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大学1年生、夕暮れコートで恋をした(桐野咲)

女子大学生:咲の恋愛模様

 愛知県長久手市。大学のテニスコートに、夕方の光が伸びていた。


 まだ五月の風は心地よく、練習を終えた身体は汗ばんでいて、胸の鼓動も落ち着かない。


「……また、やりすぎちゃった」


 大きくため息をついたのは桐野咲、大学一年生。高校では三年間テニス部だったせいで、“本気でやる”ことが身体に染みついている。サークルの理念は「楽しく、ゆるく」。わかっているつもりでも、試合形式になるとどうしても力を抜けない。


 ベンチに腰を下ろした瞬間、さっきの試合のことが頭をよぎる。相手の子は笑ってはいたけど、少し引いているようにも見えた。そしてすぐ近くで──


「ちょっと引かない? あの子」

「サークルなのにガチすぎ……」


 ひそひそとした声が、風よりも冷たく、咲の胸に刺さった。


(頭ではわかってるよ。手を抜けばいいんだって)


 でも、力を抑えるのは、思った以上に難しい。高校の頃と違って、周りの空気も読まなきゃいけないのに……。咲は再びため息をつき、空を見上げた。


 そのとき。


「おつかれ、桐野さん」

「きゃっ」


 ひんやりした何かが額に当てられ、咲は驚いて声を上げた。そこに立っていたのは、サークルの一年先輩の男性、玉城。テニスが上手いだけじゃなくて、誰とでも自然に距離を縮められる人。


「桐野さんはホント、真面目だね、今日も。いいプレーしてたよ」


 彼の笑顔は、沈んでいた気持ちにすっと染み込んでくる。


「……ありがとうございます。でも私、またやりすぎちゃって。みんな引いてて……」


 そう言った瞬間、胸がぎゅっと締まった。弱音を吐くなんて、いつぶりだろう。玉城は、ふっと笑って咲の隣に座った。


「気にすることないよ。桐野さんのプレー、俺好きだけどな。真っ直ぐで、手を抜かないとこ」


 その言葉に、胸の奥が熱くなる。励まされると自分でも驚く程に心が救われる。


「玉城さん……ありがとうございます。何だか、その言葉、すごく嬉しいです」


 二人で軽く笑った。その後で特に会話はなかったが、穏やかな時間が二人を包んだ。


 それからというもの、咲は自然と相談ごとを玉城先輩に話すようになっていた。授業のこと、上手くいかないバイトのこと、サークルでの付き合い方。玉城はどんな話でも丁寧に咲の話を聞いた。


「無理に周りに合わせなくてもいいんだよ。桐野さんは桐野さんでしょ」


 その言葉に、どれだけ救われたか。


 いつのまにか、咲は先輩の姿を目で追うようになっていた。コートで笑う横顔を見るだけで、胸が軽く跳ねる。練習後に水を渡してくれる手の温度が、長く残る。


(私……玉城さんの事、好きになってる……)


 咲の気持ちは日増しに大きくなり、抑えきれなくなった。


 練習が終わったある日、夕日で長く伸びた影の中、咲は大きな決意をもって玉城先輩に声をかけた。


「あ、あの……先輩。ちょっと、話したいことがあるんです」


 声が震えているのが自分でもわかる。玉城は咲の声に少し驚いて目を丸くしたが、そのあとで優しく笑った。


「いいよ。どこ行く?」

「駅前のカフェ……行きませんか?」

「うん、行こう」


 その瞬間、心臓が跳ねた。歩き出してからも、落ち着く暇なんてない。横を歩く玉城が咲の歩幅に合わせて歩いてくれるたび、不安と期待で胸がいっぱいになる。風が頬を撫でるたび、体温が少し上がる。


 何を話そう。どう切り出そう。頭の中はそればかりなのに、言葉が全然まとまらない。


(ああっ、どうしよう! もう着いちゃう!!)


 結局、咲の頭の中では何もまとまらないまま、混乱と緊張で足だけは進み、気がつけばカフェに到着していた。窓際の席に座ると、もう逃げ場はなかった。コップの水を一口飲む。冷たさが喉を通り過ぎるのに、心臓は熱いままだ。


「それで……話って?」


 玉城の落ち着いた声。普段と同じ声だからこそ、余計に緊張する。


「……あの……えっと……」


 言葉が震える。こんなに緊張するのは初めてだった……でも、逃げたくなかった。


 ——咲は勇気を振り絞る。


「玉城先輩のことが……好きです」


 言った。やっと言えた。言った瞬間、胸の鼓動が激しく鳴り、息が浅くなる。怖い。でも、後悔はしたくなかった。


 数秒の沈黙。それが永遠に感じられる。やがて、先輩はゆっくりと微笑んだ。


「……そっか、両想いだったんだ」

「え……?」


 信じられない玉城の言葉に、咲は驚いて顔を上げ玉城を見返す。


「俺も、桐野さんのこと好きだよ」


 その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がふっとほどけて涙が出そうになった。


「ずっと思ってた。頑張り屋で、正直で、人に優しいところ。だから……これから、桐野さんともっと一緒にいたい」


 机の下で、玉城はそっと咲の手に触れていた。あたたかい。その温度に、心の奥がじんわりと熱くなった。


「はい……私も、もっと玉城さんと一緒にいたいです」


 カフェの窓から差し込む夕日が、静かに二人を照らす。胸の高鳴りは、もう不安ではなく、静かな期待へと変わっていた。


 長久手の小さな大学で始まった一つの恋。これから始まる二人の日々はきっと、今日よりもっと、あたたかい。

- キャラクター プロフィール -

名前:桐野咲きりのさき

職業:大学生

好きな事:テニス

年齢:19

身長:158㎝(5'2")

体重:51㎏(112lb)

誕生日:8月4日

星座:獅子座

血液型:O型


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