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マイクを握る手が震える夜(吉川結)

女性会社員:結の恋愛模様

 吉川結は、愛知県稲沢市にある会社のデザイン部に勤めて四年目。仕事にも慣れ、後輩に指示を出すことも増えてきたが、恋のほうはずっと停滞中だった。いや、正確にいえば停滞しているというより、勇気が出ないまま動けていなかった。


 気になる相手は、営業部の一歳年上の先輩、音島。


 クライアント向けの資料を作るときにたびたび協力することがあり、彼が礼儀正しく「助かりました」と笑ってくれるたびに、結の胸はふわりと温かくなった。ただ、この感情を進展させるための、「今度一緒に、ご飯でもどうですか?」の一言はどうしても言えずに、ずっと胸の中でくすぶっていた。


 そんな結の様子を、同期で親友のケイコは見逃さなかった。


「結、あんたそろそろ行動しなよ」

「うるさいなぁ……わかってるけど、勇気が出ないの」

「あのね、見てるだけじゃ何も変わんないのよ?」


 そう言いながらケイコが意味深に笑ったとき、結はぞわっと背筋に寒気が走った。彼女が何かを企んでいるときは、ろくなことにならないのを知っている。


 その週末。結とケイコは、いつものように駅前のカラオケに来ていた。デザイン部のストレスは声に乗せて吐き出すに限る。マイクを握りしめて歌い上げると、少しだけ気持ちが軽くなるのだった。


「結〜、次の番だよ」

「ちょっと休憩。のど乾いたし」


 水を飲みながら息を整えると、ケイコが「ドリンク取ってくる」と言って部屋を出た。数分後、ドアが開き、戻ってきたケイコの後ろに立っていた人物を見て、結は息をのんだ。


(えっ!? 音島さん!? なんで!?)


 スーツ姿のままの音島が、少し気まずそうに頭を下げていた。


「ど、どうも。偶然ケイコさんに会いまして」

「えっ、偶然……?」


 ケイコがさらりと笑って言った。


「そうなのよ。ばったり会ったから、せっかくだしって」


(絶対、偶然じゃない!)


 心の中で結は叫んだが、心臓は信じられないくらい速く打っていた。


 三人で歌い始めると、思った以上に音島はノリが良かった。懐かしいロックナンバーを情熱的に歌う音島の姿は、普段の仕事モードとは違って新鮮だった。


「すごい……」


 思わず口をついて出てしまうと、音島が笑った。


「いやいや、久しぶりに歌ったから外れてたでしょ」

「全然です。びっくりしました。音島さん、お上手です」


 精一杯の褒め言葉を口から絞り出して赤面する結に、ケイコが意味深に視線を送ってきた。その視線に、結はさらなる嫌な予感を覚える。そしてその時、タイミングよく、ケイコのスマホが鳴った。


「ごめん、ちょっと出てくる!」


 そのまま部屋を出たが、ケイコはなかなか戻ってこない。数分後、結のスマホにメッセージが届いた。


【ごめん!急用入ったから先に帰る。後は二人で楽しんで〜♡】


「……やっぱり仕組まれてたんだ」


 結はため息をつきつつも、顔は熱くなるばかりだった。


 二人きりになった部屋。沈黙が重くのしかかる。居心地の悪さに耐えられず、結は思わず曲を入れた。

マイクを握ると、不思議と体が勝手に動いた。二曲、三曲と立て続けに歌う。普段の控えめな自分からは想像できないくらい、大きな声を張り上げていた。


 歌い終え、肩で息をしていると、音島がぱちぱちと拍手した。


「……すごい。結さんって、こんなふうに歌うんですね」

「えっ……」

「いつも落ち着いてて、控えめで……でも、今の結さんはすごく生き生きしてる。情熱的な歌声に圧倒されました」


 彼は照れくさそうに笑って、少し声を落とした。


「で……その、正直、見惚れました」


 その小声が、耳の奥に残って離れない。顔が一気に熱くなる。胸の鼓動は暴走気味だった。


「そ、そんな……大げさですよ」

「大げさじゃないですよ。僕、本気で驚いてます」

「……」


 視線を合わせられず、結はマイクをぎゅっと握りしめた。すると音島が続けた。


「今日、来てよかったです。もしケイコさんに誘われなかったら、あっ、いや! 偶然ケイコさんに会わなかったら! こんな結さんを知れなかったわけですから」


(ケイコー!!)


心の中でケイコに怒りを覚えつつ、目の前にいる音島には何も声をかけられず、結は赤くなってうつむいた。


「……」

「もっと知りたいな。結さんの、普段見せないところを」


 その言葉に、胸が甘くしびれるように高鳴った。


 翌週。ランチタイム、ケイコと向かい合った結は開口一番に言った。


「ケイコ……あんた、やっぱり仕組んでたでしょ!」

「え、なにが〜?」

「とぼけないで!音島さん呼んだでしょ!」


 ケイコは悪びれもせず笑った。


「だって、二人きりにでもしなきゃ絶対進展しなかったじゃん」

「うっ……それは、まぁ……感謝はするけど」


 結は深呼吸し、メニューを広げながら言った。


「でも今日のランチは奢ってもらうからね! そのくらいの罰は受けてもらう」

「ええーっ!?」


 二人の笑い声が店内に響く。その胸の奥には、あの日の音島の小さな褒め言葉と、彼の真っ直ぐな視線がまだ残っていた。これからの日々が、きっと少しずつ変わっていく。その予感に、結の頬は自然と熱を帯び、笑みがこぼれてしまった。

名前:吉川結よしかわゆい

職業:会社員(デザイン部)

好きな事:カラオケ

年齢:27

身長:160㎝(5'3")

体重:53㎏(117lb)

誕生日:4月29日

星座:牡牛座

血液型:A型


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