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ステージの光とスケッチブック(竹内美智子)

女性イラストレーター:美智子の恋愛模様

 竹内美智子は、中学の頃から地元・春日井市の小さなライブハウスに通っていた。最初はただ音楽を聴きに来ていたが、絵を描く事が好きな美智子は、いつしか演者の表情や演奏する姿をスケッチするようになった。SNSに絵を載せれば、知らない誰かが「いいね」をくれる。それが嬉しくて、ライブに行くたびにペンを走らせた。


 ペンネームは「ライブハウスのイラスト屋」。フォロワーは五千人を超え、今では「春日井のライブハウスの絵描きファン」として少し噂になっている。正体は明かさない。ただ、ライブハウスの端でペンを走らせる彼女の姿は現地ではよく知られていた。


 イラストレーターとして就職した今も公表はせずに、ライブハウスファンの間で共有する秘密のような出来事になっている。


 仕事帰りの金曜夜、美智子はその日もライブハウスに足を踏み入れた。暗い階段を降りると、湿った空気と甘いタバコの匂い、そしてリハの音が耳をくすぐる。


「うーん、この感じ、落ち着く……」


 今夜はずっと追いかけているベテランバンドの演奏と、高校生バンド「トワイライト」のデビューライブ。正直、名前だけじゃピンとこない。でもせっかくなので、いつものようにドリンク片手にスケッチブックを膝に置いた。


 照明が落ち、緊張を隠せない高校生四人がステージに並ぶ。そして――。ベースの低音が、腹の底にズン、と響いた。視線の先で、黒髪の少年が真剣な顔で指を走らせている。荒削りなのに、妙に心を掴む音。


(……誰、この子)


 曲が終わるたび、観客が「おお……」とざわめく。気づけば美智子は、そのベーシストを夢中でスケッチしていた。指の動き、汗の光、ちょっと不器用な笑顔まで――線が勝手に走る。


 帰宅後、その絵をSNSに投稿すると、数時間後にDMが届いた。


 『はじめまして! 高校二年の音羽弦太です。あなたの絵、いつもインスタで拝見して、えっと、俺、あなたのファンなんです! それでっ! この絵、俺ですよね!? うれしすぎます!』


 興奮が文字から溢れていた。さらに彼はこう続けた。


『次のライブで、直接お礼言わせてください!』


 二週間後の金曜、またライブハウスへ。ステージを降りた弦太は、タオルで汗を拭きながら駆け寄ってきた。


「ライブハウスのイラスト屋さんですよね! 本物だ……!」

「え、本物って……私は怪しい生き物か何か?」

「いや、あの絵の人だって思うと……!」


 その笑顔に、なんだか拍子抜けする。もっと尖ったタイプかと思ったら、犬みたいに人懐っこい。


「本当に、あの絵……宝物です。ありがとうございました!」

「そんな大げさに。でも……喜んでもらえてよかった」


 そこから彼は、ライブのたびに話しかけてくるようになった。自己紹介をして互いに名前で呼び合う様になった。練習で弦が切れた話や、文化祭でベースとアンプ機材を担いで廊下を走った武勇伝。高校生らしい無邪気さに、つい笑ってしまう。


 そして、何度目かのライブのあと。客が帰り、片付けが始まる頃、弦太が急に真顔になった。


「あの、竹内さんって、彼氏とかいるんですか?」

「えっ? いないけど、どうしてそんな事を聞くの?」


 少しの間を置いた後、弦太は真っすぐな瞳で美智子に告げた。


「俺、竹内さんのこと、好きです! 俺と付き合ってもらえませんか!? お願いします!!」

(ええっ!?)


 あまりにも直球すぎて、心臓が跳ねた。けれど相手は高校生。現実が、美智子の感情に冷静さを与える。


「……ありがとう。でも、弦太、まだ高校生でしょ?」

「年なんて関係ないっす」

「でも……私は社会人だし、いろいろと……ね」


 その言葉に自分でも苦いものを感じた。弦太の瞳は真っ直ぐで、嘘も打算もない。それでも答えは出せず、美智子は笑ってごまかすしかなかった。


 季節が進み、数か月後の金曜の夜。弦太のバンド「トワイライト」の演奏は見違えるほど成長していた。ベースの低音が会場を揺さぶり、観客が拳を突き上げる。弦太の音はしっかりとバンドを支え、彼自身も音に溶け込むように笑っていた。その様子に観客も熱を上げ、着実にファンを増やしていた。


 終演後、弦太に呼び出されたのは駅近くの小さな公園。秋の夜風がひんやり頬を撫でた。


「今日も……すごかったよ」

「ほんと? ありがとう、美智子さん。俺、美智子さんに褒められるのが一番うれしい」


(もぅ! この子は本当にこういう事をすっと言うんだから!!)


 照れ隠しに俯く美智子の前で、弦太は深呼吸をした。


「美智子さん、じゃあ、俺、もう一回勇気を出して言うね」


 彼は深呼吸して、真剣な顔をした。


「俺、美智子さんのこと、本気で好きだ。告白は三回目だし、今度こそ逃げないで答えて。俺と付き合ってほしい」


 胸がきゅっとなる。初めて会った日の無邪気な笑顔、ベースを弾く横顔、DMでのはしゃぎ方――全部が頭を巡る。


(……ずるいよ、そんな真っ直ぐ言われたら)


 気づけば、目の端が熱くなっていた。


「美智子さん、俺の事、嫌い?」

「嫌いな訳……ないじゃん」


 二人の間を穏やかな風が吹き抜ける。


「じゃあ……俺と、付き合ってくれる?」

「……うん」


 彼が照れくさそうに笑う。そして二人はそっと唇を重ねた。夜風が、少しだけ暖かくなった気がした。


(ああっ、私、これで本当に良いのかな。でも、今は……)


 それからも、美智子はライブハウスに通い続ける。ただ一つ変わったのは、描く対象が「春日井の影の絵描きが趣味で選ぶ演奏者」ではなく、恋人・音羽弦太になったことだった。その笑顔を、これから先もずっと描き続けるのだろう――ステージの光とともに、二人の未来を重ねながら。

- キャラクター プロフィール -

名前:竹内美智子たけうちみちこ

職業:イラストレーター

好きな事:ライブ鑑賞

年齢:21

身長:162㎝(5'4")

体重:56㎏(124lb)

誕生日:7月5日

星座:蟹座

血液型:O型


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