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リンゴのケーキと二人の距離(平田美佐子)

女性携帯販売員:美佐子の恋愛模様

 平田美佐子・二十一歳。愛知県みよし市にある携帯ショップ勤務。


 朗らかな笑顔が印象的な美佐子は、店内で開催する高齢者向けスマホ教室の担当を任されていた。専門知識は人並みだが、言葉を噛み砕いて伝えるのが得意で、“お年寄りにはなぜか伝わる”とスタッフから言われている。受講者からの信頼も厚い。


 一方で、専門的な質問が飛んだとき、密かに頼りにしている相手がいた。


 ――二歳年上の男性先輩社員、波多野。


 愛想が悪いわけではないが、表情は淡々としていて、テンションは常に平常運転。必要以上のことは語らないタイプだ。しかし携帯に関する知識量は店内随一。機種の細かい仕様も通信規格の癖も、質問すれば即答が返ってくる。


 美佐子が接客で困れば波多野が助け、波多野が専門話で空気を冷やしかけると美佐子が明るい笑顔でフォロー。お互いの短所と長所を補い合う、“絶妙にバランスの良い関係”だった。


 ――高齢者向けスマホ教室が終わったある日のこと。


「ミサコちゃん、今日もありがとうねぇ。これ、お礼に持ってって」


 帰り際、おばあちゃんが大きな袋を差し出した。中には真っ赤なリンゴがぎっしり。


「えっ、こんなに!? ありがとうございます、嬉しいです!」


 ショップへ戻り、スタッフに配りながら思う。


(いや、これはいくらなんでも多すぎるでしょ……誰が全部食べるの)


 ぼんやりしていると、ひょいっと手が伸びてきた。


「これ、二つもらっていい?」


 振り返ると、波多野先輩だった。二つ……いや、どんどん増えて、気づけば五つほど持っていった。


「波多野さん、そんなにリンゴ好きなんですか?」

「まあね。使い道があるから」


 何か含みのある言い方をして、波多野はバックヤードへ消えていった。でも追及するほどのネタではない。その日はそれで終わった。


 ――翌日。


 出勤すると、なんだか甘い香りが店内に漂っていた。


「おはようございます……あれ、なんかいい匂いしません?」

「平田さーん! これ食べてみて! 波多野さんが作ったんだって!」


 スタッフのひとりが皿を差し出してきた。透明感のある生地の中に、薄切りのリンゴがぎっしり詰まったケーキ。


「えっ……これ、先輩が作ったんですか?」

「昨日のリンゴでね。インビジブルケーキ。フランスのお菓子」


 淡々と説明する波多野と、鮮やかすぎるケーキのギャップがすごい。ひと口食べた瞬間、美佐子は固まった。


「え、なにこれ! リンゴのミルフィーユみたいで……めっちゃ美味しい!」


 甘さ控えめなのにリンゴの風味が広がり、しっとりとした食感。人気カフェの限定スイーツと言われても信じるレベルだ。


「こんなリンゴたっぷりのケーキ、カフェでも食べたことないんですけど……!」

「よかった。初めて作ったレシピだったから、うまくいってるか自信なかったけど」

「初めてでこれ!? どういうことですか先輩……! もしかして天才ですか!?」


 驚く美佐子に、波多野は少し視線を逸らして照れたように笑う。


「いや、天才じゃないから。俺、一人暮らし長いんだけど、自炊してるうちにいつの間にか料理にハマったんだよ。なんでも徹底的に調べる性格でさ。料理って、調べれば調べるほど奥が深くて面白いんだよね」


「先輩すごい……! 私なんて、カフェ巡りしても『わあ、美味しい!』って直感だけで楽しんでる感じで、全然理屈とか考えないですよ。ハハ……」

「いや、それ携帯販売員としてどうなの。でも……カフェ巡り好きなんだ? おすすめの店とかあるの?」


 そこから話が一気に盛り上がった。おすすめのカフェ、季節限定スイーツ、ラテアートの話。波多野の目が意外にもキラキラしていて、美佐子は“あ、こういう顔するんだ”と胸が熱くなった。


「じゃあさ……今度、一緒に行ってくれない? 俺にも平田の好きなモノ食べてみたい」

「えっ……私と……ですか?」


 驚いたけれど、変な含みはない。ただ純粋な興味のようだ。でも、美佐子の胸は確かにきゅっとなった。


「うん。美味しいケーキがある店、いろいろ知ってるんでしょ?」

「はい、分かりました! ぜひ一緒に行きましょう!!」


 自分でも驚くほどの即答だった。


 ――それから。


 休日に二人でカフェに行くのが当たり前になった。ガラス窓から差し込む午後の光、スチームミルクのあたたかい香り、カップが触れ合う小さな音。その中で、波多野は真剣な表情で季節限定ケーキの香りを分析する。美佐子はラテを飲みながら、その横顔を見るのが好きになっていた。


 ある日、帰り道の駐車場で、波多野がふとつぶやいた。


「平田ってさ、俺といるときは楽しそうに笑うよな」

「えっ……そんなに笑ってますか?」

「うん。店よりも自然だし……俺は、そういう顔の平田が好きだよ」


 心臓が跳ねた。“好き”だなんて。その言葉はあまりにも反則だ。その夜、美佐子は布団の中で気づいた。


 ――私、波多野先輩が好きなんだ。


 理由は分からない。気づいたら好きになっていた。一緒にいる空気が心地よくて、自然で、穏やかで。


(……いつか、言わなきゃ)


 胸に手を当てて決意する。カフェの香りに似た、甘くて少し苦い、そんな恋の始まりだった。


- キャラクター プロフィール -

名前:平田美佐子ひらたみさこ

職業:携帯電話販売

好きな事:カフェ巡り

年齢:21

身長:158㎝(5'2")

体重:53㎏(117lb)

誕生日:4月25日

星座:牡牛座

血液型:A型


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