地である港街・ネレイスに着いた。


ここはアルマと同じく賑やかだが、街の大きさはアルマの倍だろう。


いたるところに水路があり、港には客船や漁船が並んでいる。


今は朝なので市場が賑やかだ。



「ここは初めてきたなぁ…。長老の話通りの賑やかさね。

安い船さーがそっ」



アルヴィナがこの街に来た理由は《軍国・レギュレイシャン》通称〈レイシャン〉に向かう為だ。


アルヴィナが行う長老からの仕事のためだ。



『軍国・レギュレイシャンにはのぉ…、今ひどい犯罪集団がおるのじゃ。

ヤツらの名は《モーモス》。

儂に通じてお前さんに依頼じゃ。《モーモス》によって盗まれた《ヘスベリデスの眼》と呼ばれる石を盗み出して欲しい……

あれは儂の友人の宝じゃ。友人はヤツらに挑み、散ってしまったがのぅ。

じゃが、その友人の弟子がヤツらを追っておる…。

その弟子や友人の為に、盗み、弟子に返してやって欲しい…


ちなみに、《モーモス》はお前さんの両親の……―』



「…私の父さんと母さんの仇……」



ずっと追ってきた自分の敵。


…………シリアスに入る気ないから飛ばしてい?



「Σざけんなックソナレータアァァッ!!」



……

道行く人が叫ぶアルヴィナに注目してるよー


他人のフリ他人のフリ



「ナレーターに他人のフリもないでしょっΣ!!」



とりあえずアルヴィナはレギュレイシャン行きの安い船を探した。


え?飛ばしてる?


気にしたら負けさっ☆



「(Σうぜぇぇっ…!!)」



早くもキャラ崩壊なアルヴィナは昼にようやくレイシャン行きの船を見つけた。


最近レギュレイシャンとマァネジャによる冷戦のせいでなかなか渡れないらしい。


アルヴィナが乗る船は、たまたまレイシャンに向かう客船だ。


それなりの広さもあり、船の中では食事もできる。


ちなみにこの世界の通貨は万国共通で《V》(ヴェリエ)と言う。


まあ、一円が1Vといった感じだ。


間違っても1ボルトとは読まないように。


客船に乗り込み、アルヴィナは甲板にでていた。


海を見るのは幼い頃以来だからだ。



「んーっ!気持ちー!

海も綺麗ねー。山もいいけど」



海鳥たちが船を追う姿に和みつつ、アルヴィナは地図を広げる。


レギュレイシャンの地図だ。

レギュレイシャンに入るには自分のことを証明できるものが必要だ。


アルヴィナは長老からもらったエンブレムがある。


村々ではそれぞれエンブレムの型が違う。

星やら生き物、植物やら武器など、様々だ。


アルヴィナの出身の村は《ひまわり》

『輝き』を花言葉としてもつこの花の紋章はアルヴィナのいた村そのものだ。



「レイシャンは行ったことないしなー。ま、なんとかなるでしょ!」


意気込み、中に再び入った。


半日経った頃、ようやくレギュレイシャンの南東部にある港街・カルナに着いた。


夕暮れ時のため、今までの街の中では静かな街だ。


アルヴィナはできるだけ安い宿を探した。

できるだけ旅費の消費は最小限にしたい。



「なかなかないわね。

野宿にした方がいいかもな。

はぁ…屋根のあるところで寝たかったけど仕方ないか」



そう考え、町の外に向かった。


・・・数十分後



「屋根のあるところで寝たいとは言ったけど……

何で牢屋なのよΣ!!」

「煩いぞ盗人!」


厳つい軍人に怒られた。

こうなった経緯を説明しよう。


町の外に出た→軍が待機している→一人の軍人が「あいつだ!」と叫ぶ→訳わからないまま拘束→訳分からないまま連行→牢屋に入れられ→そして現在


ってこと〜☆



「なにが『ってこと〜☆』よ!!てか思いっきり手抜き!?」

「煩いと言っているだろう!!」



…怒られたよアルヴィナ



「(アンタのせいでしょ…!!…てか、何でアタシ捕まったの…!?)」



アルヴィナは額に手を当てた。


確かに盗賊をやってはいるが、それは山賊たちに、だ。

軍が動くような盗みはひとつもしていない。


アルヴィナは、わけの分からないまま牢屋で一晩明かした。





―この出来事は、もう一つの歯車がかみ合う準備段階。彼女が現れるまであと少し―

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